大学紹介ABOUT TAISHO
建学の理念と教育ビジョン
大正大学の建学の理念「智慧と慈悲の実践」
大正大学は仏教系の私立大学で、大乗仏教の精神である「智慧と慈悲の実践」を建学の理念としています。
「智慧と慈悲の実践」は仏教における菩薩の生き方を表したものです。菩薩とは自らの修行の完成と衆生の救済を志す人を意味します。わかりやすくいえば、自己の研鑽に励むとともに、他者の幸福を願って行動する者です。大学に在籍している間だけでなく、生涯を通じて菩薩のように生きてほしい。大正大学の建学の理念には、そのような願いが込められています。
教育ビジョン「4つの人となる」
建学の理念にもとづいて教育ビジョン「4つの人(慈悲・自灯明・中道・共生)となる」を立てています。大正大学での学びを通じて、慈悲の人・自灯明の人・中道の人・共生の人になってほしいと考えています。
慈悲
慈悲の「慈」は「いつくしみ」。
他者に利益や安楽をもたらすこと。
悲とは「あわれみ」。
他者の苦をわがことのように思い、それを取り除くこと。
外在的な課題を感じ取り、解決できる人
慈悲とは生きとし生けるものに向ける親愛のこころです。慈悲の実践は、他者の立場で物事を考えることから始まります。他者に共感したとき、自分の外側に存在するさまざまな問題を感じ取ることになるでしょう。問題解決のために努力できる人を、大正大学では「慈悲の人」とします。
自灯明
正しくは「自灯明・法灯明」といい、 釈尊の遺言として伝えられることば。
「自らを灯明として自らをたよりとして生きよ。真理(法)を灯明として真理をよりどころとして生きよ」という意味。
内在的な問いを見出し、探求できる人
自灯明とは 真実を探究し、自らを確立することです。自灯明の実現は、人間・社会の本質や自らが生きる意味を問うことから始まります。そのために、自分自身を知り、さらに自分事として取り組むことのできる課題を見つけることが大切になります。
中道
中道とは、相対する二つの極端な立場を離れること。
「中」とは両方の真ん中ではなく、矛盾対立を超えることです。
「道」は実践。つまり、現実において両極にとらわれない実践をすることが中道です。
論理的・自律的に思考する人
中道とはとらわれない心をもった正しい生き方です。自らが立てた問いに対して、とらわれない心で探究する姿勢をもつことが中道の実践です。根拠にもとづいて論理的に思考することや自分なりの解を導き出すことが中道の人には求められます。
共生
共生とは、椎尾弁匡大正大学元学長が強調されたこととして知られています。現代的には、生きとし生けるものがすべて関係しあって存在すること、過去から現在、未来へとつながっていることを意味します。
倫理的・協働的に行動する人
共生の世界では、さまざまな人びとが互いを尊重しながら生きています。
共生の世界を実現するためには、倫理的な行動をもって、共に生きる他者と協働して新たな価値を生み出す努力をすることが必要です。
「4つの人となる」ための10の力
大正大学は、建学の理念と教育ビジョンを中心に据えながら、現代社会に求められる学力を「10の力」として表現しました。これらの力は卒業後のキャリアにおいて役に立つとともに、大正大学のめざす「4つの人となる」ために必要なものです。
慈悲
生きとし生けるものに親愛なるこころを持てる人となる
1他者に共感する力
他者の立場で物事を考えることから始めてみましょう。他者の声に耳を傾け、他者の喜びや苦しみ・悩みに共感したとき、私たちは自分の外側(社会・地域・自然環境)に存在する困難・矛盾・不確実性など、さまざまな問題を感じ取ることができます。学ぶことは問題を感じ取ることから始まります。
力を伸ばすためのアドバイス
- グループディスカッションや周囲の人にインタビューを行う授業・活動に参加してみましょう。相手の意見に耳を傾ける力や相手が伝えたいことを引き出すスキルを身につけるチャンスです。
- インターネットやマスメディアを使って、世の中に存在する困難や矛盾、地域や社会で求められているものを探してみましょう。
授業の課題として取り組むときだけではなく、常日頃から意識できていることが大切です。
2物事の本質を見極める力
問題解決において重要なのは、膨大な情報から物事の本質とは何かを見極めることにあります。現代社会はさまざまな情報に満ち溢れていて、そのなかから真実や本質を見極めることは容易ではありません。しかし自分の外側に心を開き、情報に惑うことなく、問題解決のために努力をする姿勢を大学で培ってください。
力を伸ばすためのアドバイス
- 世の中で起きている出来事やニュースを理解する上で、解説者・コメンテーターや大学の先生は何が重要だと述べているのかに注目してみましょう。
- 地域や社会の課題解決のために活動している人たちの物事の捉え方を知ってみましょう。大学の授業や講演会、書籍、ネット記事など、知るための方法はたくさんあります。
自灯明
真実を探求し、自らを頼りとして生きられる人となる
3自分自身を理解する力
学ぶ過程で重要なことのひとつは、人間・社会の本質や自らが生きる意味を問うことです。そのために自らの価値観・ビジョン・責務・能力・関心など自分自身を理解することから始めてみましょう。自分を知ることで、より効果的に学び、自らの成長を促進することが可能となります。
力を伸ばすためのアドバイス
- 将来の具体的な目標を設定し、そのための計画を立ててみましょう。大正大学では、そのためのツールとしてUR-note(学修支援システム)のなかに「修学カルテ」と呼ばれるものがあります。
- 文学作品やドラマ、映画、アニメ、マンガなどに出てくるさまざまな登場人物のありかたや、その著者の考え方に注目してみましょう。自分の生き方について深めていくよいきっかけになるかもしれません。
4自分事として問いを立てる力
自らの学びと成長において問いを立てる力は欠かすことができません。そしてその問いを自分事として捉える姿勢こそが肝要です。知識の蓄積をめざした他人事の学びではなく、自らが主体的に課題に取り組むことは、変動の激しい現代社会を生き抜くために必要な力であるといわれています。
力を伸ばすためのアドバイス
- 他者の発表や意見を聞くだけでなく、質問を考えてみましょう。自分の立場に引き寄せて考えてみると、思いがけない見方が生まれてくるかもしれません。
- 日頃から自分が疑問に思ったことをメモし、問いを立てることを習慣化してみましょう。スマートフォンやSNSも、メモとして使えるツールのひとつです。
中道
とらわれない心を育て、正しい生き方ができる人となる
5根拠にもとづいて思考する力
高度情報社会において根拠にもとづいて思考する力の価値が高まっています。感情的また主観的な意見に流されることなく、また独り善がりになることなく、文献・資料・データなど、適切な根拠にもとづいて客観的に思考し、論理的な主張を構築することが大切です。
力を伸ばすためのアドバイス
- 集めた情報を整理し、考え方をまとめる経験を積み重ねてみましょう。授業で課されるレポートの作成も、その豊かな経験のひとつです。
- 大学の先生や学術書を道しるべにして、文献や資料・データの解釈の仕方、活用の仕方を学んでいきましょう。
6自分らしい方法で表現する力
問いを立てたのであれば 、自分なりの解(答え)を導き出してみましょう。そこに「正解」はありません。自分なりの着眼点から、そして自分らしい方法で表現する姿勢を身につけましょう。そのような答えにはおのずと説得力が伴います。
力を伸ばすためのアドバイス
- 論文やレポートを作成するときに自分なりの着眼点をもつことを意識してみましょう。
- 自分の伝えたいことはメディアや言葉の選択によって異なっていくことを経験してみましょう。発表やレポートなど、その経験の機会はたくさんあります。
7自らの主張を吟味し、ふりかえる力
変動の激しい社会を生きるためには生涯学び続ける姿勢が不可欠です。そのような姿勢を身につけるためには、学びと成長を常に点検する習慣が重要です。過去の経験をふりかえり、そこから学ぶことで、私たちはより高次な学びを実現することが可能となります。
力を伸ばすためのアドバイス
- 自分の発表やレポートに対してもらったコメントをふまえて、自分が何を学んだのかを改めて言葉にしてみましょう。先生からだけではなく、他の学生とお互いに評価し合うこともよい経験になります。
- 自分自身が身につけた知識や考え方を、日常生活や学生生活の場面で応用してみましょう。それによって知識や考え方についての理解はさらに深まり、具体的になります。
共生
共に生き、ともに目標達成の努力ができる人となる
8多様性を尊重する力
異なるバックグラウンドをもつ他者と共に生きる社会にあって、多様性を理解し受け入れることはとても大切です。他者のありかたに共感する感受性、自らと異なる意見への柔軟性、他者とのコミュニケーション力を育むことが求められています。
力を伸ばすためのアドバイス
- グループワークを行う授業や学外の人との交流の後に、自分は他の人の発言や生き方に敬意をもってふるまうことができていたかをふりかえってみましょう。
- 自分とは異なる文化や習慣をもつ人の視点に立って、自分の考えを捉え直す経験をしてみましょう。
9新たな価値を創造する力
現存する問題に創造的かつ革新的な解決策を見つけるためには、自らの意見を見直す開かれた姿勢をもつことが肝要です。また教室で身につけた知識をあらゆる場面で活用しようとする意欲をもつことも重要です。この力は変化する環境に適応するための術ともいえるでしょう。
力を伸ばすためのアドバイス
- グループワークの際に、周りの雰囲気に注目してみましょう。どのような雰囲気のときに新しい見方や考え方が生まれやすいのかを理解するきっかけになります。
- 地域や社会が抱える課題や、その解決策について問う際に、立場や状況などを変えて考える経験をしてみましょう。今まで思いつかなかった新しいアイデアが生まれるかもしれません。
10他者と対話し、協働する力
現代社会には一人では解決し難い問題が多く存在します。そのため他者との協力や連携は不可欠です。共に生きる他者と対話を重ねながら、問題解決に向けた行動をとるために、大学での学びにおいて必要な知識・スキル・人間性を身につけましょう。
力を伸ばすためのアドバイス
- 話し合いの場面で、時間をかけて相手と対話できる人、柔軟に相手に対応できる人、それぞれがもっているよい特徴について知ろうとしてみましょう。グループワークの授業も、それらを考えるよい機会になります。
- グループで意見交換しやすい雰囲気をつくる上で、自分自身がどう貢献できたのか、さらにどのような工夫をすることができたのか、ワーク後にふりかえってみましょう。