2021年度より比較文化専攻の学生募集を停止いたします。
2021年度からは同研究科宗教学専攻に専門分野「言語文化」を追加し、従来の比較文化研究を志望する学生の学びを支援いたします。
「比較」とは自分の研究テーマを相対化する手法のこと。既成の学問の方法にとらわれず、学際的な視点で多角的に考察できる人材の育成をめざします。
研究キーワード
- 異文化の根本的理解
- 言語感の相違、言語/非言語
- アメリカ文化・ジェンダー
将来の活躍イメージ
- 教員
- 一般企業
- 研究者
学びの特色
既成の学問の方法にとらわれない多角的な考察力を養う

「比較」することによって文化の立体的な構造を見出す

「比較」とは自分の研究テーマを相対化する手法。既成の学問の方法にとらわれず、学際的な視点で多角的に考察できる人材の育成をめざします。言語、文学、哲学などの人文学を基礎に、分析を現代文化の地平に広げます。「比較」することによって、文化の立体的な構造が見えてきます。

アットホームな環境での勉学と留学生との交流

本専攻は、小さな所帯です。院生はアットホームな雰囲気で勉学に励むことができる環境にあります。また、年度により留学生も在籍します。これまで、台湾と中国からの留学生が無事に修士を取得しました。留学生との交流も本専攻ならではといえるでしょう。

映画やアニメ・ゲームも研究対象に

他の専攻学問と異なり、比較文化という学問は準拠枠が緩やかです。この特性をいかして、弾力的な指導を継続していくことで、若者に超人気の映画研究、アニメ研究、ゲーム研究、絵本研究なども、立派な修士論文に仕上がります。
教員 PICK UP


担当科目
比較文化特論B 比較文化演習B
授業の特徴
物語とは何か、ということを基軸としつつ、学問領域を横断する学際的な文化研究を目指し、さまざまな批評理論を応用しながら、受講生の関心の高い題材について議論しています。題材は受講生の研究も配慮し、神話やおとぎ話、小説や演劇などの文学から漫画、映画、アニメーションまで幅広く扱います。基本となる批評理論に関する知識を比較的平易に書かれた文献で習得することと並行し、分析対象とする作品を読解するというのが例年の授業の流れです。読解し考察したこと、議論したことを論述する力をつけるために、関連する論文も数本読むことにしています。日常的に抱く興味や関心を研究に高めていく過程を授業で体験することによって、それぞれが取り組む修士論文や博士論文を書き上げていくコツをつかみ、論文執筆のスキルと方法を身につけることを目指しています。
修士課程
異なる言語・文化・思想・価値観を受け止め、問題意識を育てる
比較文化専攻博士前期(修士)課程は以下のようなポリシーを持って運営します。
- 1.「総論」「総合演習」科目設置の意味
- 広義の文化論という分野において、研究を行うための基本的な専門知識を体系的に理解し習得するために、さらに、この分野を社会一般で認められている研究倫理に相応しい態度を身につけるために「総論」科目及び「総合演習」科目を設けます。
- 2.「特論」科目設置
- 各専門分野における基本的な専門知識を習得し、研究及び発表の技能を獲得するために、そして、当該専門分野における研究倫理に相応しい態度を身につけるために「特論」科目を設けます。
- 3.「特殊研究」科目の役割
- 自ら設定した課題に基づいて、広い視野と多面的な思考によって、倫理的・実証的な論文の執筆が可能となるように、指導教授との個別指導方式による「特殊研究科目」を設けます。
- 4.修士課程でめざす人材育成
- いずれの科目においても、自らと異なる言語・文化・思想・価値観を共感的に受け止め、それらの多様性を尊重し、共生の精神に基づいた地域・社会・世界の発展に寄与するための姿勢と問題意識を育てます。
博士課程
文化・思想・宗教・価値観などの間で発生する問題を対処する姿勢を養う
比較文化専攻博士後期課程は、以下のようなポリシーを持って運営します。
- 1.「総論」「総合演習」科目設置の意味
- 比較文化学/広義の文化論という分野において、研究を行うための基本的な専門知識を体系的に理解し習得するために、さらに、この分野を社会一般で認められている研究倫理に相応しい態度を身につけるために「総論」科目及び「総合演習」科目を設けます。
- 2.「特論」科目設置
- 各専門分野における高度な専門知識を習得し、研究及び発表の技能を獲得するために、そして、当該専門分野における研究倫理に相応しい態度を理論的に学ぶため「特論」科目を設けます。
- 3.「特殊研究」科目の役割
- 自ら設定した課題に基づいて、広い視野と多面的・重層的な思考に基づく独創的成果として理論的・実証的な論文の執筆が可能となるように、指導教授との個別指導方式による「特殊研究科目」を設けます。
- 4.博士課程でめざす人材育成
- いずれの科目においても、専門領域における理論を深めるとともに、自らと異なる言語・文化・思想・価値観を共感的に受け止め、それらの多様性を尊重し、共生の精神に基づいた地域・社会・世界の発展に寄与するための姿勢と問題意識を育てます。
- 5.文化に関する社会の課題の解決策を考えられる姿勢を養う
- 異なる文化・思想・宗教・価値観などの間で摩擦・対立・衝突が生起した場合、その対処方法について考える姿勢を養います。
教育方針
ディプロマ・ポリシー(DP)
比較文化専攻は、大学が掲げている教育ビジョン「4つの人となる」を、生涯を通じて体得していこうとする大学院生を育成するために、比較文化専攻の教育課程を修了し、以下の資質・能力を身につけた大学院生に学位を授与します。
博士前期課程 | 博士後期課程 | |
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知識・技能 |
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思考・判断・表現 |
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関心・意欲・態度 |
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カリキュラム・ポリシー(CP)
比較文化専攻は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につけている大学院生を育成するために、各課程において、以下のカリキュラムを編成します。
博士前期課程 | 博士後期課程 | |
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教育内容 |
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教育方法 |
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評価 |
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アドミッション・ポリシー(AP)
比較文化専攻は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につけている大学院生を育成するために、以下の能力・資質を備えた大学院生を求めます。
博士前期課程 | 博士後期課程 | |
---|---|---|
知識・技能 |
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思考・判断・表現 |
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関心・意欲・態度 |
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担当教員
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- 教授
- 伊藤淑子
- 専⾨分野:
- アメリカ文化、アメリカ文学、ジェンダー・スタディーズ
研究キーワード
- アメリカ文化
- アメリカ文学
- ジェンダー・スタディーズ
研究テーマ・領域テーマ
現在の研究の関心は、1)19世紀アメリカ文学における女性の言論獲得のプロセスの分析、2)ファンタジーにおけるジェンダー表象の分析、3)アジア系アメリカ文学における主体性の構成の考察、という3領域にわたっています。題材は異なりますが、周縁化された存在の主体性探求のストラグルという点で、それぞれの関心はつながっています。
19世紀、アメリカ、文学、ファンタジーと、いずれも私自身がいま在る地点からはなれたものを研究対象としていますが、過去から照射される現在、架空の物語が孕む普遍的な問いは、いま私たちが直面する問題に向き合うことでもあるのです。
何を研究するか、そこには必然性と偶然性があると思っていますが、たまたま手にした本や情報に触発され、研究のコミュニティに刺激され、研究の関心が広がっていくのはとても楽しいものです。
私の研究の原点は19世紀アメリカの女性文学ですが、そこで得た分析手法を応用して漫画やアニメーションも分析することもできます。学生だったころから比べると、学問の環境も大きく変化していますが、ますます多様になる研究の方向性の波に乗り、さまざまな挑戦をしていきたいと考えています。
担当授業科目
比較文化特論B・比較文化演習B・比較文化総論A/B・比較文化総合演習A/B
受験⽣・学⽣へのメッセージ
授業では、物語とは何か、ということを基軸としつつ、学問領域を横断する学際的な文化研究を目指し、さまざまな批評理論を応用しながら、受講生の関心の高い題材について議論しています。題材は受講生の研究も配慮し、神話やおとぎ話、小説や演劇などの文学から漫画、映画、アニメーションまで幅広く扱います。
基本となる批評理論に関する知識を比較的平易に書かれた文献で習得することと並行し、分析対象とする作品を読解するというのが例年の授業の流れです。読解し考察したこと、議論したことを論述する力をつけるために、関連する論文も数本読むことにしています。
日常的に抱く興味や関心を研究に高めていく過程を授業で体験することによって、それぞれが取り組む修士論文や博士論文を書き上げていくコツをつかみ、論文執筆のスキルと方法を身につけることを目指しています。研究の楽しさも難しさもともに味わいながら、たがいに刺激しあい、研究に邁進する日々を過ごしましょう。
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- 教授
- 塚田良道
- 専⾨分野:
- 考古学・博物館学
研究キーワード
- 考古学
- 古墳
- 埴輪
- 絵画
- 東アジア
- 博物館学
研究テーマ・領域テーマ
- 考古学
埴輪や壁画をはじめとする造形・図像資料をもとに、日本列島における古墳文化の特質と、古代における東アジアと日本列島との関係を研究しています。
- 博物館における歴史展示
博物館における歴史展示(おもに考古資料)も研究対象の一つです。
担当授業科目
考古学特論B・考古学演習A
受験⽣・学⽣へのメッセージ
考古学の発掘調査は、現場に立ち淡々と作業を進めることが求められます。遺跡の分布調査では、一日に10km以上歩くこともあります。室内に入っても、遺物を接合し、実測して図面を描く作業は、根気がいります。多くの作業がデジタル化しても、考古学の研究には、こうした肉体的な技術が求められます。
わたしの経験からいうと、このような最も知的ではなさそうな肉体的な作業が、じつは古代を理解する早道ではないかと思っています。おそらく、遺跡や遺物には言語化しえない情報が多く含まれていて、それを感じ取るためには、人間の持つさまざまな能力を駆使する必要があるからだろうと思います。
こんな話を書くと「きついことはやりたくないなあ」と思う人が多いかも知れません。しかし、上記の体力は、とりたててスポーツをやったことのない人でも、充分に備わっているものであることをお断りしておきます。
「習うより慣れよ」という言葉もあります。大学院では、自らの五感をフルに活用して、考古学の研究にとりくんでください。
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- 教授
- 西蔭浩子
- 専⾨分野:
- 英語教育学、異文化コミュニケーション、社会言語学
研究キーワード
- 第2言語習得
- 母語干渉
- コミュニケーションストラテジー
研究テーマ・領域テーマ
- TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)外国語としての英語教育法と海外の英語教育を研究し、日本での小中高等学校を通した一貫した英語教育方法を研究している。
- 日本語と英語の文化的差異に起因する表現方法の比較研究「直訳が生む誤解」から「内容を伝える意訳」へ、そして「文化背景を踏まえた文化訳」を課題としている。
担当授業科目
MD比較文化総論B・MD比較文化総合演習B・MD比較文化特論D・MD英語圏文化特論
受験⽣・学⽣へのメッセージ
大学院は自分の興味を研究テーマとし、いろいろな角度から検証を進め、研究者としての第一歩を踏み出すことのできる重要な場です。多面的に物事を見る眼を養い、かつクリティカルシンキングを進め、自分の研究テーマを問い続けることができます。あなたの持っている「?」について答えを探しませんか?
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- 教授
- 伏木 香織
- 専⾨分野:
- 民族音楽学、文化人類学
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- 教授
- 星川啓慈
- 専⾨分野:
- 哲学的比較文化論、宗教哲学、言語哲学、言語リアリティ関係論
研究キーワード
- リアリティ
- 言語
- 宗教
- シュッツ
- ウィトゲンシュタイン
研究テーマ・領域テーマ
- これまでの長い間、主として「言語とリアリティの関係」をめぐって、宗教を題材としながら、種々の視点から考察してきました。
- ここ数年は、「アルフレッド・シュッツの流れをくむ宗教現象学」に興味を持って、論文集『シュッツと宗教現象学』を翻訳しながら勉強しています。
担当授業科目
比較文化総論・比較文化特論・比較文化演習
受験⽣・学⽣へのメッセージ
- 同年代の人たちは、社会に出て仕事をしている。大学院に進学するということは、そうした人たちが働いている時間に勉強するのだから、しっかり勉強してほしい。
- 学問は本質的に楽しいものである。もちろん、苦しいこともいっぱいあるだろうけれども、基本的に研究することの楽しさを見失うと悲惨なことになる。
- とにかく、「好きでたまらない」テーマを見つけて、それを深く研究できるようになってほしい。
- 指導教授が自分の研究しているテーマに詳しい場合には問題ないが、そうでない場合は、「独立独歩」で研究しなければならないかもしれない。そういう覚悟も必要であろう。
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- 教授
- 御堂島 正
- 専⾨分野:
- 考古学
研究キーワード
- 実験痕跡研究
- 遺跡形成論
- 機能論
- 旧石器時代
- 縄文時代
研究テーマ・領域テーマ
考古資料の解釈と説明のための基礎的研究、特に実験痕跡研究に関心をもっています。実験痕跡研究とは、様々な実験を通して、人間行動や自然現象とその結果として生じる痕跡との関係を把握し、それをもとに考古資料の解釈を行おうとするものです。これまで、石器の製作・使用・廃棄等、考古資料の形成過程などの研究を行ってきました。
担当授業科目
MD考古学特論A・MD考古学演習B
受験⽣・学⽣へのメッセージ
「既にあるものを知ることも、理解することも、研究ではない。研究とは、今はないものを知ること、理解することだ。…」
これは森博嗣著『喜嶋先生の静かな世界』(講談社文庫)のなかで、喜嶋先生という主人公の指導教官が語る言葉です。この本のなかには「『論文』には世界初の知見が記されていなければならない。」ともあります。誰かが既に言っていたり、本に書かれたりしていることを調べて書き写すのは研究ではありません。
学部学生は卒業論文で研究の一端に触れますが、本当の研究は大学院から始まります。研究の楽しさや、充実感、達成感、高揚感、困難さ、自らの不識、非力は大学院でよく知ることができるでしょう。その世界に分け入ってみるのも悪くないと思います。
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- 教授
- 行森 まさみ
- 専⾨分野:
- 社会言語学、英語教育
カリキュラム
科目履修方法
修士課程
各自の研究分野にしたがい、特殊研究8単位を含め、合計30単位以上を修得するものとする。
基礎科目の比較文化総論A・比較文化総論B・比較文化総合演習A・比較文化総合演習Bの4科目8単位が必修である。分野科目は、7科目14単位が選択必修であるが、科目の選択については、指導教授の指示にしたがうこと自由選択は必要に応じて履修すること。
博士後期課程
特殊研究12単位修得するものとする。


特殊研究・課題研究・研究指導・実践分析研究・事例研究について
1年次からの必修であり、修了までのあいだ、継続的に履修しなければなりません。また科目の履修にあたっては専攻の指導にしたがってください。ただし、修了要件として認定できる単位数は修士課程8単位・博士後期課程12単位までとします。
研究テーマ例
- 『星の王子さま」の円環を描くヘビ
- 一般紙に掲載された「絶愛ー1989ー』から見るボーイズラブの関係性の変遷
- 手塚治虫『火の鳥』とメアリー・シェリー『フランケンシュタイン」における生命観の比較研究
- 『抱擁家族』と『成熟と喪失』:日本における戦後文学における母性の言説についての比較研究
- スウェーデン絵本:『市の絵本』の比較研究
- 韓国の仏教絵本にみられる日本のイメージ
- 映画『Mishima』における三島像
- 演技する身体のアート:森村泰昌と護法童子
- 富岡多恵子におけるガートルード・スタインの文学的影響とフェミニズム
- 『森の生活』におけるH.D.ソローの生活形式と思想の関係