大正大学 スガモで育む日本の未来。

仏教学研究科 仏教学専攻
建学の精神を体現する研究科学問の発展に挑戦し続ける人材の育成をめざす

仏教学全般から仏教思想まで、広い範囲にわたって研究を行います。天台宗、真言宗、浄土宗にかかわる宗学、その関係領域の研究及び現代的展開をはじめ、原始仏教、インド大乗仏教、インド密教、中国仏教、浄土教、如来蔵思想など独自の研究にも取り組んでいます。

研究キーワード

  • 仏教の思想・文化・歴史の探究
  • サンスクリット語等の原典研究
  • 仏教界の指導者養成

将来の活躍イメージ

  • 僧侶
  • 教員
  • 宗教法人職員

「臨床宗教師」について

「臨床宗教師」は、一般社団法人日本臨床宗教師会が2018年3月に資格認定を開始した新しい認定資格です。臨床宗教師は宗教や宗派の垣根を超え、公共性のある立場からの専門的な心のケアを行う宗教者を指します。
被災地や医療機関、福祉施設などの公共空間で心の苦しみや痛みを理解し、和らげるための支援を行うことを目指しています。
(参照元:日本宗教師会

本大学院では、天台宗、真言宗豊山派、真言宗智山派、浄土宗、時宗の教師資格を有するものが出願可能です。

  1. 1.カリキュラム
    必要18単位を取得することで養成課程の修了証が発行されます。
    春学期、秋学期にそれぞれ必要な科目を履修いただきます。
  2. 2.実習
    秋学期には実際に福祉施設に行き、「傾聴」や「スピリチュアルケア」を行います。
    また、その他傾聴実習が可能な場所にその都度参加いただく場合もございます。
  3. 3.登録料
    養成課程を受講するには、資格登録料が必要です。
    大学院生と科目等履修生で金額が異なります。

詳細は出願後のガイダンスで説明します。その他ご不明点は教務課大学院担当(kyomu_daigakuin@mail.tais.ac.jp)へお問い合わせください。

令和6年度募集要項

本大学院受験生は、以上の点をご参考いただきますようお願いします。

大正大学大学院仏教学研究科

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学びの特色

仏教学全般から仏教思想まで、広い範囲にわたって研究

01

学ぶコースを細分化し、より深く研究をすすめていく

まず、仏教学・梵文学・天台学・真言学(豊山学・智山学)・浄土学の5コースに分かれて、さらに印度哲学・密教学・仏教文化学・仏教実践学等を含めた多彩な9つの研究分野に区分して、体系的に指導しています。

02

仏典で使用される言語を習得することにより、

仏教の新たな魅力を発見

サンスクリット語・パーリ語をはじめとしたインド語諸言語、あるいはチベット語や漢文などの仏典で使用されている言語を習得し、仏典を原典から学ぶ力を鍛えます。原典から学ぶことで、仏教の新たな魅力を発見することができます。

03

仏教を多角度から考察する力を養い、
仏教が担う役割を知る

四宗派からなる本学では、様々な角度から仏教を考察することができます。また、単に仏教にとどまることなく、ヒンドゥー教をはじめとしたインドの宗教や神道といった他宗教との関係から仏教を捉えることができます。仏教を多角度から眺めることで、古代から現代にいたるまでの仏教の担ってきた役割を理解することができます。

PICK UP

佐々木 大樹先生

  • 専門分野

    密教学

  • 研究テーマ

    密教、初期密教、中期密教、真言密教、弘法大師空海、密教儀礼(真言陀羅尼・印契)

仏教は、バラモン教・ヒンドゥー教の影響をうけ、真言・印契や灌頂といった実践・儀礼要素を取り入れて「密教」が成立しました。その密教の始まり、すなわち初期密教の解明を目指して、これまでに『陀羅尼集経』『仏頂尊勝陀羅尼』等を中心に研究を続けてきました。将来的には『大日経』『金剛頂経』を核とする中期密教にまで研究を展開させ、弘法大師の伝えた真言密教の奥行きを見究めてゆきたいと考えています。

担当科目

M応用真言学特論A

授業の特徴

「応用真言学」の授業名が示すように、受講生が将来、創造的かつ応用的に真言密教を展開し、その魅力を広く社会に発信してゆくことを期待して授業を開講しています。自ら発信する人になるためには、真言密教の伝統や教えを正しく理解することが必須であり、その理解を得るためには諸文献を適切に扱い、正確に読み解く力が不可欠と考えています。

今は、真言宗で最もお唱えされることが多い「光明真言」に関する様々な注釈書を読み合わせています。授業では、受講生自身に授業資料(書き下し文)を作成させ、互いに自由な意見交換ができるように留意しながら授業を進行しています。

文献内容の精読は勿論のこと、様々な視点から活字の背景にある歴史や信仰、そして日本人の死生観を読み解いてゆきたいと考えています。

修士課程

仏教文献の正確な読解力と知識・語学を身につける

仏教学専攻博士前期(修士)課程は以下のようなポリシーを持って運営しています。

1. 文献はもちろん美術資料・考古学的資料にもとづいて学ぶ
南アジアからチベット・ヒマラヤ地域、東南アジア、東アジアにいたる地域で発展した仏教の思想や文化を、サンスクリット語やパーリ語などで著された仏典の原典から各宗派の宗祖等にいたるまでの幅広い分野の文献、美術資料、考古学的資料等にもとづいて学びます。
2. 知を広く社会に還元できる人物の育成
近現代社会における仏教の役割など、仏教に関わる広範な問題を学ぶことができます。各自が設定した課題に対して、様々な資料の客観的な分析にもとづき解答を導く力を養い、時代的・地域的に異なった人々の様々なものの考え方・感じ方を理解し、研究を通じて蓄積した知を広く社会に還元できる人材育成を行います。
3. 修士課程で身につける力
上記の目的を達成するために、仏教文献の正確な読解力と、それに必要な基礎知識・語学力を身につけることを目指します。

博士課程

独創的な知見を身につけ、研究者として高度な知識を広く社会に還元していく人物の育成

仏教学専攻博士後期課程は以下のようなポリシーを持って運営しています。

1. 新しい独自の知見を身につける
修士課程で身につけた基礎力をベースに、仏教文献の精密かつ正確な読解力と、それに必要な高度な専門知識と多言語にわたる語学力を身につけ、理解し、独創的な知見を付け加えることを目指します。
2. 研究者としての成長と知識を社会に還元できる人物の育成
当該研究領域や社会で認められる研究倫理をもって、精緻な文献研究ならびに思想史研究を遂行し、仏教界ならびに仏教研究の世界で精密かつ独創的な思想研究の成果を上げ、独立した研究者として成長すること、またその高度な知識を広く社会に還元することができるような人間になることを目指します。

教育方針

ディプロマ・ポリシー(DP)

仏教学専攻は、大学が掲げている教育ビジョン「4つの人となる」を、生涯を通じて体得していこうとする大学院生を育成するために、カリキュラムを編成しています。本専攻では、所定の期間在学し、所定単位を修得し、修士論文の審査に合格することを以て、教育目標を達成したものとみなし、以下の資質・能力を備えた大学院生に学位を授与します。

  博士前期課程 博士後期課程
知識技能
  1. 仏教文献の正確な読解力と、それに必要な基礎知識・語学力を身につけ、体系的に理解している。
  2. 仏教の総合的研究を通じ、歴史・文化・芸術等の人間生活の多様な文化事象を理解している。
  1. 仏教文献の精密かつ正確な読解力と、それに必要な高度な専門知識と多言語にわたる語学力を身につけ、理解し、独創的な知見をつけ加えることができる。
  2. 当該研究領域や社会で認められる研究倫理をもって、精緻な文献研究ならびに思想史研究を遂行し、仏教界ならびに仏教研究の世界で精密かつ独創的な思想研究の成果を上げることができる。
思考判断表現
  1. 修士論文を執筆するに足る論理的思考力と創造性を備え、理論的に考察することができる。
  1. 博士論文を執筆するに足る論理的思考力と創造的革新性を備え、自らの課題を関連の学術領域の成果の中に位置づけて、広い視野を持って多面的かつ重層的に思考し、その解決に向けて実証的・論理的に説明し、世界に向けて広く発信することができる。
関心意欲態度
  1. 仏教思想・文化の本質を探究し、社会において文化的・宗教的な指導力を発揮する意欲がある。
  2. 人類が直面する課題を受けとめ、仏教の理念にもとづき未来社会に生きる思想を理論的に提示しようとする積極性を身につけている。
  1. 仏教思想・文化の本質を深く専門的に探究し、世界に向けて文化的・宗教的な指導力を発揮する意欲がある。
  2. 専門分野と関連諸分野にわたる高度な知識を有し、当該分野の研究者・教育者となる意欲がある。
  3. 人類が直面する課題を受けとめ、研究者として、仏教の理念にもとづき、未来社会に生きる思想を理論的に提示しようとする積極性を身につけている。

カリキュラム・ポリシー(CP)

仏教学専攻は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につくよう「講義科目」「演習科目」「研究指導」を設置、さらには「研究倫理教育」を十分に促すために、以下のカリキュラム編成を行っています。また、学外での専門知識を深め、広い学問的視野を得られるよう、仏教系大学と学生交流協定を締結し、これらの科目を自由選択科目の単位として認定しています。

  博士前期課程 博士後期課程
教育内容
  1. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学等の各分野において研究を行うための基本的な専門知識を身につけ、体系的に理解させるために、基礎科目を設けます。
  2. 仏教文献を正確に読解するために必要な語学科目を設けます。
  3. 各専攻分野に関する基本的知識を深め専門的に学習するために、基礎科目、分野科目等の系統的な科目配置を行います。
  4. 仏教の理念にもとづき未来社会に生きる思想を提示する積極性を身につけるための応用的な科目を設けます。
  5. 研究倫理遵守の必要性を身につけるため、初年度必修の講義において研究倫理教育プログラムを実施します。
  6. 臨床宗教師として社会に貢献できる人材を育成するために、応用仏教学として、臨床宗教師養成講座を開講致します。
  1. 仏教学・印度哲学・梵文学・仏教文化学・天台学・真言学・密教学・浄土学の8つの分野において高度な専門的知識を習得するために、特論科目を設けます。
  2. 厳密な文献読解をするための高度な語学力を養う特論科目を設けます。
  3. 各専攻分野に関するより高度な知識を深め、専門的に研究するため、分野科目等の系統的な科目配置を行います。
  4. 研究倫理遵守の必要性を学ぶため、初年度必修の講義において研究倫理教育プログラムを実施します。
教育方法
  1. 修士論文を執筆するに足る論理的思考力と創造性を養うために、研究指導計画に基づいた個人指導体制を確立し、研究会等の研究発表や先輩研究者との意見交換等を加えて、研究活動の深化を図ります。
  2. 論文指導においては、指導教員による個別指導に加え、教員・大学院生参加形式で、大学院生による中間発表、さらには複数教員からの助言・指導を受けることができる機会を設けています。
  1. より高度な知識蓄積を図り、指導教員を中心とする一貫した研究指導体制のもと、博士論文完成に至るまでの助言を行います。
  2. 研究領域の拡充を試みながら、研究成果の発表や雑誌投稿論文執筆の指導を積み重ねて、学位論文作成のために必要な指導と支援を適切に行います。
  3. 大学院生が主体的に行う自主ゼミナールの企画、運営や、学会・研究会への参加、成果発表、論文投稿を積極的に促すことで、自主的な課題発見、解決の取り組みの姿勢を育てます。
評価
  1. 総括的な学習成果として修士論文を課し、複数教員の合議により口述試問を行います。
  2. カリキュラム改善のため、大学院生に対するアンケート及び教員による会議によって、カリキュラムアセスメントを実施します。
  1. 総括的な学習成果として博士論文を課し、複数教員及び学外副査の合議により口述試問を行います。
  2. カリキュラム改善のため、大学院生に対するアンケート及び教員による会議によって、カリキュラムアセスメントを実施します。

アドミッション・ポリシー(AP)

仏教学専攻は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につけている大学院生を育成するために、大学が掲げている教育ビジョン「4つの人となる」に共感した以下の研究意欲・資質・能力を備えた大学院生を求めます。

  博士前期課程 博士後期課程
知識技能
  1. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学等の基礎的な知識を持っている。
  2. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学等における原典史料等を読解するための基礎的能力を持っている。
  3. 修士論文作成に資する知識や能力を有している。
  1. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学、さらには各関連分野における高度な研究を行うに必要な能力と識見を持っている。
  2. 修士論文が一定以上の水準に達しており、所定の期限内において博士論文作成が可能である学力を持っている。
思考判断表現
  1. 論理的思考力を備え、自らの考察を整合性と一貫性をもって理論的に表現することができる。
  1. 論理的思考力と創造性を備え、自らの研究成果を整合性と一貫性をもって理論的に表現することができる。
  2. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学における深い洞察力と広い視野に基づいて、社会に寄与できる能力を持っている。
関心意欲態度
  1. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学、さらには各関連分野における専門的な知識を修得しようとする意欲を持っている。
  2. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学、さらには各関連分野の思想に基づいて、社会的な活動に積極的に取り組む意欲を持っている。
  3. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学等の修士論文を作成する意欲と研究計画を持っている。
  1. 多様な文化事象を総合的・体系的に理解し、精密かつ独創的な研究を遂行する意欲がある。
  2. 仏教学・インド哲学・梵文学・仏教文化学・応用仏教学・天台学・真言学・密教学・浄土学、さらには各関連分野において、独自の問題意識を持ち、博士論文を作成する強固な意思と確かな研究計画を持っている。

担当教員

  • 教授
    阿部 貴子
    専⾨分野:
    インド仏教

    研究キーワード

    • インド仏教
    • 瑜伽行唯識思想 
    • 近現代の仏教と真言宗

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 初期インド瑜伽行文献の読解を中心とし、主にヨーガ修行の観点からアビダルマ論書、唯識文献、また初期密教とも結びつく禅観文献との関連性を研究しています。
    2. サブテーマではありますが、近代仏教における真言僧侶の活動、ないし現代の仏教の課題についても取り組んでおります。

    担当授業科目

    M真言教理史特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私の場合、社会科学の分野から転向し、数年間の社会人生活を経て本学大学院に入学しました。純粋に仏教をもっと深く知りたい、研究してみたいという思いだけが先行していました。
    大学院での仏教研究は、丹念に原典や先行研究を読み込むことが必要ですが、知的好奇心に裏付けられたある種の楽観主義も大切にしたいと思っています。ぜひチャレンジして、一緒に研究を楽しみましょう。

  • 教授
    石川 琢道
    専⾨分野:
    中国浄土教思想史

    研究キーワード

    • 仏教学
    • 中国仏教
    • 浄土教
    • 浄土学

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 中国浄土教の分野では、特に曇鸞の研究を中心に、中国初期浄土教の起源および発達について課題としています。
    2. 浄土宗学の分野では、法然上人による開宗以降、さまざまな祖師の努力によって形成され、また檀林において発展をした浄土宗学の解明について課題としています。

    担当授業科目

    M浄土教理史特論A・B

    M仏教学課題研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での学びは、書籍や論文には載っていない新たな知見を見出すものです。新たな知見と言われると、とても高いハードルのように感じるかもしれませんが、仏教学や浄土学の分野において、研究が不十分であったり、そもそも未開拓の分野があったり、行うべき研究は多くあります。ぜひ、学問をする喜びを、共に学びながら感じさせていただきたいと思います。

  • 教授
    神達 知純
    専⾨分野:
    中国天台教学、法華経の思想・文化

    研究キーワード

    • 中国天台教学
    • 『法華経』の思想・文化

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 天台三大部(法華三大部)を中心に、天台大師智顗の教学について研究しています。
    2. なぜ『法華経』が東アジアの人びとに受容されたのか。その思想・文化の広がりについて研究しています。

    担当授業科目

    仏教学特論、天台学演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    かつてある先生から「学ぶことの意義は一生かけて探究できるテーマを見つけることとその方法を身につけることだ」と教わりました。私は大学院に進学してそのことを強く実感し、今なお研究・教育活動を続けています。私の場合、大学院進学前に寺院での仕事に専念する時期が数年間ありました。一念発起して進学したことが最良の選択であったと今は思っています。どのようなタイミングで進学を志しても間違いはないと思います。また条件や環境の調っている方は勇気をもってチャレンジしていただきたいです。

  • 教授
    木村 周誠
    専⾨分野:
    中国仏教思想

    研究キーワード

    • 諸法実相
    • 止観

    研究テーマ・領域テーマ

    天台智顗の教学を中心とした中国仏教の研究

    担当授業科目

    MD仏教文献特論C・D

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学生活の中で出会った人々が、一生の友となり、師となるように、出会い(縁)を大切に、再び訪れることのない時間を過ごして下さい。

  • 教授
    曽根 宣雄
    専⾨分野:
    浄土教の仏身論、法然浄土教

    研究キーワード

    • 仏身仏土論
    • 法然浄土教
    • 仏教と社会実践
    • ターミナルケア

    研究テーマ・領域テーマ

    仏身仏土論では、浄土宗祖師において阿弥陀仏及び極楽浄土がどのように捉えられてきたのかということについて研究しています。
    また、法然上人の教学についても研究を進めています。

    仏教と社会実践及びターミナルケアについては、法然上人の教えに基づきながら、私達の実践がどのようにあるべきかについて考察しています。

    担当授業科目

    MD浄土学特論・M応用浄土学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大正大学大学院仏教学研究科で宗学を学ぼうと希望している学生さんには、以下のことを考えてほしいと思います。

    宗教研究は、「①宗教現象が、いかにあったか?」という客観的な研究と「②宗教信仰が、いかにあるべきか?」という主体的な研究に大別されます。この内、宗学は後者を基本的な立場とします。したがって、宗学を専攻するということは、「私自身が信ずべきものは何か?・自身の信仰がいかにあるべきか?」を問い続けることに他ならないのです。各宗派の祖師の教えを批判的に研究するのではなく、護教的に研究していくことこそが求められるのです。護教性とは、単に祖師を讃美することではなく、その教えが私達にもたらす意義を明確にしていくことです。宗学は、どこでも学べ研究できるものではありません。宗学の専攻がある大正大学大学院で特徴を踏まえながら学んでいきましょう。

  • 教授
    種村 隆元
    専⾨分野:
    インド密教

    研究キーワード

    • インド密教
    • タントラ
    • サンスクリット
    • 儀礼

    研究テーマ・領域テーマ

    サンスクリット語一次資料に基づいた、インド密教の教理・実践について研究しています。また、シヴァ教などの他のタントラとの比較研究も行っております。

    担当授業科目

    MD仏教学演習・MD梵文学特論・MDインド哲学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での勉強は、基本的には自ら疑問に思ったこと、感じたことに基づき、研究テーマを設定し、自ら研究計画を立てて実行していくということを基本とします。

    その一方で、研究というものは一人で成り立つものではなく、指導教員からのアドヴァイス、同じ分野の研究者からのフィードバックも必要不可欠です。そのなかでも特に重要なのが、同世代の仲間との交流だと思います。

    仏教学専攻では、研究に不可欠な文献読解の力を養う場を提供するのみならず、研究会など同世代の学生による共同の学びの場を提供しています。

    文献を通して、時代・地域の異なる人びとの考え方を理解すること、また現代的な問題の検討を通して、異なる立場の人びとへの共感を得ることを皆さんと共に目指せればと考えております。

  • 教授
    林田 康順
    専⾨分野:
    法然浄土教、浄土宗学

    研究キーワード

    • 法然
    • 二祖三代
    • 日中浄土教
    • 浄土宗学
    • 浄土宗伝法
    • 現代宗学

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 法然浄土教 インド・中国・朝鮮を東漸し、さまざまな信仰形態、思想内容へと進展してきた浄土教であるが、わが国における展開と教義の緻密化は他地域の追随を許さないものである。そうしたわが国において、従来の浄土教信仰への根本的な変革を促したのが法然上人であることに異論を差し挟む研究者はいないであろう。源信・永観・覚鑁等と証空・親鸞・一遍等という、いわゆるわが国の全浄土教者の分水嶺に立つ方こそ法然上人であり、明恵・日蓮・道元等のいわゆる旧新仏教者が等しく批判の矛先を向けたのが法然上人であることが、その事実を端的に物語っていよう。法然上人の思想を学ぶことは、法然上人を宗祖と仰ぐ浄土宗の教義を学ぶことに留まらず、法然上人以前と以後の浄土教、広くは、個々の仏教者と仏教全体が目指している構造の位置を再確認することに他ならない。そこで私は、法然上人の主著であり、その教義の集大成である『選択本願念仏集』を中心に法然上人の他の著作等を時系列上に据え、選択本願念仏説の成立経過とその意義、さらには、「一枚起請文」へと連なる法然上人の思想史の考察を通じ、法然浄土教の全体像を明らかにすべく勤めている。
    2. 浄土宗学(1)の作業と並行して、二祖三代の教学を中心に法然教学の源流と展開、浄土宗伝法の成立背景とその展開、現代宗学をめぐる諸問題等についても考究を進めている。

    担当授業科目

    MD浄土学特論AB(『選択集』)

    MD浄土学演習AB(『逆修説法』)

    MD仏教学演習C(『教行信証』)

    M仏教学課題研究(修論指導ゼミ)

    D仏教学特殊研究(博論指導ゼミ)

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    上述した(1)で記したように、法然浄土教を学ぶことは、浄土教の全体像を踏まえて論ずる姿勢が不可欠です。だからこそ受験生・学生諸君には、広い視点を失わず、柔軟な姿勢を保って学びに励んで欲しいと思います。一人でも多くの方と共に法然上人の教えを学び合うことができることを望んでいます。

    また上記(2)で記した浄土宗学は、信仰に基づく学問でもあります。法然上人が私達にお示しになった「ただ一向に念仏すべし」(一枚起請文)という信仰規範をめぐり、自身の信仰と照らし合わせて、それぞれの5W1Hの解決を広く目指していく学問とも言えるでしょう。念仏者・浄土宗僧侶としての自覚と矜持を失わずに学びを深め、共に念仏信仰の悦びを確認し合いながら進んでまいりましょう。

  • 教授
    堀内 規之
    専⾨分野:
    真言密教教理史

    研究キーワード

    • 日本密教
    • 真言密教
    • 済暹
    • 仁和寺

    研究テーマ・領域テーマ

    院政期における真言密教教学について、特に仁和寺慈尊院の学匠・済暹僧都を取り上げて考察を加えています。近年は、その済暹だけではなく、仁和寺教学圈という枠組みの構築を考えており、僧侶間のネットワーク・人的交流を見据えた事柄も考察しています。

    また、真言宗宗祖・弘法大師空海の教学と祖師信仰についても様々な角度からアプローチを試みております。

    担当授業科目

    MD真語学特論

    M応用真言学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    何事も、ある種の型を学びます。大学では、それが学部での授業等であると思います。大学院では、学部で学んだその型が本当に正しいもので、根拠のあるものなのかという疑問をもって、型をこわしていく、すなわち型破りをしていきます。逆にしっかりと型を学んでいない状態で、型を崩していくのは、「かたなし」というものだそうです。しっかりと学部での授業においてたくさんの事を習得してください。その上で、その型を一緒に崩していきましょう。そこには、新たな景色が広がっているはずです。その新たな景色が、皆さんが目指していく領域なのです。

  • 教授
    米澤 嘉康
    専⾨分野:
    インド仏教(中観、『律経』など)

    研究キーワード

    • インド仏教
    • 中観思想
    • サンスクリット語写本

    研究テーマ・領域テーマ

    インド仏教研究における文献学的基礎を確立する。

    1. 中観派の文献:チャンドラキールティの著作について、サンスクリット語文献の校訂を通じて、その思想的な基礎となっている大乗仏教経典のテキストを明らかにしていく。
    2. 『律経』『律経註』抄本サンスクリット語テキスト校訂:『根本説一切有部律』との関係を明らかにする。

    担当授業科目

    M仏教学特論A、B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    仏教学は、人文科学のなかでデジタル化が最も進捗している学問領域です。漢訳の大蔵経はウェブ上で、さまざまな有益なリンクが貼られて公開されています。サンスクリット語写本やチベット語訳大蔵経も、ウェブで閲覧できるようになってきています。

    このような資源を十二分に活用して研究をすすめていくためには、テキストを精密に読解していくことが必要不可欠となります。その訓練を積んで、一人前の研究者として自立する準備をするのが大学院生の責務だと思います。ときには辛いこともあるかもしれませんが、それを乗り越えてほしいと思います。

    学生のみなさんが大学院生としての責務を果たせるよう、教員として、さまざまなアドバイスをしていきます。

  • 准教授
    木内 堯大
    専⾨分野:
    天台学、天台宗の儀礼と文化

    研究キーワード

    • 天台教学
    • 大乗戒
    • 三一権実論争
    • 最澄、円仁、安然

    研究テーマ・領域テーマ

    天台宗の最澄と法相宗の徳一との教学的な相違をめぐる三一権実論争を研究の発端として、最澄を中心とした初期日本天台の教学がその後の日本仏教の展開にどのような影響を与えたのかという点に関して研究を行っている。
    また、最澄が大乗戒の独立を主張したこととの関連で、日本仏教における戒律の思想や儀礼に関しても研究をすすめている。

    担当授業科目

    M仏教学特論E(日本)、M仏教学特論F(日本)

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    文献の基礎的な研究を中心とする大学院での学習は、近道はなく地道な努力の積み重ねが大切だと思います。
    自分が興味ある文献の一言一句を辞書で調べて読解をする。気が遠くなるような作業をしているような気がすると思いますが、その作業を日々繰り返すことによって、いつの間にか基礎的な力が身についていると思います。
    最近では仏教文献のテキストデータ化が進み、すごく便利になりましたが、それを使いこなすことができるようになるためにも、基本的な文献読解力を身につける必要があると思います。
    大学院では、同じく研究を志す仲間とともに、素晴らしい学生生活を過ごしてもらいたいと思います。

  • 准教授
    佐々木 大樹
    専⾨分野:
    密教学

    研究キーワード

    • 密教
    • 初期密教
    • 中期密教
    • 真言密教
    • 弘法大師空海
    • 密教儀礼(真言陀羅尼・印契)

    研究テーマ・領域テーマ

    仏教は、バラモン教・ヒンドゥー教の影響をうけ、真言・印契や灌頂といった実践・儀礼要素を取り入れて「密教」が成立しました。その密教の始まり、すなわち初期密教の解明を目指して、これまでに『陀羅尼集経』『仏頂尊勝陀羅尼』等を中心に研究を続けてきました。将来的には『大日経』『金剛頂経』を核とする中期密教にまで研究を展開させ、弘法大師の伝えた真言密教の奥行きを見究めてゆきたいと考えています。

    担当授業科目

    M応用真言学特論A

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    仏教学の研究は文献読解をベースとしており、多大な時間と地道な努力とを要します。時に苦しく、挫折しそうにもなりますが、継続が力となり、やがて活字を通じてブッダや祖師と向き合い、その心に通じた時の喜びは何ものにも代えがたいものがあります。
    大学院においては、①情報や資料にアクセスする力、そして②文献を適切に読解する力を育み、③一緒に研究を続ける仲間を見つけてもらいたいと思います。この三要素があれば、いつでも、どこでも研究は可能であり、生涯現役で真実を探究することができます。ぜひ研究の醍醐味をともに味わいましょう!

  • 准教授
    長澤 昌幸
    専⾨分野:
    時宗学、仏教文化

    研究キーワード

    • 時宗学
    • 中世日本仏教史

    研究テーマ・領域テーマ

    現在、研究分野として時宗学の構築を目指しています。具体的には、現在、時宗では一遍を宗祖としていますが、中世では「時衆」、近世では「時宗」と表記し区別されています。これは単なる表記の相違では無く、明らかにその歴史的概念が異なります。また、一遍には著作がありません。宗祖と位置づけられた人物に著作が無いまま教団の教学が形成されることは稀な事例といえるでしょう。では何故、形成できたのでしょうか。これらの疑問を歴史的視点及び教理学的視点の両方から研究し、時宗教団成立の背景を考察しています。

    担当授業科目

    M仏教史特論E、M仏教史特論F

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での学びは、研究を継続するための第一歩を踏み出すことにあると思います。現在は、用語を検索するにしても、インターネットでの検索が容易になり、様々なテキストを1ページごとめくり検索するという手間が省けるようになりました。しかし、「木を見て森を見ず」の危うさが、そこには存在しています。やはり、地味ではありますが、テキストを1ページごとめくり、難解な文字にであったら何度も辞書を引きながら地道に読みすすめ、課題を思索することが研究を継続するための第一歩だと思います。
    ぜひ、大学院で学び、自分の可能性を拡げてみてください。

  • 専任講師
    大鹿 眞央
    専⾨分野:
    日本密教

    研究キーワード

    • 真言密教
    • 中世(院政期・鎌倉期)
    • 覚鑁
    • 実運
    • 道範

    研究テーマ・領域テーマ

    真言密教における「思想の変遷」の解明に重点を置いて研究しています。特に、中世の東密・台密における妄執(煩悩)や証位(成仏する階位はどこか)の解釈に関して、漢文資料の読解と考察を行っています。

    担当授業科目

    M真言教理史特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院からは、学生も「研究者」の一員です。
    研究生活は悲喜交々、辛く苦しく面白い。
    ともに切磋琢磨していきましょう。

  • 専任講師
    工藤 量導
    専⾨分野:
    中国浄土教
  • 専任講師
    倉西 憲一
    専⾨分野:
    インド密教

    研究キーワード

    • インド仏教
    • チベット密教
    • タントラ文献
    • 儀礼・呪術

    研究テーマ・領域テーマ

    インドを中心に、その近接文化圏にあるネパールやチベットの仏教、特に密教をサンスクリット語、チベット語の文献解読を中心に研究しております。
    特に、近年は、密教儀礼とそれに関連する「呪法」について、文献学的、さらには文化史的側面も視野に入れつつ、綜合的に研究を進めております。

    担当授業科目

    M仏教学特論A

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院は、物事を深く研究していくことの楽しさを知るために来る最初の場所だと思います。そして、その楽しさを知るためには、しっかりとした研究をするための素地を作り上げていく必要があります。何をおこなうにしても、基礎を固めることは重要です。
    我々の従事している仏教学の主たる研究作業は、文献読解です。地道に、コツコツとした、時には重箱の隅をつついているといわれるような気の遠くなる作業の上に、研究成果は成り立っています。それゆえ、研究成果を世に出せたときの喜びも一入です。その喜びを分かち合うために、まずは大学院で研究する気力と知識力を、共に養っていきましょう。

  • 専任講師
    中村 夏葉
    専⾨分野:
    日本・東洋美術史、仏教美術史

カリキュラム

科目履修方法

修士課程

各自の研究分野にしたがい、講義22単位以上、課題研究8単位、合計30単位以上を修得するものとする。
ただし、仏教学特論計8単位および、仏教史特論Aから仏教実践学特論Bまでのうち、4単位を選択必修とする。

博士後期課程

研究指導12単位を修得するものとする。

仏教系四大学学生交流協定について

本学仏教学専攻では、仏教系大学(駒澤大学、立正大学、東洋大学)と学生交流協定を締結している。履修できる科目は、修士課程仏教学専攻の分野で開設している科目のうち、年間2科目までとし、認定単位数は、修士課程にあっては、2科目8単位を限度とする。
博士後期課程にあっては、研究指導の一部として扱うものとする。所定の試験に合格すれば単位を認定する。
募集は毎年4月初旬に本学教務部教務課にて行う。なお、履修するためには1科目あたり3,000円の履修料が必要となる。また、認定された単位は、自由選択科目の単位として充当することができる。

特殊研究・課題研究・研究指導・実践分析研究・事例研究について

1年次からの必修であり、修了までのあいだ、継続的に履修しなければなりません。また科目の履修にあたっては専攻の指導にしたがってください。ただし、修了要件として認定できる単位数は修士課程8単位・博士後期課程12単位までとします。

研究テーマ例

仏教学

  • 提婆達多説話の研究
  • 仏教造形における身体表現について ー特に三十二相についてー
  • パーリ仏教における四梵柱

梵文学

  • Trailokyavijaya-mahakalpa-rajaについての研究
  • 『宝性論』に説かれる如来蔵について

天台学

  • 天台大師の法華経観
  • 天台大師と『観音経』
  • 宝地房証真の密教観について

豊山学

  • 愛染明王の研究 ー別尊雑記を中心にー
  • 弘法大師仮託の書に関する研究 ー『雑問答』を中心としてー
  • Nispannayogavaliに関する図書的研究

智山学

  • 覚鑁教学の研究
  • 『金剛頂経』の研究について
  • 空海の言語思想に関する研究

浄土学

  • 法然上人消息の研究
  • 『平家物語』にみる法然浄土教思想
  • 『徹選択集』の研究

COURSE研究科・専攻科カテゴリ一覧