大正大学 スガモで育む日本の未来。

大学院紹介

教員紹介

大正大学大学院の各研究科を
担当する教員をご紹介します

仏教学研究科 仏教学専攻 担当教員

  • 教授
    大塚 伸夫
    専⾨分野:
    真言密教とインド密教

    研究キーワード

    • 密教
    • 初期密教
    • 中期密教
    • 密教経典
    • 真言密教
    • 弘法大師空海
    • 真言密教思想

    研究テーマ・領域テーマ

    密教研究の中でも、インド初期密教の成立と形成過程を中心に研究を進めてきたが、その一方で、インド中期密教にあたる『大日経』『金剛頂経』『理趣経』などの密教経典の研究も行ってきた。また所属する真言宗の関係から、弘法大師空海の著作を中心に真言密教の教理研究も進めてきた。弘法大師の思想の多くは上記の中期密教の経典に依る所が大なので、両者の研究が相まって初めて、自身の納得のいく研究成果を見出し得ると考えている。

    担当授業科目

    MD真言学演習A・B、M仏教学課題研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    修士課程2年で大学院での研究を終える人がいますが、さらに博士課程3年へ進む人もいます。さらには、もう3年をかけ研究を重ねて課程博士論文を提出する人もいます。その後、研究者となって研究活動を継続していく人もいます。どの時点で研究を終了するかは皆さん次第です。

    私の場合は、仏教における真理とは何か、覚りとは何かを追求して、今にいたっているように思います。何か答えを求めて、得られないかも知れない答えを求めて、求道者の如く大学院生活を送るのも、人生の中で決して無益ではなかったと思っています。
    こだわる訳ではありませんが、学部生では味わうことのない研究の醍醐味を感ずることができると思います。一緒に文献を読み、真理を追求してみましょう!

  • 教授
    勝野 隆広
    専⾨分野:
    天台教学、現代仏教教化論

    研究キーワード

    • 仏教学
    • 天台学
    • 最澄
    • 菩薩戒
    • 鑑真
    • 現代仏教

    研究テーマ・領域テーマ

    天台教学特に中国日本における菩薩戒の受容と流布について

    現代仏教(寺院・僧侶・宗派・教団)の課題について

    担当授業科目

    応用天台学特論・仏教学研究法特論B・仏教学課題研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院は、所属する各院生が、それぞれの課題・興味を掘り下げて、研究するための方法論を習得することが、一つの目標である。

    ですから、大学院進学を考えている学生は、自分なりの問題意識・研究課題を明確にすることが重要である。その問題意識・研究課題も、できるだけ、仏教学・天台学の本質に結び付くような基本的なテーマから派生したものであると望ましいと思う。

    課題を自分の中で醸成し、またその内容を、自分の言葉で、論理的に文章化して周囲に理解してもらえるよう努めてください。そして是非大学院に進学して、勉強を継続してください。

  • 教授
    神達 知純
    専⾨分野:
    中国天台教学、法華経の思想・文化

    研究キーワード

    • 中国天台教学
    • 『法華経』の思想・文化

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 天台三大部(法華三大部)を中心に、天台大師智顗の教学について研究しています。
    2. なぜ『法華経』が東アジアの人びとに受容されたのか。その思想・文化の広がりについて研究しています。

    担当授業科目

    仏教学特論、天台学演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    かつてある先生から「学ぶことの意義は一生かけて探究できるテーマを見つけることとその方法を身につけることだ」と教わりました。私は大学院に進学してそのことを強く実感し、今なお研究・教育活動を続けています。私の場合、大学院進学前に寺院での仕事に専念する時期が数年間ありました。一念発起して進学したことが最良の選択であったと今は思っています。どのようなタイミングで進学を志しても間違いはないと思います。また条件や環境の調っている方は勇気をもってチャレンジしていただきたいです。

  • 教授
    木村 周誠
    専⾨分野:
    中国仏教思想

    研究キーワード

    • 諸法実相
    • 止観

    研究テーマ・領域テーマ

    天台智顗の教学を中心とした中国仏教の研究

    担当授業科目

    MD仏教文献特論C・D

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学生活の中で出会った人々が、一生の友となり、師となるように、出会い(縁)を大切に、再び訪れることのない時間を過ごして下さい。

  • 教授
    塩入 法道
    専⾨分野:
    中国仏教、天台教学、法華経の思想および文化

    研究キーワード

    • 中国仏教
    • 法華経学
    • 天台教学
    • 天台実践論
    • 観音信仰

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 中国仏教における衆生観・人間観
    2. 中国における法華経学の展開
    3. 天台智顗の教学および実践論(止観・禅観)
    4. 主に中国における観音信仰とその背景にある思想
    5. 古代日本における神仏習合の諸相

    担当授業科目

    MD天台学特論・MD天台学演習・MD仏教学演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    「仏教」を学ぶとはどういうことであろうか。天台智顗は、例えば写経とは、自己にもともと具わっている経典を写すことと言い、道元禅師はより端的に、仏道を習うとは自己を習うことと喝破する。いずれも信仰や修行に基づいた主体的自己把握と言えよう。

    しかしこれらを真に理解し人々に納得させるためには、経典はもとより先学の残した論書を学問的に学び、理論的な論究をしていかなければならない。「仏教学」とはそういうものであろう。

    もとより仏教は地域的にも時代的にも広く深い。厖大な文献が残されているし、学際的に関わる分野も広い。大学院では学部で学んだことを基礎とし、偏狭な視野に陥らないことに心をかけつつも、興味を持ったテーマを定め、集中して研究を進めていただきたいと思う

  • 教授
    曽根 宣雄
    専⾨分野:
    法然浄土教

    研究キーワード

    • 仏身仏土論
    • 法然浄土教
    • 仏教と社会実践
    • ターミナルケア

    研究テーマ・領域テーマ

    仏身仏土論では、浄土宗祖師において阿弥陀仏及び極楽浄土がどのように捉えられてきたのかということについて研究しています。
    また、法然上人の教学についても研究を進めています。

    仏教と社会実践及びターミナルケアについては、法然上人の教えに基づきながら、私達の実践がどのようにあるべきかについて考察しています。

    担当授業科目

    MD浄土学特論・M応用浄土学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大正大学大学院仏教学研究科で宗学を学ぼうと希望している学生さんには、以下のことを考えてほしいと思います。

    宗教研究は、「①宗教現象が、いかにあったか?」という客観的な研究と「②宗教信仰が、いかにあるべきか?」という主体的な研究に大別されます。この内、宗学は後者を基本的な立場とします。したがって、宗学を専攻するということは、「私自身が信ずべきものは何か?・自身の信仰がいかにあるべきか?」を問い続けることに他ならないのです。各宗派の祖師の教えを批判的に研究するのではなく、護教的に研究していくことこそが求められるのです。護教性とは、単に祖師を讃美することではなく、その教えが私達にもたらす意義を明確にしていくことです。宗学は、どこでも学べ研究できるものではありません。宗学の専攻がある大正大学大学院で特徴を踏まえながら学んでいきましょう。

  • 教授
    種村 隆元
    専⾨分野:
    インドにおける仏教文化全般

    研究キーワード

    • インド密教
    • タントラ
    • サンスクリット
    • 儀礼

    研究テーマ・領域テーマ

    サンスクリット語一次資料に基づいた、インド密教の教理・実践について研究しています。また、シヴァ教などの他のタントラとの比較研究も行っております。

    担当授業科目

    MD仏教学演習・MD梵文学特論・MDインド哲学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での勉強は、基本的には自ら疑問に思ったこと、感じたことに基づき、研究テーマを設定し、自ら研究計画を立てて実行していくということを基本とします。

    その一方で、研究というものは一人で成り立つものではなく、指導教員からのアドヴァイス、同じ分野の研究者からのフィードバックも必要不可欠です。そのなかでも特に重要なのが、同世代の仲間との交流だと思います。

    仏教学専攻では、研究に不可欠な文献読解の力を養う場を提供するのみならず、研究会など同世代の学生による共同の学びの場を提供しています。

    文献を通して、時代・地域の異なる人びとの考え方を理解すること、また現代的な問題の検討を通して、異なる立場の人びとへの共感を得ることを皆さんと共に目指せればと考えております。

  • 教授
    林田 康順
    専⾨分野:
    法然浄土教と浄土宗学

    研究キーワード

    • 法然
    • 二祖三代
    • 日中浄土教
    • 浄土宗学
    • 浄土宗伝法
    • 現代宗学

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 法然浄土教 インド・中国・朝鮮を東漸し、さまざまな信仰形態、思想内容へと進展してきた浄土教であるが、わが国における展開と教義の緻密化は他地域の追随を許さないものである。そうしたわが国において、従来の浄土教信仰への根本的な変革を促したのが法然上人であることに異論を差し挟む研究者はいないであろう。源信・永観・覚鑁等と証空・親鸞・一遍等という、いわゆるわが国の全浄土教者の分水嶺に立つ方こそ法然上人であり、明恵・日蓮・道元等のいわゆる旧新仏教者が等しく批判の矛先を向けたのが法然上人であることが、その事実を端的に物語っていよう。法然上人の思想を学ぶことは、法然上人を宗祖と仰ぐ浄土宗の教義を学ぶことに留まらず、法然上人以前と以後の浄土教、広くは、個々の仏教者と仏教全体が目指している構造の位置を再確認することに他ならない。そこで私は、法然上人の主著であり、その教義の集大成である『選択本願念仏集』を中心に法然上人の他の著作等を時系列上に据え、選択本願念仏説の成立経過とその意義、さらには、「一枚起請文」へと連なる法然上人の思想史の考察を通じ、法然浄土教の全体像を明らかにすべく勤めている。
    2. 浄土宗学(1)の作業と並行して、二祖三代の教学を中心に法然教学の源流と展開、浄土宗伝法の成立背景とその展開、現代宗学をめぐる諸問題等についても考究を進めている。

    担当授業科目

    MD浄土学特論AB(『選択集』)

    MD浄土学演習AB(『逆修説法』)

    MD仏教学演習C(『教行信証』)

    M仏教学課題研究(修論指導ゼミ)

    D仏教学特殊研究(博論指導ゼミ)

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    上述した(1)で記したように、法然浄土教を学ぶことは、浄土教の全体像を踏まえて論ずる姿勢が不可欠です。だからこそ受験生・学生諸君には、広い視点を失わず、柔軟な姿勢を保って学びに励んで欲しいと思います。一人でも多くの方と共に法然上人の教えを学び合うことができることを望んでいます。

    また上記(2)で記した浄土宗学は、信仰に基づく学問でもあります。法然上人が私達にお示しになった「ただ一向に念仏すべし」(一枚起請文)という信仰規範をめぐり、自身の信仰と照らし合わせて、それぞれの5W1Hの解決を広く目指していく学問とも言えるでしょう。念仏者・浄土宗僧侶としての自覚と矜持を失わずに学びを深め、共に念仏信仰の悦びを確認し合いながら進んでまいりましょう。

  • 教授
    堀内 規之
    専⾨分野:
    真言密教

    研究キーワード

    • 日本密教
    • 真言密教
    • 済暹
    • 仁和寺

    研究テーマ・領域テーマ

    院政期における真言密教教学について、特に仁和寺慈尊院の学匠・済暹僧都を取り上げて考察を加えています。近年は、その済暹だけではなく、仁和寺教学圈という枠組みの構築を考えており、僧侶間のネットワーク・人的交流を見据えた事柄も考察しています。

    また、真言宗宗祖・弘法大師空海の教学と祖師信仰についても様々な角度からアプローチを試みております。

    担当授業科目

    MD真語学特論

    M応用真言学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    何事も、ある種の型を学びます。大学では、それが学部での授業等であると思います。大学院では、学部で学んだその型が本当に正しいもので、根拠のあるものなのかという疑問をもって、型をこわしていく、すなわち型破りをしていきます。逆にしっかりと型を学んでいない状態で、型を崩していくのは、「かたなし」というものだそうです。しっかりと学部での授業においてたくさんの事を習得してください。その上で、その型を一緒に崩していきましょう。そこには、新たな景色が広がっているはずです。その新たな景色が、皆さんが目指していく領域なのです。

  • 准教授
    阿部 貴子
    専⾨分野:
    インド仏教

    研究キーワード

    • インド仏教
    • 瑜伽行唯識思想 
    • 近現代の仏教と真言宗

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 初期インド瑜伽行文献の読解を中心とし、主にヨーガ修行の観点からアビダルマ論書、唯識文献、また初期密教とも結びつく禅観文献との関連性を研究しています。
    2. サブテーマではありますが、近代仏教における真言僧侶の活動、ないし現代の仏教の課題についても取り組んでおります。

    担当授業科目

    M真言教理史特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私の場合、社会科学の分野から転向し、数年間の社会人生活を経て本学大学院に入学しました。純粋に仏教をもっと深く知りたい、研究してみたいという思いだけが先行していました。
    大学院での仏教研究は、丹念に原典や先行研究を読み込むことが必要ですが、知的好奇心に裏付けられたある種の楽観主義も大切にしたいと思っています。ぜひチャレンジして、一緒に研究を楽しみましょう。

  • 准教授
    石川 琢道
    専⾨分野:
    中国浄土教思想史

    研究キーワード

    • 仏教学
    • 中国仏教
    • 浄土教
    • 浄土学

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 中国浄土教の分野では、特に曇鸞の研究を中心に、中国初期浄土教の起源および発達について課題としています。
    2. 浄土宗学の分野では、法然上人による開宗以降、さまざまな祖師の努力によって形成され、また檀林において発展をした浄土宗学の解明について課題としています。

    担当授業科目

    M浄土教理史特論A・B

    M仏教学課題研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での学びは、書籍や論文には載っていない新たな知見を見出すものです。新たな知見と言われると、とても高いハードルのように感じるかもしれませんが、仏教学や浄土学の分野において、研究が不十分であったり、そもそも未開拓の分野があったり、行うべき研究は多くあります。ぜひ、学問をする喜びを、共に学びながら感じさせていただきたいと思います。

  • 准教授
    木内 堯大
    専⾨分野:
    天台学、天台宗の儀礼と文化

    研究キーワード

    • 天台教学
    • 大乗戒
    • 三一権実論争
    • 最澄、円仁、安然

    研究テーマ・領域テーマ

    天台宗の最澄と法相宗の徳一との教学的な相違をめぐる三一権実論争を研究の発端として、最澄を中心とした初期日本天台の教学がその後の日本仏教の展開にどのような影響を与えたのかという点に関して研究を行っている。
    また、最澄が大乗戒の独立を主張したこととの関連で、日本仏教における戒律の思想や儀礼に関しても研究をすすめている。

    担当授業科目

    M仏教学特論E(日本)、M仏教学特論F(日本)

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    文献の基礎的な研究を中心とする大学院での学習は、近道はなく地道な努力の積み重ねが大切だと思います。
    自分が興味ある文献の一言一句を辞書で調べて読解をする。気が遠くなるような作業をしているような気がすると思いますが、その作業を日々繰り返すことによって、いつの間にか基礎的な力が身についていると思います。
    最近では仏教文献のテキストデータ化が進み、すごく便利になりましたが、それを使いこなすことができるようになるためにも、基本的な文献読解力を身につける必要があると思います。
    大学院では、同じく研究を志す仲間とともに、素晴らしい学生生活を過ごしてもらいたいと思います。

  • 准教授
    佐々木 大樹
    専⾨分野:
    密教学

    研究キーワード

    • 密教
    • 初期密教
    • 中期密教
    • 真言密教
    • 弘法大師空海
    • 密教儀礼(真言陀羅尼・印契)

    研究テーマ・領域テーマ

    仏教は、バラモン教・ヒンドゥー教の影響をうけ、真言・印契や灌頂といった実践・儀礼要素を取り入れて「密教」が成立しました。その密教の始まり、すなわち初期密教の解明を目指して、これまでに『陀羅尼集経』『仏頂尊勝陀羅尼』等を中心に研究を続けてきました。将来的には『大日経』『金剛頂経』を核とする中期密教にまで研究を展開させ、弘法大師の伝えた真言密教の奥行きを見究めてゆきたいと考えています。

    担当授業科目

    M応用真言学特論A

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    仏教学の研究は文献読解をベースとしており、多大な時間と地道な努力とを要します。時に苦しく、挫折しそうにもなりますが、継続が力となり、やがて活字を通じてブッダや祖師と向き合い、その心に通じた時の喜びは何ものにも代えがたいものがあります。
    大学院においては、①情報や資料にアクセスする力、そして②文献を適切に読解する力を育み、③一緒に研究を続ける仲間を見つけてもらいたいと思います。この三要素があれば、いつでも、どこでも研究は可能であり、生涯現役で真実を探究することができます。ぜひ研究の醍醐味をともに味わいましょう!

  • 准教授
    米澤 嘉康
    専⾨分野:
    インド仏教(中観、『律経』など)

    研究キーワード

    • インド仏教
    • 中観思想
    • サンスクリット語写本

    研究テーマ・領域テーマ

    インド仏教研究における文献学的基礎を確立する。

    1. 中観派の文献:チャンドラキールティの著作について、サンスクリット語文献の校訂を通じて、その思想的な基礎となっている大乗仏教経典のテキストを明らかにしていく。
    2. 『律経』『律経註』抄本サンスクリット語テキスト校訂:『根本説一切有部律』との関係を明らかにする。

    担当授業科目

    M仏教学特論A、B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    仏教学は、人文科学のなかでデジタル化が最も進捗している学問領域です。漢訳の大蔵経はウェブ上で、さまざまな有益なリンクが貼られて公開されています。サンスクリット語写本やチベット語訳大蔵経も、ウェブで閲覧できるようになってきています。

    このような資源を十二分に活用して研究をすすめていくためには、テキストを精密に読解していくことが必要不可欠となります。その訓練を積んで、一人前の研究者として自立する準備をするのが大学院生の責務だと思います。ときには辛いこともあるかもしれませんが、それを乗り越えてほしいと思います。

    学生のみなさんが大学院生としての責務を果たせるよう、教員として、さまざまなアドバイスをしていきます。

  • 専任講師
    大鹿 眞央
    専⾨分野:
    日本密教

    研究キーワード

    • 真言密教
    • 中世(院政期・鎌倉期)
    • 覚鑁
    • 実運
    • 道範

    研究テーマ・領域テーマ

    真言密教における「思想の変遷」の解明に重点を置いて研究しています。特に、中世の東密・台密における妄執(煩悩)や証位(成仏する階位はどこか)の解釈に関して、漢文資料の読解と考察を行っています。

    担当授業科目

    M真言教理史特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院からは、学生も「研究者」の一員です。
    研究生活は悲喜交々、辛く苦しく面白い。
    ともに切磋琢磨していきましょう。

  • 専任講師
    倉西 憲一
    専⾨分野:
    インド密教学

    研究キーワード

    • インド仏教
    • チベット密教
    • タントラ文献
    • 儀礼・呪術

    研究テーマ・領域テーマ

    インドを中心に、その近接文化圏にあるネパールやチベットの仏教、特に密教をサンスクリット語、チベット語の文献解読を中心に研究しております。
    特に、近年は、密教儀礼とそれに関連する「呪法」について、文献学的、さらには文化史的側面も視野に入れつつ、綜合的に研究を進めております。

    担当授業科目

    M仏教学特論A

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院は、物事を深く研究していくことの楽しさを知るために来る最初の場所だと思います。そして、その楽しさを知るためには、しっかりとした研究をするための素地を作り上げていく必要があります。何をおこなうにしても、基礎を固めることは重要です。
    我々の従事している仏教学の主たる研究作業は、文献読解です。地道に、コツコツとした、時には重箱の隅をつついているといわれるような気の遠くなる作業の上に、研究成果は成り立っています。それゆえ、研究成果を世に出せたときの喜びも一入です。その喜びを分かち合うために、まずは大学院で研究する気力と知識力を、共に養っていきましょう。

  • 専任講師
    長澤 昌幸
    専⾨分野:
    時宗学

    研究キーワード

    • 時宗学
    • 中世日本仏教史

    研究テーマ・領域テーマ

    現在、研究分野として時宗学の構築を目指しています。具体的には、現在、時宗では一遍を宗祖としていますが、中世では「時衆」、近世では「時宗」と表記し区別されています。これは単なる表記の相違では無く、明らかにその歴史的概念が異なります。また、一遍には著作がありません。宗祖と位置づけられた人物に著作が無いまま教団の教学が形成されることは稀な事例といえるでしょう。では何故、形成できたのでしょうか。これらの疑問を歴史的視点及び教理学的視点の両方から研究し、時宗教団成立の背景を考察しています。

    担当授業科目

    M仏教史特論E、M仏教史特論F

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での学びは、研究を継続するための第一歩を踏み出すことにあると思います。現在は、用語を検索するにしても、インターネットでの検索が容易になり、様々なテキストを1ページごとめくり検索するという手間が省けるようになりました。しかし、「木を見て森を見ず」の危うさが、そこには存在しています。やはり、地味ではありますが、テキストを1ページごとめくり、難解な文字にであったら何度も辞書を引きながら地道に読みすすめ、課題を思索することが研究を継続するための第一歩だと思います。
    ぜひ、大学院で学び、自分の可能性を拡げてみてください。

人間学研究科 社会福祉学専攻 担当教員

  • 教授
    沖倉 智美
    専⾨分野:
    障害者福祉領域を中心としたソーシャルワーク、スーパービジョン、成年後見制度に関わる実践に基づく研究

    研究キーワード

    • 障害福祉
    • 地域生活支援
    • ソーシャルワーク
    • スーパービジョン
    • 権利擁護
    • 意思決定支援
    • 成年後見制度

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 障害福祉領域を中心としたソーシャルワークでは、相談支援専門員のトレーニングとしての反省的演習のプログラム構築とファシリテーターの養成について、実践に基づく研究をしています。
    2. 権利擁護では、①意思決定支援および成年後見に関する実践、②障害者支援施設における虐待防止や個別支援計画作成等支援の質向上を目指したフィールドワーク、を通じた研究をしています。

    担当授業科目

    障害者福祉研究、ソーシャルワーク研究法Ⅰ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    ソーシャルワーカーとしての実践力を高めたいと強く望む人を応援します。研究関心は貪欲に持ちつつ、当事者の声や社会福祉現場の営みへの畏敬の念を忘れず、誠実に向き合ってください。なぜならそこに「応え」があるからです。

    研究者自身の実践に対する省察を促すために、質疑応答を重ねます。ソーシャルワーカーの言動には必ず意図があります。その意図がどこから生じるのかを明確化することで、ソーシャルワーク理論を構築します。

    研究方法は多様ですが、どれを選択するにせよ、最終的に研究者自身の実践、ひいては当事者の生活の質向上に還元できるよう、実践との循環を大切にした研究を希望します。

  • 教授
    神山 裕美
    専⾨分野:
    コミュニティソーシャルワーク、メゾ・マクロレベルのソーシャルワーク論、地域福祉の推進方法

    研究キーワード

    • コミュニティソーシャルワーク
    • メゾ・マクロレベルのソーシャルワーク論
    • 地域福祉の推進方法

    研究テーマ・領域テーマ

    共生社会実現に向けて、「地域で孤立・疎外されやすい個人や家族への支援は、直接支援だけでなく、組織や地域支援等の間接支援や、地方自治体の地域保健福祉計画や政策形成とも関連し循環させることで、より効果的に機能する」という仮説より、その検証を地域での継続的研究より進めています。地域基盤の研究は、地域福祉分野だけでなく、地域医療保健やまちづくり等の接点も多いので、多分野にも貢献できるよう進めています。

    担当授業科目

    スーパービジョン演習Ⅱ、地域福祉研究、社会福祉研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日々の仕事に追われる中で、実務には慣れてくるものの、もっと深めたい知識、考えたい課題、が重なってくることはないでしょうか。慌ただしい日常では、読めない本、自分では選ばない本を読んでみて、考え、多くの人と語り、現実と比較しながら言葉にしてみる時間と空間、そして仲間が得られるのが大学院です。

    人生の一時期、長いキャリア形成において、少し休んで考えを深め視野を広げる機会をもつことは、贅沢なことではありません。むしろ、新しい時代変化に合わせて、自分自身をレベルアップする機会になるのではないでしょうか。

    変化の激しい社会福祉分野において、時代に翻弄されず、制度や政策に振り回されず、真に人と社会のために役立つ力とは何か、そのためにどんな学びを深めたらよいか、慌ただしい日常から少し離れて考える場を、大学院は与えてくれます。

  • 教授
    坂本 智代枝
    専⾨分野:
    ソーシャルワーク論、精神保健福祉学

    研究キーワード

    • 精神保健福祉学
    • ソーシャルワーク
    • 質的研究
    • ピアサポート

    研究テーマ・領域テーマ

    • ソーシャルワーク実践の質的研究
    • 精神障害者の地域生活支援に関する研究
    • 障害ピアサポート及びピアアドボカシー研究

    担当授業科目

    修士課程:精神保健福祉研究、ソーシャルワーク研究法Ⅰ・Ⅱ、スーパービジョン演習Ⅰ、実践分析研究Ⅰ・Ⅱ

    博士後期課程:社会福祉研究方法、特殊研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    修士課程ではソーシャルワーク実践を可視化する研究方法を基本に、研究する醍醐味や楽しさ、苦しみも含めて実践者として、研究者としても成長する機会となります。大学院を開設して20年以上経ちましたので、多くの修了生が実践現場及び、教育研究の場で活躍しています。

    博士後期課程では、研究方法を中心としたコースワークを踏まえ、新たな知見を創出することを目指して研究を進めていきます。
    さらに、ゼミを通してピアインストラクションや修士課程の院生との交流を含めて、研究教育の力量も磨いていきます。

    ぜひ、大正大学の大学院の門をたたいてください。

  • 教授
    新保 祐光
    専⾨分野:
    事例検討を中心とした医療ソーシャルワーク、システム論を中心としたソーシャルワーク理論、臨床倫理学に対するソーシャルワークからのアプローチ

    研究キーワード

    • 保健医療分野のソーシャルワーク
    • ソーシャルワーク理論

    研究テーマ・領域テーマ

    テーマ

    • 価値・倫理・思想に基づく実践(原理研究ではなく、それらをどのように実践と関連付けるかを大事にしています)
    • 多様な立場の違いを前提とした協働による倫理的決定

    研究領域

    • 保健医療サービス領域
      (3次救急の病院でソーシャルワーカーを10年していました)

    担当授業科目

    医療福祉論、仏教ソーシャルワーク論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    恩師の受け売りですが、
    「芋虫はさなぎに、さなぎはきれいな蝶になる」。
    生物は環境との良循環があれば、想像もつかないほど変化できるということを証明しています(メタモルフォーゼ)。そして大学院という所は、成長のための多様な環境(教員・仲間・研究資料・研究環境など)がそろっています。一つの出会いや、一つの発見が、皆さんを大きく変えるきっかけになることはよくあることです。私自身も、大学院時代の経験が大きく成長させてくれたことを痛感しています。
    ただし、その変化はただ与えられるものでなく、適した場所で、適した行為をおこなわないと、変化がかならずしもあるとは限りません。また変化は悪い方に向かうこともありえます。学生ではなく、院生だからこそ、自分を成長させる変化に敏感であってほしいと強く願います。

  • 教授
    金 潔
    専⾨分野:
    国際比較研究を通して普遍性のある子ども家庭福祉を考究する

    研究キーワード

    • 子ども家庭福祉
    • 国際福祉
    • 子育て
    • 施設養護
    • 里親養育

    研究テーマ・領域テーマ

    国際比較研究を通して普遍性のある子ども家庭福祉を考究する。

    1. 社会的養護(施設養護、里親養育)に関する養護実践
    2. 子どもおよび家庭に対する支援のあり方

    担当授業科目

    国際福祉研究、社会福祉実践分析研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私にとって、大学院での5年間は人生のなかで最も充実した日々であり、大きく成長させてくれた期間でもあります。
    大学院のときから、「踏査」という研究スタンスを貫き、児童養護施設長や里親里子との出会いによって、私は研究活動の幅が広がりライフワークへと繋がっているように思います。
    また、当事者、支援者との関わりを通して、子どもと家庭の実態・ニーズの発見、解決策のヒントが多く得られました。実践から生み出された理論の構築、そして、その構築された理論を再び実践に生かす、その繰り返しの研究・教育が求められると考えます。
    皆さんもぜひご自身の問いや、深めたいこと、研究したいことを大学院で取り組んでみませんか。皆さんとの出会いを楽しみにしています。

  • 教授
    高橋 正弘
    専⾨分野:
    環境教育論
  • 教授
    宮崎 牧子
    専⾨分野:
    高齢者福祉、地域福祉。とりわけ高齢期における居住のあり方を研究

    研究キーワード

    • 高齢者福祉研究 高齢期の居住
    • 地域福祉研究 地域包括ケアシステム

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 高齢者福祉研究と地域福祉研究の重なり合う領域が、研究領域になります。とくに、高齢期の居住のあり方は、高齢になっても可能な限り在宅生活を継続するための地域社会の支援のあり方とも関連して考えていきます。
    2. 高齢期の居住のあり方という視点にたって、今後の施設におけるケアや支援のあり方を考えます。

    担当授業科目

    高齢者福祉研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    • 学部からすぐに大学院の入学を検討している方々へ
      学部で卒論や卒研を取り組んでいて、もっとやってでみたいと思う研究テーマがある人は、ぜひ、大学院でじっくりと文献や資料を読み、実践に取り組みながら修士論文をまとめてみるとよいと思います。
    • 社会福祉の現場実践をしている方で大学院の入学を検討している方々へ
      自分が現場実践してきたことを振り返り、まとめることは次のステップをみつけることにつながります。
      自分が現場実践している中で、研究テーマを見つけることができている人は、その研究テーマをまとめてみることを通じて、社会福祉実践と研究の循環を意識できるようになります。
  • 准教授
    鈴木 孝典
    専⾨分野:
    社会福祉学(精神保健福祉論、障害者福祉論)

    研究キーワード

    • 精神保健福祉学
    • 障害者福祉論
    • 居住支援
    • セルフケア
    • 混合研究法
    • 尺度開発

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 障害のある人(とくに精神障害のある人)の居住支援に係る方法と仕組みに関する研究
    2. 精神障害のある高齢者のセルフケアへの支援に係る方法と仕組みに関する研究
    3. 障害のある人の生活支援に係る支援効果の測定指標の開発研究
    4. 障害のある人の生活支援に資するソーシャルワーカーの起業・ビジネスモデルの構築

    担当授業科目

    M社会福祉実践分析研究、Mソーシャルワーク研究法Ⅰ・Ⅱ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私は、大正大学大学院の修士課程及び博士後期課程の院生として、また研究生として8年間を過ごしました。その学びの過程では、様々な専門性や背景をもつ教員及び院生との議論や協働を通じて、自らの関心や問題意識を深めて「問い」を立て、その「問い」へのアプローチから新たな理論知を探究する、「研究」の方法と価値について理解を深めました。
    また、教員、他の院生、現場の実践者との協働による研究活動からは、教育、研究、実践を循環させ、「実践に資する知」と「知を紡ぐ実践」を創発するための方法と視点を涵養しました。大正大学大学院には、この「協働」と「循環」をうながす研究教育体制が整っています。
    「自らの実践を省察したい」、「閉塞的な実践環境を変えたい」、「スキルアップしたい」、「教育研究者になりたい」など、今の自分、あるいは自分のおかれた環境を変化させたいと考えているみなさん、その変化を生み出す「知」をわれわれと一緒に探究してみませんか?

  • 准教授
    松本 一郎
    専⾨分野:
    社会福祉学、社会政策学、社会保障論、貧困研究

    研究キーワード

    • 貧困
    • 低所得
    • ナショナル・ミニマム
    • 最低生活保障
    • 社会的排除
    • 社会保障
    • 社会政策
    • 生活保護

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 住居不安定層・貧困低所得世帯・生活保護世帯の実態調査および歴史研究
    2. ナショナル・ミニマム保障研究、最低生活費研究、および生活保護の制度政策研究
    3. 社会保障に関わる歴史・制度政策研究

    担当授業科目

    社会福祉政策研究、社会福祉調査研究、ソーシャルワーク研究法、社会福祉実践分析研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    社会福祉学は、社会的に隠れやすい重要な問題や課題を発見し、社会に投げかけ、傍観者に止まらず、望ましいあり方を探究する学問です。

    とりわけ貧困問題は、社会の中で隠蔽されやすく、同時に軽視・蔑視されやすい「特性」があり、貧困を背景とする一揆・米騒動・労働争議などに典型ですが、時に治安の対象にもなってきました。

    しかしながら、貧困問題は、社会関係の中から確かに生まれ、存在し続けているはずです。存在するのであれば、現象としての「貧」だけに着目するのではなく、その影響である「困」の方にこそ重点を置く必要があります。社会福祉学の原点は貧困問題にあると言われますが、その伝統の在処は、「困」への着目の徹底性にあると最近感じています。

    学問の可能性は、理論、歴史、現状分析などの学術成果を幅広く吸収して、沈潜している問題群を探り当て、客観性を追究する学問の流儀で問い直し、「本質」を抽出することの繰り返しの中にあると考えます。その試みができる限られた「場」の一つが大学院ではないでしょうか。

人間学研究科 臨床心理学専攻 担当教員

  • 教授
    青木 聡
    専⾨分野:
    離婚後の面会交流と片親疎外に関する研究

    研究キーワード

    • 家族支援
    • 離婚・再婚と子ども
    • 親子関係
    • 父母間葛藤
    • 共同養育
    • 面会交流
    • 片親疎外
    • 子育て支援
    • 心理教育
    • あいまいな喪失

    研究テーマ・領域テーマ

    「離婚・再婚と子ども」をテーマに、離婚後の面会交流と片親疎外に対する心理臨床的支援の実践および研究を行っています。

    担当授業科目

    M心理学研究法特論、M臨床心理基礎実習、M臨床心理実習、臨床心理学特殊研究、M臨床心理面接特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    心の支援について一緒に深く考える対話を楽しみにしています。

  • 教授
    池田 暁史
    専⾨分野:
    精神分析、力動精神医学

    研究キーワード

    • 精神分析
    • 精神医学

    研究テーマ・領域テーマ

    スキゾイドやナルシシズムなどの精神分析的パーソナリティ論/精神分析の治療機序と治療的変化のプロセス/メンタライゼーション

    担当授業科目

    臨床心理面接特論II

    精神医学特論

    臨床心理学事例演習I

    臨床心理学事例演習II

    実習ゼミ

    研究ゼミ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    フロイトに端を発する精神分析は、120年ほどの歴史がありますが、いまもって人のこころを理解するための強力な理論であり治療法です。

    人のこころについて深く考えたいと思っている人には、是非、一度精神分析の世界に触れてみてほしいと思います。

  • 教授
    井澗 知美
    専⾨分野:
    発達臨床心理学

    研究キーワード

    • 発達障害
    • 心理社会的介入
    • ペアレンティング
    • 地域

    研究テーマ・領域テーマ

    発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD等)の幼児期から成人期における心理社会的介入法に関する研究。

    特に、地域で実践可能なアプローチに関心があること、発達障害の当事者だけでなくコミュニティとしてどうアプローチしていくかに関心があります。

    発達の多様性をアセスメントし、それぞれの人が自分にあった生き方をしていけるための支援システムを作ること。

    担当授業科目

    障害者(児)心理学特論 臨床心理学査定特論

    臨床心理実習 臨床心理学特殊研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    発達心理学という学問があります。そこで紹介される理論はヒトがどのように人になっていくかを様々な角度から学び、人間への理解を深めます。

    しかし、実際には、発達はテキストに書かれている通りではなく、多様な道筋をたどります。この世に同じ人がいないのと同じで、人の発達のありようや脳の働き具合は、非常に多様です。

    発達臨床心理学はその多様性を学び、理解するための学問であり、発達臨床は、人がその人らしく生きていくことを支援するものです。かつては幼児期から学童期が中心でしたが、現在では思春期、青年期、成人期、さらには老年期まで拡がっています。

    発達の多様性を学ぶことで、これまでみえてこなかった面白さがみえてくるはずです。一緒に発達の奥深さを学びましょう。

  • 教授
    門本 泉
    専⾨分野:
    臨床犯罪心理学、Transactional Analysis(交流分析)

    研究キーワード

    • 司法・犯罪心理学
    • 非行
    • 犯罪
    • 専門家育成
    • スーパービジョン
    • Transactional Analysis(交流分析)
    • 自殺・自傷

    研究テーマ・領域テーマ

    非行・犯罪の理解、加害者及びその家族の支援、心理職の育成とスーパービジョン、反社会性と自損傾向

    担当授業科目

    犯罪心理学特論

    投影法特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    心理臨床において「自分を使う」という作業は、基本であると同時に、しばしば難しいことでもあります。そして、自己研さんの道はとても奥深いです。臨床の現場に出ても一生続くこの作業の土台を、大学院で作ってほしいと思っています。

  • 教授
    近藤 直司
    専⾨分野:
    児童青年精神医学、家族療法・家族支援、精神力動的精神医学

    研究キーワード

    • 精神医学
    • 児童・青年精神医学
    • 精神分析的心理療法
    • ひきこもり問題
    • アセスメント手法

    研究テーマ・領域テーマ

    精神医学のうち、とくに児童・思春期を専門領域としています。精神科医療、精神保健福祉、児童福祉の現場で仕事をしながら、とくに、若者のひきこもり問題について研究してきました。また、医療、保健、心理、福祉領域の専門職を対象に、ケースのアセスメントについての方法論を開発・普及しています。

    担当授業科目

    M健康心理学・M地域支援論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    医療、保健、福祉などの領域における心理専門職の役割を伝えたいと考えています。

  • 准教授
    小堀 彩子
    専⾨分野:
    臨床心理学、学校臨床心理学
  • 准教授
    柴田 康順
    専⾨分野:
    青年心理学、教育心理学、学校臨床心理学

    研究キーワード

    • アイデンティティ
    • 青年心理学
    • 学校臨床心理学
    • 教育心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    アイデンティティに関する実証研究

    青年期の自己確立プロセスと要因に関する調査研究

    スクールカウンセリング、学生相談など思春期・青年期の心理臨床

    担当授業科目

    臨床心理学基礎実習

    臨床心理学実習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    自分が今いる環境でどのような役割を求められているのかを知り、今何をすべきか考えることは、臨床場面に限らず日常的に求められることだと思います。そのためには、自分が所属する集団が抱える強みや課題をどのような性質のものであるか考え、そこに所属する自分にはどのような強みや限界があるのかについて、等身大の理解をしていることが大切です。心理的支援というのは目の前にいる個人に限ったかかわりではなく、その個人の背景にあるさまざまなものやことをふくめた全体像を想像し、今ここで相手と自分に何ができるか考え続ける作業です。誰かに与えられた答えを探すだけでなく、自分を含めた個人について自分で責任をもってかかわりながら、考え、学び続ける姿勢を持った人と一緒に学んでいきたいと思っています。

  • 准教授
    田附 あえか
    専⾨分野:
    家族心理学、家族臨床、児童福祉領域の心理臨床

    研究キーワード

    • 家族心理学
    • 家族療法
    • 児童福祉領域における心理支援

    研究テーマ・領域テーマ

    • ・養育不調を抱える家族への心理支援
    • ・児童福祉施設における家族支援
    • ・家族合同面接におけるセラピストのあり方

    担当授業科目

    家族心理学特論

    臨床心理基礎実習

    臨床心理実習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    児童福祉領域における家族支援を主な研究テーマにしています。広く家族への支援や心理療法に関心のある方、現在、実践を行っておられる方、一緒に学んでいきましょう。

  • 専任講師
    石川 亮太郎
    専⾨分野:
    不安と強迫に対する認知行動療法

    研究キーワード

    • 不安症
    • 強迫症
    • 社交不安症
    • 認知行動療法

    研究テーマ・領域テーマ

    不安のメカニズムとその対処法(認知行動療法)を探る研究をしています。研究手法としては、質問紙調査や実験を使うことが多いです。

    担当授業科目

    臨床心理学専門特論A(認知行動療法)

    実習ゼミ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    失敗してもフォローするので、その代わり、色々なことにチャレンジしてほしいなと思います。

  • 専任講師
    久羽 康
    専⾨分野:
    人間性心理学、フォーカシング指向心理療法

    研究キーワード

    • フォーカシング
    • フォーカシング指向心理療法
    • パーソン・センタード・アプローチ
    • 人間性心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    心理療法の中でどのようなプロセスが起こっているか
    フォーカシングとその心理臨床実践における意義、活用法
    ユージン・ジェンドリンの哲学とその臨床的な意義

    担当授業科目

    臨床心理面接特論Ⅰ、臨床心理基礎実習、臨床心理実習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院はいろいろな知識を学ぶ場でももちろんありますが、学部以上に、自分で考え、実践し、他の人と議論をしていく場だと思っています。臨床について皆さんといろいろ話すのを楽しみにしています。

  • 専任講師
    隅谷 理子
    専⾨分野:
    コミュニティ心理学、産業心理臨床、家族心理臨床、アサーション

    研究キーワード

    • 産業心理臨床
    • コミュニティ心理学
    • 家族療法(co-therapy)
    • 多職種協働
    • アサーション
    • 職場復帰支援

    研究テーマ・領域テーマ

    産業心理臨床と家族心理臨床の統合

    コミュニティアプローチとシステムズアプローチの統合

    協働のためのアサーション

    担当授業科目

    産業・労働分野に関する理論と支援の展開

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    様々な日常のコミュニティシステムの中で、多職種と協働しながら心理援助をすることに興味を持ち、主に家族と働く人を対象に、個の支援、組織の支援の両者への臨床、研究に取り組んでいます。

    心理職としてできることは何か。良い支援というのはどういうことなのか。臨床家である限り、常にそれらの問いとともに生きていくことになります。対人援助における自らの限界を知り、他と手をとりあうことで生まれてくる逆境に負けない力や喜びを分かち合えた時、心理学を勉強していて良かったなと思えると思います。

  • 専任講師
    山本 渉
    専⾨分野:
    学校臨床心理学

    研究キーワード

    • 学校臨床心理学
    • スクールカウンセラー
    • 連携
    • 協働
    • 質的研究

    研究テーマ・領域テーマ

    スクールカウンセラー(SC)と担任教師の協働(コラボレーション)をテーマにしています。

    SCのどのような協働のあり方が担任教師の役に立つのかについて、学校の先生方やSCの方々へのインタビューを通して研究しています。

    担当授業科目

    M臨床心理基礎実習A・B、M臨床心理実習A・B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私が修士課程に入りたての頃、今はもう亡くなってしまったかつての指導教員の先生が、私が初めて担当したケースのスーパービジョンの際に言ってくださったことがあります。
    細かい表現は忘れてしまったのですが(ごめんなさい!)、「これから触れる臨床の世界ですることは、山本くんが短い言葉できれいにまとめてきてしまってきたことを、あえて言葉にしていくような、そんな作業になると思う」と。
    それまで知的学習に偏りがちであった私の学習経験を踏まえて言ってくださったことだと理解しています。

    どんな現場でどんなオリエンテーションで臨床をするにしても、相手が個人であっても集団であっても、実践の中で掴んだ漠然とした感覚を切り捨てず言葉にし、それを事例理解につなげたり、クライエントさんと話し合ったりすることは、心理臨床を心理臨床たらしめる大切な要素の一つだと思います。
    授業やゼミやスーパービジョンの中で、そんな視点を持ちながら、皆さんの臨床の基礎作りをお手伝いできればと思っています。

人間学研究科 人間科学専攻 担当教員

  • 教授
    荒生 弘史
    専⾨分野:
    生理心理学・実験心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    生理心理学/実験心理学

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    脳波や様々な行動指標を使った心の働きの探求と、臨床応用のための心的機能測定法の開発を行っています。特に音、音楽、ことば等の情報処理を題材にしています。いずれも、How この目的のために、言語学者や医師、工学者とも研究を進めています。彼らとの接点で浮かび上がるのは、もちろん相互の違いですが、それは実験心理学の長所や短所でもあります。

    科学という共通の土俵のもとではありますが、異分野の仲間との議論は、ときに異種格闘技の様相を呈します。そのどれもが、実験のデザイン・実施や、データの解釈に、貴重な視座をもたらします。

    大学院では、実際にそのような土俵での経験を積みながら、「心の働きの探求」や「心的機能測定法の開発」を進めます。

  • 教授
    荒川 康
    専⾨分野:
    環境社会学、地域社会学

    研究テーマ・領域テーマ

    環境社会学・地域社会学を専攻しています。自然環境や歴史的環境を含む公共空間に生じる諸問題についての社会学的分析を主な研究テーマにしています。近年はとくに公園をテーマとした調査研究を中心に据えています。

    担当授業科目

    社会学系特論・社会学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日本ではチームを組んで仕事をすることが多いのですが、人文・社会科学系の学問の世界、とくに社会学は、基本的に一人で行います。

    そのため、成果をメンバーとともに喜びあうことも、責任を組織になすりつけることもできませんが、その分、自分が起点となって新しいものを生み出し、自分の名前で論文を書き残すことができる喜びを味わうことができます。

    先人が残してくれた文章と対話したり、フィールドワークを行いながら、現代社会に必要とされるオリジナルなものを創っていくことは、けっして簡単なことではありませんが、大学院では、こうした経験を通して、自分の成長をじかに確認できる学びの場を用意してくれます。

    域社会や環境、公共空間などの問題に興味のある人は、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

  • 教授
    井出 裕久
    専⾨分野:
    産業社会学、社会調査論

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 産業社会学の分野では、「働くこと」に関する⼈びとの信憑――〈仕事〉の信憑――を明⽰化することをめざしています。
    2. 社会調査論の分野で、社会学の世界で、また社会的に社会調査が信頼を獲得してきた過程を歴史的に振り返ることを課題としています。

    担当授業科目

    質的調査法・社会学系特論・社会学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    ⼤学院へ進学する動機は、単純ではなくさまざまかも知れません。

    しかし、その1つには、そのままにはしておけない何らかの違和感、判然としない感じ、あるいは何かを解明したい、しっかりと把握したいという希望があるに違いありません。私も、そうした違和感や希望の持ち主でしたし、現在もそうです。

    この希望への道は⾃らが歩みをすすめるほかありませんが、過去・現在のさまざまな他者との対話が不可⽋です。

    ⼤学院は、そうした対話の場の1つです。今まで⼤学院で担当した科⽬の履修者との議論は、私⾃⾝が何を⾃明としているかにも気づかせてくれる、とても刺激的なものでした。そうした経験をみなさんと共有できることを楽しみにしています。

  • 教授
    内田 英二
    専⾨分野:
    運動生理学、健康科学、分子遺伝学

    研究テーマ・領域テーマ

    健康科学/運動生理学

    身体活動、睡眠などの生活習慣が身体諸機能に及ぼす影響について実験的な手法を用いて研究しています。

    担当授業科目

    生涯教育学系特論・生涯教育学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での研究は、専門性という名のもとに、ともすると狭隘になりがちです。

    現代社会や現代を生きる人間を研究対象とするためには複眼的な視点を持つことが重要です。私は現在睡眠に関わる研究を進めていますが、現代社会におけるさまざまな問題が睡眠に影響を及ぼしていることはよく知られたことです。

    このような実情を考えると無関係であるようにみえる社会生活に関する知見を無視することはできません。専攻の先生方から伺う話題に私自身も非常に刺激を受けています。

    皆さんも私たちと一緒に学んでみませんか?

  • 教授
    澤口 恵一
    専⾨分野:
    家族、ライフコース

    研究テーマ・領域テーマ

    私の専門は家族社会学とライフコース研究です。

    個別の産業(石炭産業、医学、西洋料理)において職業のキャリア構造がどのように変動し制度化されていくのかを明らかにしようとしています。

    担当授業科目

    データ分析法・多変量解析法・社会学系特論・社会学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    社会調査法や統計に関する授業を担当しています。

    イキのいい社会調査データを各自が統計ソフトで分析しながら授業を進めていくようにしています。これらの授業は専門社会調査士資格にも対応しておりますので、本格的に調査法や統計学を学びたい人にも最適の授業です。

    また統計学や分析の実践にこれまでなじみがない受講者も多いので、わかりやすい授業ができるように心がけています。

    社会学は人間社会の森羅万象を対象としうる学問であるだけに、テーマ選びやデータの解釈などの場面で戸惑いを覚える院生も多いようです。

    社会学の伝統的な思考法や問題発見の仕方を理解することが近道だと思います。

  • 教授
    長谷川 智子
    専⾨分野:
    発達心理学、食行動の心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    発達心理学:食と睡眠の健康教育、食行動の発達,乳児の授乳場面における母子のシンクロニー,肥満ややせなどの子どもの体型と母子関係

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    研究を進めていくには地道な努力が必要です。例えば,原著論文を精読する、先行研究を批判的に解釈する、自分の研究の説明理論を構築する…いずれも、How to的に習得するのではなく、時間をかけて自分なりの試行錯誤を繰り返しながら、身につけていくようなものです。

    このような地道な努力を支えるのは、研究に対する強い好奇心、あるいは研究から得られた成果が社会に還元できることへの期待に他なりません。

    クールな知性と研究に対する情熱をもった方と議論できることを楽しみにしています。

  • 教授
    今村 成夫
    専⾨分野:
    図書館・情報学
  • 准教授
    井関 龍太
    専⾨分野:
    認知心理学

    研究キーワード

    • 注意
    • 記憶
    • 言語

    研究テーマ・領域テーマ

    認知心理学、言語心理学、教育心理学

    担当授業科目

    心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    認知心理学は実験を中心に研究を進めることが多い領域ですが、よく見てみると、古くからさまざまな方法が駆使されていることがわかります。 口頭反応を整理して刺激を選定したり、評定データに多変量解析を行った結果に基づいて評価軸を設定するなど、複合的な研究方法が用いられます。現代では、新たな統計手法が考案されたり、コンピュータ技術を利用した刺激作成・データ分析の方法も広く実用可能になっています。さまざまな方法論を駆使して自らの研究テーマに取り組む方のお手伝いができればと思います。

  • 准教授
    谷田 林士
    専⾨分野:
    社会心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    社会心理学:実験ゲーム研究を用いた利他行動の実証的研究、社会的交換場面において共感性が果たす役割についての応用的研究

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院生になるという意思決定は、大学の成績が優秀な学生のみが有する選択肢と思うかもしれませんが、必ずしもそうではないと私は思います。

    4年時の卒論を執筆する過程等で、もっと研究に取り組んでみたい!と思った人にも、有する選択肢なのです。大学院では、自分のテーマを能動的に主体的に問い詰めていきます。だからこそ、大変で苦しいし、だからこそ、研究の面白さを感じることができます。

    本当に自分は研究者としてやっていけるのだろうかと自信が持てずに進学を踏み留まりそうになるかもしれませんが、大学院では多様な進路を選択できます。大学院修士課程の2年間で研究のイロハを学んでいくことで、どっぷり研究生活に浸かって道を突き進みたい(博士課程)とい選択肢を選ぶことも、また、そのイロハによって高められた能力をアピールして、良い企業に就職していく選択肢もあるのです。

    研究してみたい!という率直な好奇心と、へこたれずに頑張り続けるというガッツ。この2つを持っていると思えば、大学院進学を検討してほしいと思います。

人間学研究科 福祉・臨床心理学専攻 担当教員

  • 教授
    青木 聡
    専⾨分野:
    離婚後の面会交流と片親疎外に関する研究

    研究キーワード

    • 家族支援
    • 離婚・再婚と子ども
    • 親子関係
    • 父母間葛藤
    • 共同養育
    • 面会交流
    • 片親疎外
    • 子育て支援
    • 心理教育
    • あいまいな喪失

    研究テーマ・領域テーマ

    「離婚・再婚と子ども」をテーマに、離婚後の面会交流と片親疎外に対する心理臨床的支援の実践および研究を行っています。

    担当授業科目

    M心理学研究法特論、M臨床心理基礎実習、M臨床心理実習、臨床心理学特殊研究、M臨床心理面接特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    心の支援について一緒に深く考える対話を楽しみにしています。

  • 教授
    荒生 弘史
    専⾨分野:
    生理心理学・実験心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    生理心理学/実験心理学

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    脳波や様々な行動指標を使った心の働きの探求と、臨床応用のための心的機能測定法の開発を行っています。特に音、音楽、ことば等の情報処理を題材にしています。いずれも、How この目的のために、言語学者や医師、工学者とも研究を進めています。彼らとの接点で浮かび上がるのは、もちろん相互の違いですが、それは実験心理学の長所や短所でもあります。

    科学という共通の土俵のもとではありますが、異分野の仲間との議論は、ときに異種格闘技の様相を呈します。そのどれもが、実験のデザイン・実施や、データの解釈に、貴重な視座をもたらします。

    大学院では、実際にそのような土俵での経験を積みながら、「心の働きの探求」や「心的機能測定法の開発」を進めます。

  • 教授
    井出 裕久
    専⾨分野:
    産業社会学、社会調査論

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 産業社会学の分野では、「働くこと」に関する⼈びとの信憑――〈仕事〉の信憑――を明⽰化することをめざしています。
    2. 社会調査論の分野で、社会学の世界で、また社会的に社会調査が信頼を獲得してきた過程を歴史的に振り返ることを課題としています。

    担当授業科目

    質的調査法・社会学系特論・社会学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    ⼤学院へ進学する動機は、単純ではなくさまざまかも知れません。

    しかし、その1つには、そのままにはしておけない何らかの違和感、判然としない感じ、あるいは何かを解明したい、しっかりと把握したいという希望があるに違いありません。私も、そうした違和感や希望の持ち主でしたし、現在もそうです。

    この希望への道は⾃らが歩みをすすめるほかありませんが、過去・現在のさまざまな他者との対話が不可⽋です。

    ⼤学院は、そうした対話の場の1つです。今まで⼤学院で担当した科⽬の履修者との議論は、私⾃⾝が何を⾃明としているかにも気づかせてくれる、とても刺激的なものでした。そうした経験をみなさんと共有できることを楽しみにしています。

  • 教授
    沖倉 智美
    専⾨分野:
    障害者福祉領域を中心としたソーシャルワーク、スーパービジョン、成年後見制度に関わる実践に基づく研究

    研究キーワード

    • 障害福祉
    • 地域生活支援
    • ソーシャルワーク
    • スーパービジョン
    • 権利擁護
    • 意思決定支援
    • 成年後見制度

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 障害福祉領域を中心としたソーシャルワークでは、相談支援専門員のトレーニングとしての反省的演習のプログラム構築とファシリテーターの養成について、実践に基づく研究をしています。
    2. 権利擁護では、①意思決定支援および成年後見に関する実践、②障害者支援施設における虐待防止や個別支援計画作成等支援の質向上を目指したフィールドワーク、を通じた研究をしています。

    担当授業科目

    障害者福祉研究、ソーシャルワーク研究法Ⅰ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    ソーシャルワーカーとしての実践力を高めたいと強く望む人を応援します。研究関心は貪欲に持ちつつ、当事者の声や社会福祉現場の営みへの畏敬の念を忘れず、誠実に向き合ってください。なぜならそこに「応え」があるからです。

    研究者自身の実践に対する省察を促すために、質疑応答を重ねます。ソーシャルワーカーの言動には必ず意図があります。その意図がどこから生じるのかを明確化することで、ソーシャルワーク理論を構築します。

    研究方法は多様ですが、どれを選択するにせよ、最終的に研究者自身の実践、ひいては当事者の生活の質向上に還元できるよう、実践との循環を大切にした研究を希望します。

  • 教授
    神山 裕美
    専⾨分野:
    コミュニティソーシャルワーク、メゾ・マクロレベルのソーシャルワーク論、地域福祉の推進方法

    研究キーワード

    • コミュニティソーシャルワーク
    • メゾ・マクロレベルのソーシャルワーク論
    • 地域福祉の推進方法

    研究テーマ・領域テーマ

    共生社会実現に向けて、「地域で孤立・疎外されやすい個人や家族への支援は、直接支援だけでなく、組織や地域支援等の間接支援や、地方自治体の地域保健福祉計画や政策形成とも関連し循環させることで、より効果的に機能する」という仮説より、その検証を地域での継続的研究より進めています。地域基盤の研究は、地域福祉分野だけでなく、地域医療保健やまちづくり等の接点も多いので、多分野にも貢献できるよう進めています。

    担当授業科目

    スーパービジョン演習Ⅱ、地域福祉研究、社会福祉研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日々の仕事に追われる中で、実務には慣れてくるものの、もっと深めたい知識、考えたい課題、が重なってくることはないでしょうか。慌ただしい日常では、読めない本、自分では選ばない本を読んでみて、考え、多くの人と語り、現実と比較しながら言葉にしてみる時間と空間、そして仲間が得られるのが大学院です。

    人生の一時期、長いキャリア形成において、少し休んで考えを深め視野を広げる機会をもつことは、贅沢なことではありません。むしろ、新しい時代変化に合わせて、自分自身をレベルアップする機会になるのではないでしょうか。

    変化の激しい社会福祉分野において、時代に翻弄されず、制度や政策に振り回されず、真に人と社会のために役立つ力とは何か、そのためにどんな学びを深めたらよいか、慌ただしい日常から少し離れて考える場を、大学院は与えてくれます。

  • 教授
    近藤 直司
    専⾨分野:
    児童青年精神医学、家族療法・家族支援、精神力動的精神医学

    研究キーワード

    • 精神医学
    • 児童・青年精神医学
    • 精神分析的心理療法
    • ひきこもり問題
    • アセスメント手法

    研究テーマ・領域テーマ

    精神医学のうち、とくに児童・思春期を専門領域としています。精神科医療、精神保健福祉、児童福祉の現場で仕事をしながら、とくに、若者のひきこもり問題について研究してきました。また、医療、保健、心理、福祉領域の専門職を対象に、ケースのアセスメントについての方法論を開発・普及しています。

    担当授業科目

    M健康心理学・M地域支援論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    医療、保健、福祉などの領域における心理専門職の役割を伝えたいと考えています。

  • 教授
    坂本 智代枝
    専⾨分野:
    ソーシャルワーク論、精神保健福祉学

    研究キーワード

    • 精神保健福祉学
    • ソーシャルワーク
    • 質的研究
    • ピアサポート

    研究テーマ・領域テーマ

    • ソーシャルワーク実践の質的研究
    • 精神障害者の地域生活支援に関する研究
    • 障害ピアサポート及びピアアドボカシー研究

    担当授業科目

    修士課程:精神保健福祉研究、ソーシャルワーク研究法Ⅰ・Ⅱ、スーパービジョン演習Ⅰ、実践分析研究Ⅰ・Ⅱ

    博士後期課程:社会福祉研究方法、特殊研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    修士課程ではソーシャルワーク実践を可視化する研究方法を基本に、研究する醍醐味や楽しさ、苦しみも含めて実践者として、研究者としても成長する機会となります。大学院を開設して20年以上経ちましたので、多くの修了生が実践現場及び、教育研究の場で活躍しています。

    博士後期課程では、研究方法を中心としたコースワークを踏まえ、新たな知見を創出することを目指して研究を進めていきます。
    さらに、ゼミを通してピアインストラクションや修士課程の院生との交流を含めて、研究教育の力量も磨いていきます。

    ぜひ、大正大学の大学院の門をたたいてください。

  • 教授
    金 潔
    専⾨分野:
    国際比較研究を通して普遍性のある子ども家庭福祉を考究する

    研究キーワード

    • 子ども家庭福祉
    • 国際福祉
    • 子育て
    • 施設養護
    • 里親養育

    研究テーマ・領域テーマ

    国際比較研究を通して普遍性のある子ども家庭福祉を考究する。

    1. 社会的養護(施設養護、里親養育)に関する養護実践
    2. 子どもおよび家庭に対する支援のあり方

    担当授業科目

    国際福祉研究、社会福祉実践分析研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私にとって、大学院での5年間は人生のなかで最も充実した日々であり、大きく成長させてくれた期間でもあります。
    大学院のときから、「踏査」という研究スタンスを貫き、児童養護施設長や里親里子との出会いによって、私は研究活動の幅が広がりライフワークへと繋がっているように思います。
    また、当事者、支援者との関わりを通して、子どもと家庭の実態・ニーズの発見、解決策のヒントが多く得られました。実践から生み出された理論の構築、そして、その構築された理論を再び実践に生かす、その繰り返しの研究・教育が求められると考えます。
    皆さんもぜひご自身の問いや、深めたいこと、研究したいことを大学院で取り組んでみませんか。皆さんとの出会いを楽しみにしています。

  • 教授
    長谷川 智子
    専⾨分野:
    発達心理学、食行動の心理学

    研究テーマ・領域テーマ

    発達心理学:食と睡眠の健康教育、食行動の発達,乳児の授乳場面における母子のシンクロニー,肥満ややせなどの子どもの体型と母子関係

    担当授業科目

    心理学的測定法・心理学系特論・心理学系演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    研究を進めていくには地道な努力が必要です。例えば,原著論文を精読する、先行研究を批判的に解釈する、自分の研究の説明理論を構築する…いずれも、How to的に習得するのではなく、時間をかけて自分なりの試行錯誤を繰り返しながら、身につけていくようなものです。

    このような地道な努力を支えるのは、研究に対する強い好奇心、あるいは研究から得られた成果が社会に還元できることへの期待に他なりません。

    クールな知性と研究に対する情熱をもった方と議論できることを楽しみにしています。

  • 教授
    宮崎 牧子
    専⾨分野:
    高齢者福祉、地域福祉。とりわけ高齢期における居住のあり方を研究

    研究キーワード

    • 高齢者福祉研究 高齢期の居住
    • 地域福祉研究 地域包括ケアシステム

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 高齢者福祉研究と地域福祉研究の重なり合う領域が、研究領域になります。とくに、高齢期の居住のあり方は、高齢になっても可能な限り在宅生活を継続するための地域社会の支援のあり方とも関連して考えていきます。
    2. 高齢期の居住のあり方という視点にたって、今後の施設におけるケアや支援のあり方を考えます。

    担当授業科目

    高齢者福祉研究

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    社会福祉の現場実践をしている方で大学院の入学を検討している方々へ
    自分が現場実践してきたことを振り返り、まとめることは次のステップをみつけることにつながります。
    自分が現場実践している中で、研究テーマを見つけることができている人は、その研究テーマをまとめてみることを通じて、社会福祉実践と研究の循環を意識できるようになります。

文学研究科 宗教学専攻 担当教員

  • 教授
    髙橋 秀裕
    専⾨分野:
    科学史・科学哲学・数学思想史、科学と宗教の歴史的関係

    研究キーワード

    • 科学技術史
    • 科学史・科学哲学
    • 数学史
    • 数学教育
    • 科学思想史
    • 科学と宗教の歴史的関係
    • ニュートン研究

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 数学史を中心とする科学史分野では、主にラテン語文献を通して西欧近代の数学・自然学の成立史を哲学・思想史的に理解しようとしています。
    2. 科学思想史分野では、科学と宗教の多様な相互作用や互恵的な関係を歴史的・哲学的に考察し、科学と宗教の相互関係の境界線が歴史的状況の中でいかに揺れ動いてきたかを理解しようとしています。
    3. ニュートン研究をライフワークとしています。とりわけニュートン数学思想をより明快に理解するために、比較思想の手法を用いています。また、ニュートン数学のラテン語文献の邦訳を進め、ニュートン著作集の刊行を企画しています。

    担当授業科目

    MD宗教哲学特論B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    カント『純粋理性批判』中の言葉「内容なき思考は空虚であり、概念を欠く直観は盲目である」をもじった「哲学の導きを欠いた数学史は盲目であり、また数学史の最も興味をそそる現象に背を向けた数学の哲学は空虚である」という言葉があります。これは18世紀から20世紀初頭までの「数学史」あるいは「数学の哲学」を学ぶ場合の核心をうまく捉えた科学哲学者イムレ・ラカトシュの名言です(I.ラカトシュ〔佐々木力訳〕『数学的発見の論理―証明と論駁―』共立出版、1980、p.2)。大学院で哲学や宗教学を学ぶ場合にも、例えば「哲学の導きを欠いた哲学史は盲目であり、哲学史の最も興味をそそる現象に背を向けた哲学は空虚である」という言葉を念頭に置いてみるのも有益かもしれません。宗教学の場合、私は門外漢ですが、「社会学の導きを欠いた宗教史は盲目であり、宗教史の最も興味をそそる現象に背を向けた宗教の社会学は空虚である」というのはどうでしょうか。他にもバリエーションを考えてみてください。要は広い視野を持って研究しましょうということです。

  • 教授
    寺田 喜朗
    専⾨分野:
    宗教学(宗教社会学)、実践的な宗教社会学的調査研究・国内外の新宗教研究・コミュニティと宗教

    研究キーワード

    • 宗教社会学
    • 新宗教
    • ライフヒストリー
    • 宗教変動
    • 教導システム
    • 契約講
    • 教団類型論
    • 生命主義
    • 魚供養
    • 台湾
    • 屋久島
    • 姉崎正治
    • 山尾三省
    • 生長の家
    • 創価学会
    • 立正佼成会
    • 法音寺

    研究テーマ・領域テーマ

    台湾における日系新宗教の研究からキャリアをスタートさせました。日本教育を受け、日本語を解し、日本的な思考様式で戦後の台湾社会と対峙した人々のライフヒストリーに接近し、彼らの間に分有された日本と天皇に対する憧憬を描き出すとともに、彼らの多層的なアイデンティティと日系新宗教の受容の関係を検討しました。
    この研究に着手したのは1996年でしたが(博士論文としてまとめたのは2006年)、並行して宗教社会学の研究史や方法論に関する研究、契約講とよばれる葬儀等の互助組織の研究にも着手し、その後は、魚供養に関する研究、姉崎正治や谷口雅春らを対象にした人物研究にも着手しています。

    担当授業科目

    MD宗教社会学特論 MD宗教学特論C・F

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    なぜ人間は宗教に惹かれるのだろう。宗教は人々に何を提供しているのか。

    宗教は、人類の歴史においてどのような役割を果たしてきたのか。

    現代社会における宗教の存在意義とは何か。宗教は、生死の不安や癒し、鎮魂等といった根源的な問題を解決し、救いをもたらしてくれるのか。国家や企業、家族や学校、医療や福祉と宗教はどのような関係にあり、どのような問題が起こっているのか。

    このような興味・関心を抱いている人は、ぜひ扉を叩いてください。

    大正大学宗教学研究室は、ディシプリンとしての宗教学を学び、実践共同体へと参与しながら宗教学の研究法を身に着けていきます。修士課程・博士課程の大学院生がともに学び、調査し、議論し、様々な視点や知識、方法や作法を習得します。

    積極進取の気風と重厚な歴史を誇り、これまで数多くの研究者・ジャーナリストを輩出してきました。宗教学分野においては、国内有数の研究・教育拠点だと自負しています。

    知的好奇心を抱き、トコトン調べ・考える・探究心旺盛な学徒を歓迎します。

  • 教授
    春本 秀雄
    専⾨分野:
    中国哲学史(諸子百家・儒教・仏教・道教)

    研究キーワード

    • 中国哲学
    • 諸子百家
    • 儒教
    • 仏教
    • 道教
    • 図讖
    • 北魏
    • 廃仏

    研究テーマ・領域テーマ

    大正大学文学部哲学科中国学で中国哲学について学び、当時の浄土宗の先生の安居香山教授(大正大学元学長)に師事をした。この為に、<安居先生の専門である「緯書」>と仏教、北魏廃仏の関係についての研究をしている。研究領域としては、中国哲学史上における諸子百家・儒教・仏教・道教についての研究をし、生きることの意味の哲学的探究をテーマとしている。

    担当授業科目

    MD宗教学特論E・MD宗教哲学特論D

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    現在、文明(技術)が進歩して、日々、多くの生活環境の変化がある。この現代に生きる人間として、文化(生き方)に温故知新して、現代を生きる上でのヒントを探求したい。・・・人として我々は如何に生きたらいいのであろうか。如何に人生を全うしたらいいのであろうか。「幸福」とは何だろうか。・・・人生に初めから負けていいということはない。人生に如何に勝つのか。勝組に入るにはどうしたらいいのか。…。等々。これらを、人生を、一緒に考えてみませんか!

  • 教授
    村上 興匡
    専⾨分野:
    宗教学、宗教史学、伝統的宗教文化をいかした「いのち」「こころ」の教育研究

    研究キーワード

    • 葬送墓制
    • 人口減少社会
    • 死生観
    • 近代化
    • 宗教法
    • 仏教民俗
    • 沖縄

    研究テーマ・領域テーマ

    (研究領域):宗教民俗学 宗教社会史 死生学 生命倫理

    (テーマ):日本の近代化によって伝統的な宗教文化・慣習がどのように変化してきているかについて研究している。特に、近年の葬儀慣習の変化とその背景にある個人の死生観、寺院の社会的位置づけの変化について詳しく調査研究を行っている。

    担当授業科目

    MD宗教学特論A、MD宗教史特論A

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    特に人文系の大学院での学びは、直接、就職などに結びつけることが難しいです。そうした意味では大学院に進学できる人は、多かれ少なかれ、幸いに条件を整えることのできた人であると言えるかもしれません。

    その一方で、大学での学びの中で、これは自分だけが見つけた事実ではないか、これを手がかりにして調査研究を進めたら、もっと興味深い事実を見つけることができるのではないかという感覚をもったことのある人は、少なくないのではないかと思います。できればその直感を大切にしていただきたいと思います。そして、幸運にも大学院進学の条件を整え、学問への熱意を持ち続けることができた人は、是非、大正大学大学院で知的探求の生活を送ってほしいと思います。

  • 教授
    伊藤 淑子
    専⾨分野:
    アメリカ文化、アメリカ文学、ジェンダー・スタディーズ

    研究キーワード

    • アメリカ文化
    • アメリカ文学
    • ジェンダー・スタディーズ

    研究テーマ・領域テーマ

    現在の研究の関心は、1)19世紀アメリカ文学における女性の言論獲得のプロセスの分析、2)ファンタジーにおけるジェンダー表象の分析、3)アジア系アメリカ文学における主体性の構成の考察、という3領域にわたっています。題材は異なりますが、周縁化された存在の主体性探求のストラグルという点で、それぞれの関心はつながっています。

    19世紀、アメリカ、文学、ファンタジーと、いずれも私自身がいま在る地点からはなれたものを研究対象としていますが、過去から照射される現在、架空の物語が孕む普遍的な問いは、いま私たちが直面する問題に向き合うことでもあるのです。

    何を研究するか、そこには必然性と偶然性があると思っていますが、たまたま手にした本や情報に触発され、研究のコミュニティに刺激され、研究の関心が広がっていくのはとても楽しいものです。

    私の研究の原点は19世紀アメリカの女性文学ですが、そこで得た分析手法を応用して漫画やアニメーションも分析することもできます。学生だったころから比べると、学問の環境も大きく変化していますが、ますます多様になる研究の方向性の波に乗り、さまざまな挑戦をしていきたいと考えています。

    担当授業科目

    比較文化特論B・比較文化演習B・比較文化総論A/B・比較文化総合演習A/B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    授業では、物語とは何か、ということを基軸としつつ、学問領域を横断する学際的な文化研究を目指し、さまざまな批評理論を応用しながら、受講生の関心の高い題材について議論しています。題材は受講生の研究も配慮し、神話やおとぎ話、小説や演劇などの文学から漫画、映画、アニメーションまで幅広く扱います。

    基本となる批評理論に関する知識を比較的平易に書かれた文献で習得することと並行し、分析対象とする作品を読解するというのが例年の授業の流れです。読解し考察したこと、議論したことを論述する力をつけるために、関連する論文も数本読むことにしています。

    日常的に抱く興味や関心を研究に高めていく過程を授業で体験することによって、それぞれが取り組む修士論文や博士論文を書き上げていくコツをつかみ、論文執筆のスキルと方法を身につけることを目指しています。研究の楽しさも難しさもともに味わいながら、たがいに刺激しあい、研究に邁進する日々を過ごしましょう。

  • 教授
    星川 啓慈
    専⾨分野:
    哲学的比較文化論、宗教哲学、言語哲学、言語リアリティ関係論

    研究キーワード

    • リアリティ
    • 言語
    • 宗教
    • シュッツ
    • ウィトゲンシュタイン

    研究テーマ・領域テーマ

    1. これまでの長い間、主として「言語とリアリティの関係」をめぐって、宗教を題材としながら、種々の視点から考察してきました。
    2. ここ数年は、「アルフレッド・シュッツの流れをくむ宗教現象学」に興味を持って、論文集『シュッツと宗教現象学』を翻訳しながら勉強しています。

    担当授業科目

    比較文化総論・比較文化特論・比較文化演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    1. 同年代の人たちは、社会に出て仕事をしている。大学院に進学するということは、そうした人たちが働いている時間に勉強するのだから、しっかり勉強してほしい。
    2. 学問は本質的に楽しいものである。もちろん、苦しいこともいっぱいあるだろうけれども、基本的に研究することの楽しさを見失うと悲惨なことになる。
    3. とにかく、「好きでたまらない」テーマを見つけて、それを深く研究できるようになってほしい。
    4. 指導教授が自分の研究しているテーマに詳しい場合には問題ないが、そうでない場合は、「独立独歩」で研究しなければならないかもしれない。そういう覚悟も必要であろう。
  • 教授
    伏木 香織
    専⾨分野:
    民族音楽学、文化人類学

    研究キーワード

    • 東南アジア(インドネシア、シンガポール、マレーシア)
    • 台湾
    • 音楽
    • 舞踊
    • 演劇
    • 人形劇
    • 宗教儀礼における音楽芸能
    • サウンド・スケープ
    • 歌台

    研究テーマ・領域テーマ

    研究領域:文化人類学、民族音楽学、カルチュラル・スタディーズ

    テーマ:東南アジア、特にインドネシア、シンガポールを中心として、音楽や芸能が社会の中でどのように実践されているのかについて研究している。バリの音楽やジャワのワヤン・ポテヒ、シンガポールにおける華人の伝統的な音楽や宗教的実践を取り巻く音楽芸能(中元節、童乩信仰、善堂の司る各種儀礼等)、それらと台湾、マレーシアなどとの交流とその影響関係も視野にいれて研究を行なっている

    担当授業科目

    MD比較文化特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院は学部とは異なり、自ら研究テーマを見つけ、それを探求していく学びのスタイルを持ちます。自分で本当に追求したいテーマはなにか。それを発見できないと苦しむことになるでしょう。一方で、様々なものに何か面白いことが潜んでいそうだと鼻が効く人は、学部とは桁違いの面白さを味わうことになるはずです。
    残念ながら本専攻におけるその追求は、就職に直接的に結びつくような方向性を持ちません。ですが人文学とは人の知恵を集積する学問なのであって、即効性を求めるものではありません。リベラル・アーツが世界的に再評価されるなかにあって、人文学のなかで自分の見つけたテーマを追求することは悪いことではないし、大学院で探求したことは人生を豊かにしてくれることは間違いありません。
    進学を決めたら、ぜひ、その探求の精神を持ち続けて、大学院生活を送って欲しいと思います。

  • 准教授
    行森 まさみ
    専⾨分野:
    社会言語学、英語教育

    研究キーワード

    • 国際共通語としての英語
    • 異文化コミュニケーション
    • 言語態度
    • 教師研究
    • 語用論

    研究テーマ・領域テーマ

    研究者としての出発点は、学習者の英語運用能力伸長のための方略研究でしたが、教室で教えられる英語と、世界で使用される実践的な英語の乖離に関心を持ち、以下のテーマについて研究しています。

    1. 国際語としての英語の使用実態
    2. 異なる文化的背景や多様なコンテクストにおけるコミュニケーションの諸相
    3. 英語変種に対する言語態度
    4. ビリーフ(信条)を中心とした教師研究

    担当授業科目

    MD比較文化特論C

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    私たちはコミュニケーションを図る際に、相手や状況に合わせて伝え方を意識的・無意識的に調節したり、ことば以外の方法も駆使したりして、必ずしも「教科書どおり」ではない創造的な意思伝達をおこなっています。それは母語だけでなく、外国語でやりとりをする際も同様です。大学院で、言語を使った異文化間の様々なコミュニケーションについて考える面白さを知り、興味・関心のテーマを深めてほしいと思います。

  • 准教授
    星野 壮
    専⾨分野:
    宗教社会学、文化人類学

    研究キーワード

    • 在日外国人
    • エスニシティ
    • 現代日本における仏教

    研究テーマ・領域テーマ

    研究領域:宗教(社会)学、文化人類学

    テーマ:80年代から増え始めた在日外国人について、宗教研究と他分野の知見を総合させて考えてきました。とくに在日ブラジル人と宗教について、詳しく調べてきました。また本学大学院にて教育・研究にかかわるということも踏まえて、現代における仏教の社会的位置などについても最近考えています。

    主な論文・著作

    『現代日本の宗教と多文化共生―移民と地域社会の関係性を探る―』(共編著、2018年、明石書店)

    担当授業科目

    M宗教民族学特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    学部までの学びが「自主的に取り組むもの」よりは「課せられたタスク」として認識されやすいのに対して、大学院におけるそれは間違いなく前者となります。志望されるみなさんも、何かを自主的に調べたい、勉強したい、という熱意を携えて、門を叩くのだろうと愚考します。その熱意をもって自分で文献を読む、もしくは調査研究を行うといった努力は、絶対に必要になります。

    とはいえ「自分の学び」というものは、(矛盾しているように聞こえますが)独力で成し遂げられることは少ないように思います。小生も大学院の門を叩き、先生方、先輩方、研究者仲間たちとの指導や交流を経て、少しずつ、学びが深まっていくことを感じてきました。その経験は私にとってかけがえのない財産であると考えています。

    もしあなたが「○○について調べたい!」という熱意をもっているなら、かつて先生方や先輩方が小生にして下さったように、あなたの力になるために努力することをお約束いたします。ぜひ一緒に学んでいきましょう。

  • 専任講師
    髙瀨 顕功
    専⾨分野:
    宗教学、宗教社会学

    研究キーワード

    • FBO(Faith Based Organizations)
    • 宗教の社会参加
    • 地域資源
    • 地域包括ケアシステム
    • グリーフケア
    • 量的調査
    • 質的調査

    研究テーマ・領域テーマ

    FBO(Faith Based Organizations:信仰にもとづく組織)や宗教者の社会参加、社会問題への支援・介入について研究してきました。もともとはホームレス支援をする宗教者についてフィールドワークを行っていましたが、近年では、医療や介護など制度化された空間における宗教者の役割について量的調査を行ったり、地域社会など制度化されていない空間における宗教者のはたらきについて質的調査を行ったりもしています。

    主な論文・著作

    • 髙瀨顕功, 2021,「新型コロナウイルスがもたらした寺院活動への影響―寺院向けウェブ調査より―」『宗教と社会貢献』11(1): 31-52.
    • 髙瀨顕功,2020, 「地域資源としての寺社・教会の可能性 ―川崎市宗教施設調査より―」『コミュニティソーシャルワーク』25: 69-80.
    • 竹島正, 山内貴史, 川野健治, 松本俊彦, 髙瀨顕功, 島薗進, 2020,「十代の自殺とその予防」『母子保健情報誌』5: 9-17.
    • 岡村毅, 的場由木, 髙瀨顕功, 粟田主一, 2020,「Dementia-friendly communities(認知症にやさしい地域)と死生観―ホームレス支援団体の実践から」『現代宗教2020 特集:死生の文化の変容』130-153.
    • 髙瀨顕功, 2019, 「終末期ケア現場における仏教的資源導入の可能性 : 施設スタッフへの質問紙およびインタビュー調査から」『宗教と社会貢献』9(2): 35-51.
    • 髙瀨顕功, 2018,「社会活動における宗教的価値の相反と克服-浄土宗僧侶によるホームレス支援を事例として―」『死生学年報2018』168-186.

    担当授業科目

    M宗教学特論B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    現代社会では、以前の姿のままの宗教をとらえることが難しくなっています。しかし、それは宗教の衰退をそのまま意味するものではありません。形を変え、見えづらくなってはいるかもしれませんが、宗教は今でも私たちの生活とかかわりを持っています。幸い大正大学にはその「現場」を持つ学生、先生方多くいます。いわば、現代社会における宗教の営みがどのようなものであるか、今日的な現場を見ながら学ぶことができる場でもあります。そういう意味では、理論の理解や構築にとどまらない、実践とつながる学びが得られる環境といってもよいでしょう。貧困、自死、看取り、介護など、公私にわたる他領域で求められる宗教組織や宗教者の役割とその可能性について、豊かな実践現場からともに考えていきたいと思います。

文学研究科 史学専攻 担当教員

  • 教授
    榎本淳一
    専⾨分野:
    日本古代史

    研究キーワード

    • 語彙
    • 遣隋使
    • 遣唐使
    • 律令制
    • 漢籍
    • 書籍目録
    • 国風文化
    • 賤人制度

    研究テーマ・領域テーマ

    日本古代と中国隋・唐朝の関係・比較を中心に研究しています。具体的には、日本と中国の律令制比較研究や、日本と中国を中心とする東アジア世界の国際交流、東アジア文化圏における中国文化の伝播・共有・影響などについて研究しています。

    担当授業科目

    MD日本史特論A・B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院では、自分の定めた研究テーマについてじっくり調査・考察を深めることも大事ですが、広く問題関心を持って、いろいろなことを学ぶことも重要です。視点を高くし、視角を広げることで、見えてくるものも違ってきます。蛸壺化した研究からは、大きな展望は開けません。大学院に進学される方には、時代や領域に捕らわれず、種々意欲的に学び、考えることを期待します。

    また、研究の能力や適性は、必ずしも受験勉強の成績と比例するものではありません。自分の能力を過小評価することなく、また逆に油断することなく、研究に没頭することで、自分の能力や適性も見えてくるものがあると思います。何かに夢中になり、一生懸命考えることで、人間は必ず成長します。好きな歴史の探究にチャレンジし、皆さんの人生に役立つ力を身につけて下さい。

  • 教授
    加島勝
    専⾨分野:
    仏教工芸史・文化財学

    研究キーワード

    • 凡アジア
    • 東アジア
    • 東洋美術
    • 仏教工芸
    • 金属工芸
    • 舎利信仰
    • 舎利容器
    • 法隆寺献納宝物
    • 正倉院宝物

    研究テーマ・領域テーマ

    研究領域:東洋美術史、特に仏教工芸史研究

    1. 平成28年度~令和元年度科学研究費補助金(基盤研究〔B〕)「器の信仰史」として見る凡アジアの舎利容器研究(研究代表者)
    2. 古代仏教工芸史研究
    3. 日本工芸史基礎資料集成紀年銘工芸品(平安時代)

    担当授業科目

    MD文化財特論・MD文化財演習

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    仏教工芸品がインドからいつ、どのような経緯で日本に伝わり、どのように受容され展開したかを実物作品に即して研究することにより、仏教工芸品だけだなく仏教が、ひいては文化がどのように交流してきたか明らかにする研究をしています。

    私は自分で研究テーマを見つけ出し、そのテーマに対して自分なりの独自の方法で答えを見つけることが本当の研究だと思っています。だから大学院での学びはもしかすると大変孤独で苦しいことかもしれません。しかし、それを乗り越えて答えを見つけ出した時の達成感―楽しさや嬉しさ―をぜひ味わってほしいと思います。

    私は東京国立博物館など博物館で30年近く学芸員や研究員をしてきました。博物館では常設展示はもちろん、特別展や調査研究のプロジェクトなどで実物作品に触れる機会が数多くありました。展示室のガラスケース越しではなく、実際に直接見る作品の迫力には驚かされることがよくありました。博物館でえた、本物の作品が持つすばらしさを皆さんに伝え、一緒に学んでいきたいと思っています。

  • 教授
    小林伸二
    専⾨分野:
    中国古代史

    研究キーワード

    • 東洋史
    • 中国古代史
    • 春秋時代
    • 戦国時代
    • 軍事
    • 外交
    • 政治思想

    研究テーマ・領域テーマ

    洋史なかでも中国古代史における社会と支配構造の変質を研究テーマとしています。具体的には、春秋時代の覇者政治がもたらす国際社会を軍事と外交の視点からの分析、戦国時代の諸国に関して軍事と外交の動向から国際関係をとらえ、それを支える政治思想の考察など、原中国の形成に向けた諸問題の解明が研究領域でする。

    担当授業科目

    MD東洋史特論A・MD東洋史特論B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    歴史学はあらゆる事物の差異に関して、多様な視点と分野から分析することを課題とする研究領域です。なかでも外国史としての東洋史は、その長い時間と広い領域を対象として興亡をくり返し、統治体制や支配構造、あるいは文化に至るまで、中華世界という認識の共有、対外関係における一体感と分裂にあって、様々な視点と問題が存在します。

    特に中国古代史は東洋史のこの本質に迫る、そもそも歴史学の根本問題を探究する使命があると考えています。研究という方法で、この広く大きな世界に一緒に対峙してみませんか。小さな一つの視座が、積み重ねられ、そしていつの間にかカタチを形成する。そんな楽しみが、唯一、生きることを支える、至福の時間を、東洋史の学びを通じて味わってみましょう。

  • 教授
    佐々木倫朗
    専⾨分野:
    日本中・近世史

    研究キーワード

    • 日本の中近世における領主権力の研究

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 東国における領主権力の研究

      独特の地域的特色を持つ東国の領主権力が、どのような展開・特質を持って中近世に存在していたのかを追求しています。

      また中央政権との接点も視野に含んで追求しています。

    2. 領主権力と地域社会

      領主権力が地域の社会とどのように関わっていたのかも関心を持って追求しています。

    担当授業科目

    MD東洋史特論A・MD東洋史特論B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    中世から近世への転換は、様々な意味で日本の歴史上の大転換です。政治史でも社会史でも構いません。そのことに興味をもっている学生の方々と一緒に勉強したいと思っています。

  • 教授
    白木太一
    専⾨分野:
    西洋史

    研究キーワード

    • 歴史学
    • 西洋史
    • ポーランド史
    • 国制史
    • 音楽文化史
    • 都市史

    研究テーマ・領域テーマ

    大学院時代から近世ポーランド史、近世ポーランド国制史を研究してきました。主に18世紀の貴族共和政の国制的な意義について、著書、論文を公表しています。

    また最近は都市史(主にワルシャワ史)やショパンの時代を中心とするポーランド音楽文化史にも関心を抱いています。

    担当授業科目

    M西洋史特論B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での勉学の時期は、多くの皆さんにとって、人生で最も自由な時間を持てる時期ではないでしょうか。また、記憶力、理解力も極めて旺盛な時期でもあると思います。この時期に自分に関心のあるテーマをじっくり研究機会に恵まれるというのは、ある意味で大変幸せなことです。ぜひ虚心坦懐に研究に邁進する日々を過ごしてください。

    史学専攻は、歴史学に関心のある皆さんに研究への扉を開く機会を提供します。同じ志を持つ院生や、長年研究に携わっている教員とともに、歴史研究の楽しさと深さを味わってみてください。

  • 教授
    塚田良道
    専⾨分野:
    考古学・博物館学

    研究キーワード

    • 考古学
    • 古墳
    • 埴輪
    • 絵画
    • 東アジア
    • 博物館学

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 考古学

      埴輪や壁画をはじめとする造形・図像資料をもとに、日本列島における古墳文化の特質と、古代における東アジアと日本列島との関係を研究しています。

    2. 博物館における歴史展示

      博物館における歴史展示(おもに考古資料)も研究対象の一つです。

    担当授業科目

    考古学特論B・考古学演習A

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    考古学の発掘調査は、現場に立ち淡々と作業を進めることが求められます。遺跡の分布調査では、一日に10km以上歩くこともあります。室内に入っても、遺物を接合し、実測して図面を描く作業は、根気がいります。多くの作業がデジタル化しても、考古学の研究には、こうした肉体的な技術が求められます。

    わたしの経験からいうと、このような最も知的ではなさそうな肉体的な作業が、じつは古代を理解する早道ではないかと思っています。おそらく、遺跡や遺物には言語化しえない情報が多く含まれていて、それを感じ取るためには、人間の持つさまざまな能力を駆使する必要があるからだろうと思います。

    こんな話を書くと「きついことはやりたくないなあ」と思う人が多いかも知れません。しかし、上記の体力は、とりたててスポーツをやったことのない人でも、充分に備わっているものであることをお断りしておきます。

    「習うより慣れよ」という言葉もあります。大学院では、自らの五感をフルに活用して、考古学の研究にとりくんでください。

  • 教授
    福井淳
    専⾨分野:
    日本近・現代史

    研究キーワード

    • 立憲政治
    • 自由民権運動
    • 立憲改進党
    • 民権結社
    • 私擬憲法
    • 足尾鉱毒事件
    • 明治天皇

    研究テーマ・領域テーマ

    日本近代史、とくに立憲政治の実現を目指していた幕末・明治時代の政治史を研究しています。

    具体的には、(1)自由民権運動での立憲改進党系の民権結社・政党・私擬憲法、(2)立憲改進党と関係が深い足尾鉱毒事件の支援組織、(3)立憲政治における明治天皇の役割などです。

    担当授業科目

    MD日本史特論E・F

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日本の近代政治は、尊王攘夷・討幕派や自由民権運動の「志士」など、命がけで時代を変えようという「志」(こころざし)をもった人たちによって切り拓かれました。民権家の植木枝盛は、こころざしとは「むずかしきことをなすこと」だと言っています。

    こうした先人の精神やエネルギーをみならって、大学院では、学部時代には取り組めなかった、より難しい研究に情熱を燃やし、一生懸命それを明らかにしていくという「志」を持って、前に進んでいきましょう。

    それとともに、研究の奥深さを知ることで、人間として、より謙虚な人格へと高めていくことを心がけましょう。

    そして「深い学識」と「磨かれた人格」の両方を手にして、これからの日本の正しい針路を率先して指し示すことが出来るような人材となって社会に大きく羽ばたいていただきたいと願っています。

  • 教授
    御堂島正
    専⾨分野:
    考古学

    研究キーワード

    • 実験痕跡研究
    • 遺跡形成論
    • 機能論
    • 旧石器時代
    • 縄文時代

    研究テーマ・領域テーマ

    考古資料の解釈と説明のための基礎的研究、特に実験痕跡研究に関心をもっています。実験痕跡研究とは、様々な実験を通して、人間行動や自然現象とその結果として生じる痕跡との関係を把握し、それをもとに考古資料の解釈を行おうとするものです。これまで、石器の製作・使用・廃棄等、考古資料の形成過程などの研究を行ってきました。

    担当授業科目

    MD考古学特論A・MD考古学演習B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    「既にあるものを知ることも、理解することも、研究ではない。研究とは、今はないものを知ること、理解することだ。…」

    これは森博嗣著『喜嶋先生の静かな世界』(講談社文庫)のなかで、喜嶋先生という主人公の指導教官が語る言葉です。この本のなかには「『論文』には世界初の知見が記されていなければならない。」ともあります。誰かが既に言っていたり、本に書かれたりしていることを調べて書き写すのは研究ではありません。

    学部学生は卒業論文で研究の一端に触れますが、本当の研究は大学院から始まります。研究の楽しさや、充実感、達成感、高揚感、困難さ、自らの不識、非力は大学院でよく知ることができるでしょう。その世界に分け入ってみるのも悪くないと思います。

  • 教授
    宮嵜洋一
    専⾨分野:
    中国・近世・近代史

    研究キーワード

    • 資源
    • 開発
    • 技術
    • 環境

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 中国ではこれまで資源をどのように採取し、どのように利用していたのか、ということを、技術発展を加味して分析しています。特に、古来の資源利用が近代以降にどのような影響を与えているのか、という点が近年の課題です。
    2. 資源開発が自然環境をどのように変え、人々はそれぞれの時点でどのように対応していたのか、ということももう一つの課題です。

    担当授業科目

    MD東洋史特論A・B

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    「もう少し勉強してみたい」というのが、大学院に進学する皆さんに共通する思いではないでしょうか。最初から勉強したいと思っている人もあれば、学部学生時代はなんとなく過ごしてきたが、卒業論文を書いているうちに次第に面白くなってきて、もう少し掘り下げて考えたいという人もあるでしょう。そうした共通の思いを持つものが集まって、自分の勉強の成果を報告し、互いに討論し合ってさらに勉強する。学内に止まらず、あちこちの様々な研究会に参加して、新しい気づきを得る、ということもあります。そうした環境にあるのが大学院です。

    学部生の時期に比べ、取得すべき授業数も少なくなりますので、その分しっかりと自分の勉強に時間を使えます。先行研究を読み直すもよし、政治学・経済学・考古学・人類学など関連学問をしっかり身につけるもよし、ひたすら史料を読み込むもよし、です。われわれ教員一同も、しっかりと皆さんをサポートしますので、一緒に頑張っていきましょう。

  • 教授
    三浦龍昭
    専⾨分野:
    日本中世史

    研究キーワード

    • 南北朝時代
    • 南朝
    • 征西将軍府
    • 古文書学

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 中世政治史

      南北朝期の公武関係史、とくに南朝や九州におかれた出先機関である「征西将軍府」を主なテーマとしています。

    2. 中世古文書学

      天皇や親王の発給した綸旨や令旨などを中心とした中世の古文書について研究しています。

    担当授業科目

    MD日本史特論C・MD日本史特論D

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院への進学を目指す理由はさまざまだと思いますが、入学後、必要になってくるのは好奇心と意欲・熱意だと思います。与えられた問題を解決するのではなく、小さな気づきを大切にして粘り強く模索しながら、まったく新しい問いを自分自身で見つける。夢中になって調べ、未解決の問いに答える。数多くの歴史資料と向き合うなかで、新しい史料を見つけたり、新しい解釈を導き出したり・・・・

    そうした学問の楽しさ、奥深さをぜひ知って欲しいと思います。

  • 准教授
    木下 昌規
    専⾨分野:
    日本中世史

    研究キーワード

    • 日本中世政治史
    • 室町幕府
    • 足利氏
    • 将軍
    • 公武関係

    研究テーマ・領域テーマ

    足利将軍家(室町殿)・室町幕府の権力構造

    15世紀から16世紀(室町時代から戦国時代)にかけての将軍(室町殿)・室町幕府の権力構造の解明を主なテーマとする。特に側近などの権力の担い手を中心としながら、戦国期、将軍権力の変遷とその過程について研究する。また、これに関係する公武関係にも注視する。

    担当授業科目

    M日本史特論D

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院では、学部生と異なり、研究への主体性が強く求められます。
    授業はもちろん、自らの研究テーマについても、受け身ではなく、日々進展する研究成果にも目を向けながら、進んで研究・勉強を行う意欲が必要です。ただし、意欲があっても、個人で何もかもできるわけではありません。教員や同じ院生、または他の大学院の院生との関係も重要になります。多くの人の協力や支えがあって、はじめて研究が行えるのです。学内のみならず、多くの研究会に参加し、色々な刺激をうけながら、様々な問題意識を養い、自らが研究する意義につい問い直してください。そこではじめて大学院生になること、なったことの意味を見つけることができると思います。

  • 准教授
    松本 洋幸
    専⾨分野:
    日本近現代史

    研究キーワード

    • 日本近現代史
    • 戦間期
    • インフラと政治
    • 近代水道
    • 都市
    • 首都圏

    研究テーマ・領域テーマ

    現代社会のルーツとも言える1920~30年代の「戦間期」と呼ばれる時代の政治史・都市史を中心に研究しています。『近代水道の政治史』(吉田書店、2020年)を上梓し、日本における近代水道の導入・普及の過程を通して、明治初期から昭和30年代までの近代日本の統治のあり方を問う研究をまとめました。
    このほか、横浜・神奈川を中心とする首都圏の地域史研究や自治体史の編纂を主軸に研究活動を続けているほか、筑豊炭鉱家と北部九州の開発に関する研究、1950年代の日本海運の国際復帰なども手がけています。いずれも具体的な地域・個人の史料にもとづく実証的な研究を心がけています。

    担当授業科目

    未定

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    歴史学の醍醐味は「アナロジー(類推)」にあります。アナロジーとは、過去のある出来事と現在の状況との間で類似した物事の考え方、行動様式などを見つけ出し、自分の置かれた状況を再認識する、という行為です。現代社会を理解する多くのヒントが、日本近現代史には散りばめられています。
    また歴史学を研究する上で不可欠なのが、当時の人々が残してくれた歴史資料です。とくに近現代史の場合、有名な政治家・軍事・官僚たちに限らず、市井の人々・女性・子どもたちも多くの肉声を残してくれています。また資料の媒体も、文字史料に限らず、視聴覚資料やオーラルヒストリーなど、多様な形態をとります。さらに地域社会には、未使用・未発見の歴史資料が数多く眠っています。
    このように、近現代史は、テーマも素材も様々な可能性に溢れていますが、その分大量の情報を効果的に処理し、魅力的な筋書きを仕立て上げる能力が求められる分野でもあります。
    受験生・学生の皆さんには、できるだけ多くの歴史資料、とくに地域の近現代資料に触れることで、豊かな歴史感覚を持って欲しいと思います。

  • 准教授
    中川 仁喜
    専⾨分野:
    近世仏教史

    研究キーワード

    • 日本近世史
    • 仏教史

    研究テーマ・領域テーマ

    中世から近世の天台宗史。特に、戦国時代から近世初期の比叡山延暦寺や全国の天台宗寺院の実態について解明する。また、近世天台宗について南光坊天海やその周辺の人物を中心に分析している。

    担当授業科目

    M仏教史特論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    大学院での学びは自身の研究テーマを定め、指導を受けつつも自らの責任で史料を収集、分析していくものです。それは、もう研究者の一員であり、責任もともないます。そのかわり、自身の研究テーマをとことん突き詰められる貴重な時間と環境でもあります。
    もっともそれだけならば大学院に在籍しなくても可能かも知れません。大学院で貴重なのは、その様な時間に異なった研究分野で同様に精進する仲間や、教員が身近にいることです。その恵まれた環境を最大限に生かしてもらいたいと思います。
    私もそうですが、私の学んだ先生も「大学院の時の論文が、拙くとも人生で最も真摯に取り組んだもので、またそれができる環境であった」と語られています。是非、将来その様に語れるような時間を過ごしていただきたいと思います。

文学研究科 国文学専攻 担当教員

  • 教授
    梅澤 亜由美
    専⾨分野:
    日本近現代文学

    研究キーワード

    • 私小説
    • 自己語り
    • 自伝的小説
    • 自伝
    • 日記
    • 東アジア文学

    研究テーマ・領域テーマ

    〈自己語り〉文学、特に日本の私小説の研究を専門としています。私小説は、自伝や日記といったその他の〈自己語り〉とどう違うのか、あるいは東アジア地域をはじめ海外の〈自己語り〉と比べるとどうなのか、などを研究しています。そこから更に視野を広げて、文学、活字という媒体を越えて、〈自己語り〉、自己表現の問題を研究したいと思っています。

    担当授業科目

    文学と国語教育

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    生涯学習という言葉があるように、勉強、あるいは学問は大学を卒業したら終わりではなく、その後も継続していくものです。“学校”を卒業しても、それぞれの興味、関心にあわせて学び続ける、現代はそのような社会となっています。

    特に、国文学専攻においては、国語教員、日本語教員、あるいは学芸員といった専門的な職業につきたい、あるいはついた人たちにとっての継続的な学びの場の役割を果たします。

    どんなに勉強しても、この世界には分からないことばかりです。教員である自分自身も、いつもそのような思いに駆られています。勉強すること、追究すべきテーマはたくさんあります。そのような思いをもって、学び続けることはとても素敵なことだと思っています。

  • 教授
    小嶋 知善
    専⾨分野:
    日本近現代文学

    研究キーワード

    • 時代の潮流と文学の動向
    • 文芸思潮の変遷
    • 小説と文藝理論の関係

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 近現代代文学の研究
    2. 昭和20~40年代の文学。特に第一次戦後派の文学研究(武田泰淳を中心にして)
    3. 明治20年代の文学研究(二葉亭四迷を中心にして)

    担当授業科目

    MD小説特論Ⅰ・MD小説特論Ⅱ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    文学の研究の面白さは、作品に興味を抱き、その背後にあるものに迫ろうとしたときに、自分にあった研究の方法があることを知ることが始まりです。作家や作品に迫る方法は多様だからです。

    大学院で、その方法と文学研究の面白さを是非知ってください。そのための指導とお手伝いをしたいと思います。

  • 教授
    山内 洋
    専⾨分野:
    日本近現代文学

    研究キーワード

    • 日本近現代文学
    • 文芸批評

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 日本近現代文学
    2. 中島敦研究及び「山月記」と国語教材
    3. 安岡章太郎を中心とする第三の新人研究
    4. 増田みず子研究
    5. 文芸批評及び文芸批評論

    担当授業科目

    文芸批評論

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    文学について論じることの面白さは、「社会学」「哲学」「歴史学」等、あらゆる人文科学の問いと隣接していること、時にはそれらを包摂できることだと思います。また本専攻の学生が専攻のカリキュラムで得た高度な学びの達成や自らの研究テーマを手に、中学や高等学校、そして大学の教壇に立ってくれることを期待しています。

  • 教授
    渡辺 麻里子
    専⾨分野:
    日本古典文学

    研究キーワード

    説話集、『今昔物語集』、『宇治拾遺物語』、談義書、『法華経』、注釈書、くずし字、記家文字、了翁、鉄眼版、大蔵経

    研究テーマ・領域テーマ

    中世文学、仏教文学、説話文学、談義書、文献資料学、寺院資料調査

    1. 中世の説話集や仏教説話集の研究
      『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』について、一話一話を解読する。
    2. 談義書・論義研究
      学僧たちが経典を学ぶ時、師について、師の講義に学ぶ。学問を行う寺院(談義所)では多くの講義が行われ、受講生は講義を筆録した。学僧の学問研究を研究する。
    3. 文献資料学・寺院資料調査
      中世の談義書資料は、厖大な量が遺されているが、未調査・未整理のものも多い。伝本研究・翻刻・解題作成など、研究の俎上に載せるための基礎研究を行う。関連して、寺院資料の中でも大蔵経の調査研究を行う。

    担当授業科目

    文芸特論Ⅰ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日本古典文学の世界は、仏・神とともに人々が生きていました。仏教は日本の文化の隅々まで行きわたり、生活に溶け込んでいます。古典文学を読み解くのに、仏教からの視点を持つと、より深く学ぶことができます。
    日本の文化を広く深く知るためにも、仏教文学を学んでみませんか?
    仏教文学は、「仏の教え」を説くばかりではありません。古典の世界では、仏様はまるで人間のように生き生きと活動し、人々と接点を持ってやりとりしています。
    また仏者(僧侶)の記した文学作品も多くあります。古典文学の世界を、仏教の視点を取り込みながら、広く深く、一緒に学びましょう。
    それから、古典文学の世界は、漫然と読んでもその良さがわかりません。仏教・思想・歴史・美術、隣接分野の知識も取り入れながら、広く深く読み進め、リアルにその世界に近づくことを目指したいと思います。昔の人が、何を考え、どのように生きていたのか、「実感」することを目指して、読んでいきましょう。

  • 准教授
    田中 仁
    専⾨分野:
    日本古典文学

    研究キーワード

    • 国文学
    • 日本近世文学
    • 江戸時代の文学
    • 和歌
    • 古典学
    • 書誌学

    研究テーマ・領域テーマ

    江戸時代の文学、とくに江戸時代中期から幕末明治期にかけての和歌や歌人に関する研究。

    1. 江戸時代中期から明治期にかけての和歌表現
    2. 江戸時代から明治期にかけての公家や大名(旧華族)、士族、国学者、歌人たちの文学活動
    3. 諸家集(歌集)の制作・流布の実態などに関心を持って調査・研究を行っています。

    担当授業科目

    文学と国語教育

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日本の古典文学の中で、とくに江戸時代の文学は、ジャンルも内容も多岐にわたります。学部4年間で触れることができる江戸時代の文学作品は、やはりどうしても限られていますので、より幅広くあるいはより深く江戸時代の文学作品について考えてみたい方には、大学院(国文学専攻)への進学をお薦めします。

    大学院では、自分が関心を持つ作品や作家について、調査・考察したことを大学院ゼミで討議したり、論文にまとめて公表したりしながら、自身の研究の基礎固めをします。

    また、国語科教員(中学校・高校)や学芸員をめざす方には、それぞれの職種に必要とされる専門知識や専門的な技能を身につける場にもなっています。教員・学芸員ともに、博士前期課程(修士課程)修了している(教員であれば、「専修免許」を取得している)ことがその後の就職に結びつくということもあるようです。

    進学先として大正大学大学院(国文学専攻)を志望してくださる皆さんを大いに歓迎したいと思っております。

  • 准教授
    中川 祐治
    専⾨分野:
    日本語学、日本語教育

    研究キーワード

    • 副詞
    • 若者言葉
    • 新語
    • 地域日本語教育
    • 年少者日本語教育

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 副詞的な語彙に関する研究
    2. 若者言葉、新語、流行語に関する研究
    3. 地域日本語教育に関する研究
    4. 年少者日本語教育、外国につながる子どもの支援に関する研究

    担当授業科目

    言語文化論Ⅰ・Ⅱ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    日本語をウチとソトの二つの視点から見つめ、理論と実践を往還することで、メタ的、批判的な思考力や多様性を受容できる態度が育まれていくと思っています。テキストとフィールド、学問と社会を行き来することで、一人ひとりの学びを深めていってもらいたいと思います。

    大学院で共に、理論と実践を有機的に結びつけた日本語学・日本語教育の研究を深めていけることを期待しています。

  • 准教授
    古田 正幸
    専⾨分野:
    日本古典文学

    研究キーワード

    • 平安朝文学
    • 仮名文学
    • うつほ物語
    • 落窪物語
    • 源氏物語
    • 和歌
    • 私家集

    研究テーマ・領域テーマ

    1. 日本の平安朝における仮名文学の研究。語彙、用例からの帰納的な文学作品の解釈の検証を行っています。
    2. 平安朝の私家集における人物の研究。私家集の詞書に登場する人物の検証を行っています。
    3. 『源氏物語』を中心とした平安朝の作り物語における「引歌」の研究。物語作品が、本文中に先行する和歌を取り込む技法の検証を行っています。
    4. 平安朝の仮名文学を中心とした古典籍の調査研究。平安朝の仮名文学作品の伝本の調査を行っています。

    担当授業科目

    文芸特論Ⅱ

    受験⽣・学⽣へのメッセージ

    『源氏物語』をはじめとする、日本の平安朝の仮名の文学作品には、まだまだ多くの「謎」があります。何しろ1000年以上前のことですから、全てが解決出来る「謎」とは限りませんが、資料や作品そのものを丁寧に読んでいくことで、1つでも自分の考えで解決策が提示できたら、それは素晴らしいことだと考えています。

    その際、本や資料を読むことは一人でも出来ますが、出てきたアイディアを人に納得させる「論」に昇華させていくことは、なかなか一人ではできません。自分で見付けた「問い」を、私を含めた同じ研究分野を志す仲間と共に追究していくことは、大学院でしか出来ないものだと思います。

    大正大学大学院において、私と一緒に平安朝の文学作品を考えてくださる受験生、学生のみなさんを心待ちにしています。