文学部
歴史学科
文化財・
考古学コース

「モノ」から
歴史を考える

文化財や出土品をつぶさに見ていくと、 古代の人々のわざとこころ、 そして歴史の動きが見えてくることがあります。 これが文化財・考古学コースの醍醐味。 新発見の喜びと、歴史を理解する喜びを 実感できるはずです。

人々が遺した“モノ”を手がかりに過去の思想生活を推測する

学びの柱は「美術史」「考古学」「博物館学」

考古学と美術史の調査方法をはじめ、保存や博物館での活用についても学びます。

目で見て手で触れて歴史を学ぶ

実際に文化財を手に取って理解を深めるのが実習授業。大学周辺の多くの博物館で見学できることも大きな強みです。

フィールドワークを通して現地で学ぶ

日本列島各地の遺跡や文化財を見学するには、こちらから出かけて行く必要もあります。学外でのフィールドワークによって、研究を深めるとともに、社会における文化財活用についても学びます。

歴史とふれあい、理解を深め、未来につなげる4年間

  1. 「基礎ゼミナール」

    過去の人々が作り出したモノは、地下の遺跡から寺院の仏像まで、さまざまです。石器や土器、仏像や絵画から、原始・古代の文化や社会に思いをめぐらせます。教科書を読めば理解できる分野ではないため、博物館へも出かけます。

  2. 「考古学実習」

    測量や写真撮影などの基本的な技術を身につけ、器物の接合復元や土器の実測にも挑戦します。実際に調査をおこなっているゲスト講師を通じて、発掘現場で活かせる即戦力も磨きます。

  3. 「ゼミ」「卒論発表会」

    3年次からゼミ活動がスタート。興味を持ったテーマについて深く探究していく過程で、歴史的な価値の高い「モノ」を見極める目を養いながら、集大成となる卒業論文の執筆を進め、得られた知見を社会で活かす方法を探ります。

資格取得

博物館での実務経験のある教員が講義と実習を担当。学芸員の資格取得に役立つ専門性の高い科目を用意しています。

学芸員

考古調査士の資格も学部生のうちに取得可能。野外と室内双方の調査技術を身につけることで、学部卒でも専門職に就くことができます。

考古調査士

INTERVIEW

長谷川町子作品を通じて、「昭和」という激動の時代についても学べる展示を目指しています

私は大正大学では考古学を学び、学芸員資格を取りました。現在は、『サザエさん』でおなじみの「長谷川町子美術館」に学芸員として勤務し、企画展示を担当しています。考古学分野の展示と著作物の展示では必要な知識や手法が異なるからこそ、向上心と探求心を持って学ぶ姿勢が不可欠。これらが在学中に養われたことで今があります。

文化財・考古学コース 卒業生 梅澤 あき乃さん

文化財・考古学コースの目指すこと

人が遺したモノから思考や行動を推測し、未来に役立てる。その手がかりを探るのが、文化財・考古学コースです。とはいえ、単に文化財や考古学を学ぶだけではありません。私たちは、過去の人々が遺したモノを未来へ継承していく使命も担っています。特にこれからの時代は、文化遺産を活用した地域活性化の取り組みが重要です。そのときに求められる文化財の保存や活用の方法についても知識を深めることができます。過去と未来の両方に眼差しを向けながら、みなさんの存在価値を高めていきましょう。

カリキュラムの特徴

1年次に文化財や考古学に関する基礎知識を身につけ、日本や東アジア文化の概要を理解します。2年次は、博物館資料の基礎知識や美術史・考古学研究の専門的な内容を学び、3年次以降は専門分野について論理的思考によって結論を導く力を養います。4年次に創造的思考力を活かし、学びの集大成となる卒業論文を執筆します。

ピックアップ授業

基礎ゼミナール

日本列島の各地で栄えた個性豊かな古代文化を、考古学の初歩的な研究方法を用いて調査。「私の一推し遺跡」として、その歴史的・社会的背景や地域の独自性などを文章にまとめ、論理的に発表する力を養います。

美術工芸史概説

日本の美術工芸品について研究するための基礎づくりをおこないます。仏教美術の基本をゼロから学び、彫刻、絵画、工芸品といった多様な文化財を知り、その歴史や価値への理解を深めます。

考古学概説

考古学の定義や意義、目的、研究対象や研究史、研究方法の理解に重点を置きつつ、多様な遺跡や遺物の画像を交えながら考古学から見えてくる各時代の特徴についても学習します。

文化財保存科学研究

文化財の材質や製作年代、保存状態などに関する科学的調査方法や、保存管理・修復に関する基礎的な知識を修得。文化財を保存する意義を理解し、文化遺産を守り・活かし・未来に伝えための実践力を身につけます。

考古学実習

考古学研究の基本である遺跡発掘調査に必要な測量技術や、出土資料の特徴を整理・記録する方法の基礎を修得。発掘調査の意義や遺物観察の重要性などを、実技を通して学びます。

文化財特講

日本の文化財の資料的意義や文化財保護について、文化財に関する海外の課題や取り組みを学ぶことを通して、“外から”考えるための手がかりを修得。文化財をめぐる価値観の多様性を踏まえて、日本の文化財の価値や課題を再検討する力を身につけます。

期待される主な進路

  • 博物館・美術館・資料館などの学芸員
  • 文化財修復・調査関連
  • 教員、教育関連企業
  • 公務員(文化財保護行政)
  • 観光業・旅行会社、マスコミ、出版社などの関連企業
  • その他一般企業

文化財や遺跡などの調査・研究・保存を行う仕事のほか、文化を守り継承していくための職業に就く人もいます。それ以外の業界でも、さまざまなフィールドで卒業生が活躍しています。

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