文学部 人文学科 哲学・宗教文化コース
その当たり前は本当に当たり前?
自分には当たり前で平凡なことでも、他者には“宝”かもしれないのが世の中というもの。
その根底にある「哲学」や「宗教」による作用をさまざまな角度から読み解いていく複眼的な思考力を養います。
「哲学・宗教文化コース」がめざすこと
考え方は一つではないことを知る
価値観が多様化した現代社会では、何を大切にするかは人それぞれ。多様な考え方があって当然だからこそ、価値観の異なる他者と対話を重ね、複眼的な視野と新しい考えを導き出す大切さを理解します。
プレゼンテーションと意見交換を重視
ある授業では「人生とは何か」「幸福とは何か」について、学生が理由を示しながら“自論”を発表。ありのままの思いを発信し、意見交換をすることで相手の思いを知り、認め合う意識を高めます。
異文化理解にもつながる思考回路を身につける
多様な哲学や宗教文化を学ぶことで、「自分はなぜそう考えるのか」の根本的な要因を自覚し、自分とは異なる考え方の根拠が何であるかを理解することが理想。異文化理解にも不可欠な思考プロセスです。
哲学・宗教文化を深く知るための「学びの題材」
「神話」は、最古の哲学ともいわれる物語
神話は「世界と自分の関係」「自分とは何か」「正しさとは何か」など、その神話を生んだ民族の思想や文化の理解に有効。人生や幸福をどのように捉えてきたのかを紐解く大きな手がかりになります。
イスラーム生活文化と宗教学
宗教は人々の生活習慣や食文化とも関係が深く、例えばムスリムの人々にとっては飲酒や豚肉食は、言わば非合法。その実態を理解しておくことが、国際社会における人間関係の構築にも不可欠なのです。
哲学・宗教文化コースの目指すこと
哲学と宗教は、ともに人間存在の根源にアプローチする視点をもっています。様々な思想の歴史や体系に触れながら、「世界とは何か」「人間とは何か」といった普遍的なテーマに接近します。昨今は、情報化や科学技術の進歩によって従来では考えられない摩擦や分断が起きています。また国内外の社会のあり方も大きく変化しています。こうした諸問題に対応するために、西洋哲学・東洋哲学・諸宗教の叡智を学ぶとともに、現代思想や様々な宗教学理論、フィールドワーク、アーギュメントに取り組みます。
カリキュラムの特徴
建設的な議論の方法や説得的なプレゼンテーション、論文執筆の技法を修得するために、基礎ゼミならびに課題研究ゼミ、そのほかのゼミ形式の授業を1年次から4年次にわたって設けています。現代に生きる者の根源に関わる問題を取り上げ、グループワークなどを通じて双方向型の授業を展開します。そのなかで学問の基本的な方法、知識、課題を発見する思考法、そして、卒業後も続く意欲と関心を養います。
ピックアップ授業
基礎ゼミナールⅠ
「哲学とは何か」「なぜ自分は哲学に関心を持ったのか」「哲学は科学や宗教とどう違うのか」「哲学は何の役に立つのか」といった根源的な問いをテーマに議論を実施。個々が考えをまとめて発表する力を向上させます。
現代倫理学Ⅰ
生命倫理や環境倫理など、既存の宗教や思想では解決が難しい現代社会ならではの問題に焦点を絞り、望ましいアプローチ方法を導き出すために最低限必要な知識を身につけるほか、代表的な考え方を学習します。
宗教文化論
食事や衣服、行事、アニメや映画など、日頃から親しんでいる生活や文化に潜む宗教的な要素を探し出し、その成立背景や歴史的変遷を学習。「宗教」の捉え方を広げ、文化に関する固定観念を懐疑的に見る姿勢を養います。
宗教文化研究A
宗教文化に関わる調査研究の対象やフィールドを定め、調査項目を精査した上で実地調査に挑戦。得られたデータを分析し、報告書の作成やプレゼンテーションを行うまでの一連の作業プロセスを身につけます。
中国の哲学
儒教の宗教性や家族論を題材にして、儒教における「人間とは何か」「生きるとは何か」「幸せとは何か」を学習。物事を深い次元から整理して捉える力を養い、自分の人生観や生き方を見つめなおすきっかけをつくります。
いのちの倫理
「インフォームド・コンセント」や「QOL」といった概念を理解した上で、「臓器移植」や「出生前診断」「尊厳死」など、生命倫理に関わる問題への国別・文化圏別の対応を考察。生命観や死生観の歴史的な変化も学びます。
期待される主な進路
- 教員・教育産業
- 出版・編集業
- 観光業
- 観公務員
- 図書館員、博物館員
- ブライダル・冠婚葬祭業
- その他一般企業
進路選択に役立つ資格や教員免許状を取得できるよう教育課程を編成しています。