地域貢献・国際交流「まち」が大学になる、大学が「まち」になる
協定留学生ブログ ミュンヘン大学(ドイツ)から
日本人としてドイツで過ごしてきたことで得たこと
今回は日本人としてドイツで過ごしてきたことで得た「誰も自分のことなど気にしていなかった」という発見についてここに記したいと思います。ちょっと驚いてしまうかもしれませんが、悪しからず。
過去に私は人の目を気にしたり、相手にどう思われるかあれこれ不安に思ったりしてしたいこと、やりたいことがあっても行動できなかったことを悔やんだ経験がありました。
しかしドイツという人種も服装も言語も宗教も性の在り方も多様な個性あふれる環境に身を置いてから、ひとりひとりがその個人の世界観の中で人生を歩んでいることに気づくことができました。例えば現地でのマスク着用はつけたい人がつけるような感覚であったり、電車の中でローラースケートを履いたおじさんがいたり、ビール瓶を片手に談笑するグループや堂々と電話をする人たちを見かけたことでこのことから今まで日本にいた頃は迷惑だと思っていたことはすべて自分の偏見によって勝手に相手を決めつけていた状態にあったことに気づき、「他人の視線に対する不安」というのは自分の中での刷り込みによって生み出した幻想だったと考えるようになりました。
例えば「みんなと同じ社会のレールを歩まなくてはいけない、はみ出し者になってはいけない」といったような今まで日本で過ごしていた時に形成された凝り固まった固定観念を打ち砕くことができ、寧ろ自身とは違う価値観でも拒絶せず素直に飲み込める柔軟な思考を手に入れることができました。また、もし自分の心の声に素直に従って行動したことで相手に距離を置かれたり否定されたとしてもそこまでの関係だったのだなと開き直れるメンタルも手に入れることができました。
この今までの常識を打ち砕かれた経験は「自分が本当にやりたかったことは何なのか」という問いを自分の心に投げかけるきっかけになり、人生観を大きく変えさせてくれたありがたさを感じます。
(Yさん)