地域貢献・国際交流

深める地域との絆、広がる国際交流

協定留学生ブログ ミュンヘン大学(ドイツ)から

スフィンクス、オーロラ、サンタクロースを見に行きました

4月になり、コートを着ずに出かけられる日が増え、冬の終わりを感じます。

3月も春休みという機会を利用していくつかの国を訪れ、たくさんの新しい経験をしてきました。今月訪れた国は、イギリス、エジプト、フィンランドです。

イギリスは2泊3日でロンドンを訪れました。

イギリスはヨーロッパの中でも物価の高いイメージがあったのですが、ほとんどの美術館・博物館が入場無料のため、とても充実した観光を行うことができました。さらに、そのすべての美術館・博物館が世界的に有名な場所であり、展示内容も教科書やテレビで目にしたことのある作品ばかりでした。

私たちが訪れた美術館・博物館は大英博物館、ナショナルギャラリー、ロンドン自然史博物館などです。他にも行ったのですが、特に楽しめた美術館・博物館がこの3つです。

その中でも特に私が気に入った博物館がロンドン自然史博物館です。まず、大聖堂のような立派な建物に感動したのですが、入ってからがさらに感動的でした。ハリーポッターのホグワーツ城を感じさせるような内装に巨大なクジラの骨の標本が吊り下げられており、その迫力に圧倒されました。また、展示内容も生きているのではないかと疑ってしまう程リアルな生物の標本や、目がチカチカしてしまうほどの宝石の数々、そして私が大好きな恐竜の化石や骨、ロボットなど見どころがありすぎて、いい意味で見終わった後はとても疲れました。



また、ロンドンと言えばのバッキンガム宮殿、ビッグベン、タワーブリッジにも行きました。やはりロンドンを象徴する建物なだけあって、これらの建物を見たときにロンドンに来たなと実感しました。バッキンガム宮殿の屋根には国旗が掲げられており、王または女王が宮殿内にいる場合には旗が王室旗に変わるのですが、私が行ったときは国旗でした。

    

そして、私がもう一つロンドンで楽しみにしていたことはバンクシーの作品巡りです。バンクシーはイギリスを拠点とする素性不明のストリートアーティストなので、ロンドンではいくつかの作品を見ることができます。私はバンクシーの社会問題を絡めた考えさせられる絵が好きで、実物をこの目で見るのが夢だったので今回の旅で夢がかないました。ストリートアートは美術館に展示されているわけではなく、街中の壁に描かれているため宝探し感覚で作品巡りができ、アート鑑賞においてとても新鮮な感覚でした。また、それぞれの絵の意味を考えてみたり、調べてみたりしてバンクシーについてのみならずストリートアートへの知識も深まって、これが観光において実際に見て感じて知識が深まる瞬間なのだなと感じました。



そして、お昼ご飯はバラマーケット(Borough market)で食べました。ここは世界各国の料理を楽しむことができるマーケットで、現地の人と観光客が入り混じり祭りのようににぎわっていました。私はキノコリゾットを食べたのですがキノコが山のように入っていて、キノコ好きの私にはたまらない一品でした。



エジプトは2泊3日でカイロとギザを訪れました。

これまでヨーロッパ内ばかり周遊していて、初めてのアフリカ大陸上陸だったので、見るものすべてが新鮮で、今まで訪れたどこの国よりも刺激的な国でした。

まずエジプトに着いてビザを取りに行ったのですが、何の手続きもなしにただ25ドルを払って紙を受け取るだけだったので、とても拍子抜けしてしまいました。



そして、空港から外に出ると大量のタクシーの客引きに捕まりました。あまりの多さとしつこさに圧倒されて空港内にいったん戻ろうとしましたが、外に出ると再入場できないため、出る前にウーバーでタクシーを手配しておくべきだったと後悔しました。

行く前に治安の心配をしていましたが、客引きがとてもしつこいだけで、身の危険は感じませんでした。客引きの中には子供もいて、無邪気に駆け寄ってきて何かしら買わせようとしてきます。大人の客引きは無視をすればすぐに諦めてくれますが、子供の客引きは無視をしてもしつこくまとわりついてくるので一番厄介でした。

また、なんといっても交通ルールが面白いほどに無秩序でした。信号も一応あるのですが、だれ一人守っておらず、譲り合いのない交通ルールのためクラクションがずっと鳴り響いていました。しかし、車の量が多く、交通ルールが無秩序な割には意外と車の進みがスムーズだったので面白かったです。そして、私がウーバーに乗っていて一番衝撃的だったのは車同士が当たってもお互いに気にしないというところです。私の数少ない乗車の中でも2回ほど車のサイドミラーが当たっていましたが、窓越しの軽い謝罪で解決していて、日本人の感覚からすると衝撃的でした。元々2車線くらいの道を4台くらいの車が走っているのでサイドの幅があり得ない程に狭く、日常茶飯事なんだろうなと思いました。

また、車のルールが無秩序=歩行者はタイミングを見て道路を渡らなくてはならず、それが一番怖かったです。車の量の多さと歩行者を気にしないスピード感の中、身一つで渡る経験はスリリングでリズムゲームのようでした。

よく考えると、無秩序という点で言うとやはり治安はよくないのかもしれません。でも楽しめる程度の治安の悪さです。

そして一日目は、アズハル・モスクを訪れました。このモスクは、無料で入場することができ、女性は頭に巻くスカーフとスカートを貸してもらえます。私が行ったときはちょうどお祈りが行われており、終わるまで歩き回ってはいけないらしく、座っているように言われました。真っ白な美しいモスクの中でゆっくりと時間を過ごせてとても幸せでした。また、お祈りしている人々を実際に見ることのできるとても貴重な時間でした。

  

そして二日目は朝一でギザのピラミッドとスフィンクスを訪れました。生きている内に絶対に訪れたかった場所の一つだったので、巨大なピラミッドを目の前にしたときはとても感動しました。事前に調べたところラクダ乗りの客引きがしつこいと書いてあったので、覚悟して行ったのですが、正面入り口ではない方から入ったので客引きの数はとても少なかったです。その中でも私たちに声をかけてきた客引きが一人いて、元々ラクダには絶対に乗りたいと決めていたので値段交渉をし、納得のいく値段で2時間のツアーを組んでもらいました。とても愉快な人で英語でのガイドや写真撮影なども行ってくれました。また、ギザの三大ピラミッドにプラスして六つのピラミッドを同時に見れるスポットにも連れて行ってくれて、大満足のツアーでした。

    

 

そのあとは、エジプト考古学博物館に行きました。ここでは、古代エジプトの様々な出土品やミイラを見ることができますが、なんといっても目玉はツタンカーメンの黄金の仮面です。残念ながら仮面は撮影禁止だったのですが、エジプトに行ったからこそ見れたという、写真を撮れないからこその満足感もありました。実物はとてもきらびやかで装飾や彫刻の作りが細かく、これでもかというほど凝視してきました。

そのあとは、ムハンマド・アリーモスクに行きました。このモスクは天井にぶら下がる無数のランプが美しいことで有名で、一日目に訪れたアズハル・モスクよりも観光地感があり、入場料がかかりました。また、来場者もイスラム教徒よりも観光客のほうが多く、頭のスカーフも必要ありませんでした。モスク内は少し暗くなっていたため、お昼にもかかわらずランプの美しさが際立って、とてもきらびやかでした。そして、モスクの見学をし終わって外で景色を眺めながらボーとしていると、現地の中学生くらいの子たちに「写真を一緒にとってほしい」と声をかけられました。その子たちと写真を撮っていると、次から次に生徒たちがやってきて有名人になった気分でした。事前に調べた情報にもやたらと写真を求められると書いてあったので、アジア人と写真を撮るといいことがあるみたいなジンクスがあるのかもしれません。

  

 

そのあとは、ハンハリーリというエジプト雑貨を買うことのできる市場に行きました。この時はもう夜になっていたので、売り物のランプが光り輝き、どこを見てもキラキラしていてとても美しかったです。私たちはお土産を買うために、この市場を訪れたのですが、お店の人達は最初高い値段で売ってくるので値段交渉をしながら買い物をしました。最初は値段交渉をするのにとても緊張しましたが、最終的にはお店の人たちと交流しながら楽しく買い物をすることができました。




そして最後にエジプトの国民食「コシャリ」をテイクアウトして帰りました。コシャリはお米、マカロニ、スパゲッティを混ぜた炭水化物爆弾で、トマトソースがかかっている料理です。お酢とチリソースが付いてきてお好みで味を足すのですが、私はお酢たっぷりのコシャリが好みでした。



フィンランドではヘルシンキとロヴァニエミを訪れました。

この旅の最大の目的はオーロラを見ることだったので、オーロラの出現率が比較的高いロヴァニエミに行くことにしました。オーロラを見に行く場所としてスウェーデンのキルナとも迷ったのですが、ロヴァニエミはサンタクロースの公式の故郷ということもありフィンランドを選びました。

ミュンヘンからロヴァニエミへの直通の飛行機はないので、行きは飛行機でヘルシンキまで行き、ヘルシンキからロヴァニエミまでは電車を利用して行きました(帰りは飛行機を乗り継いで帰りました)。

そのため、電車の出発までの時間でヘルシンキを観光しました。まず、真っ白なヘルシンキ大聖堂を訪れ、そのあとフェリーに乗ってスオメンリンナ島に行きました。フェリーに乗って15分ほどで着く本当に小さい島で、1時間に1回しかフェリーが運航しないので、次のフェリーの時間まで島の中を散歩しました。3月後半に差し掛かっているのにもかかわらず、ヘルシンキはまだまだ寒く海が凍っていました。そのため、氷を割りながら進むフェリーに乗ることができました。その様子を見たいがためにフェリーのデッキに出て海を観察していたのですが、気温の低さと風の強さが相まって、とてつもなく寒かったです。また、こんなにも寒く、海も凍っているというのに水着で海に入っている人たちがたくさんいて衝撃的でした。海に入った後は、すぐ近くに設置されているサウナで温まっていて、さすがサウナ大国だと思うとともに、私には絶対にできないと思いました。



ロヴァニエミには次の日の朝に着いて、4日間滞在しました。オーロラが見れるかどうかは完全に運であり、3日以上滞在すれば見れる可能性が高いと知りホテルを予約しました。しかし、天気予報を見ると滞在期間中のほとんどが曇りだったので、あまり期待はしていませんでした。しかし、2日目の夜、外を散歩していると煙のような光がモヤモヤと表れ、小さなオーロラを見ることができました。



そして3日目はもう一つの目的である、サンタクロースに会いに行きました。ロヴァニエミにはサンタクロース村があり、そこではサンタクロースとお話したり、手紙を書いたり、トナカイのそりに乗ったりすることができます。

私は最初に村の郵便局に行き、未来の自分に向けて手紙を書きました。手紙を書き終わったらポストに投函するのですが、ポストは黄色と赤色に分かれています。黄色のポストは通常発送で、赤色のポストはクリスマスに届けてくれる仕様になっています。私は今年のクリスマスは日本に帰っているので、日本の住所を記入して赤色のポストに投函しました。日本で受け取るのがとても楽しみです。

  

 

そして、そのあと遂にサンタクロースに会いに行きました。まず、サンタクロースの部屋まで行ったら列ができていたので、そこに並びました。さすが世界中で愛されている存在なだけあって、世界各国の老若男女が列に並んでいました。順番が来てサンタクロースの部屋に入ると、私が想像していた通りのサンタクロースが座って出迎えてくれました。そのあとは、30秒~1分ほどお話をして、最後にエルフ(サンタさんをお手伝いしている妖精)が写真撮影をしてくれました。サンタさんに日本から来たことを伝えると、「もちろん毎年行っているよ」というサンタさんらしい答えが返ってきました。さらに、国名のみならず県名まで覚えているようで、関東出身であると言ったら関東の県名をすべて答えてくれました。また、最後には「はい、おっぱっぴー」とちょっと古めのギャグまで披露してくれました。

そして、楽しく話し終えて部屋を出ると、サンタさんとの写真を買うかどうかエルフに聞かれました。さっきまでサンタさんと夢のような時間を過ごしていたのに、急に現実に戻された気分でした。というのも、サンタさんとお話しするだけは無料なのですが、写真を購入するかどうかは個人の自由になります。また、自分のスマホやカメラでの撮影は禁止されているので、思い出を形に残したい場合は購入するしかありません。わざわざサンタさんに会いに、こんな僻地まで来たので思い出に買おうと思ったのですが、値段がとんでもなく高いのです。一番小さいサイズ(L判)の写真が30ユーロ(約4800円)、大きいサイズの写真が35ユーロ(約5600円)、さらにデータでほしいなら40ユーロ(6400円)と言われました(1ユーロ160円換算)。強気の値段設定すぎて正直ドン引きしましたが、悩んだ末に小さいサイズの写真を購入しました。プレゼントをくれるはずのサンタさんと金銭のやり取りをする日が来るなんて…ショックでした。

そのあとは、金銭感覚がバグってしまったので、これまた値段設定の狂っているトナカイのそりに乗りました。トナカイのかわいいお尻を眺めながら、美しい雪景色の中をゆったりと進んで行く時間はとても幸せでした。

  

今月も濃くてユニークな経験をたくさんすることができて、とても有意義な1か月でした。

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