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協定留学生ブログ ミュンヘン大学(ドイツ)から
残り2か月、卒業論文の制作に頭を悩ませています
学生から報告が届きました。
日本との生活のギャップを沢山紹介してくれています。ごみや満員電車に関する内容はとても興味深いですね。
卒業論文の制作も悩みに悩みぬいてください(国際担当T)
6月になり、留学生活も残すこと2か月となりました。
私は現在大学4年の代として留学に来ているので、卒業論文の制作に取り掛からなければならず、毎日頭を悩まされています。
5月からゼミの先生と、卒業論文の個人面談を週に1回のペースでZoomで行っているのですが、今月の成果はテーマ決めのみとなってしまいました。というのも、私はとても優柔不断で、本当に気になったことをテーマにしたいというこだわりの強さがあったので思いがけず多く時間がかかってしまいました。
テーマはやはり留学している経験を生かしたものがよかったので、ドイツと日本で比較できるものに焦点を当て、電車に乗っているときや街を歩いているときなどに、少しでも気になったことはメモを取るようにしていました。
しかし、こっちに来て9か月も過ごすとドイツの生活に慣れてしまい、日本との違いを比較したくても、逆に「日本ってどんなだったっけ」と日本の日常風景が思い出せず、新鮮な比較を見つけるのにとても苦労しました。
今回はメモの中のいくつかを紹介出来たら面白いかなと思ったので、共有したいと思います。
一つ目はペット(犬)との共存レベルが高いということです。
ドイツではペット立ち入り禁止の場所のほうが少なく、空港、電車、バスなどはもちろん、カフェやショッピングモールなどにも入店することができます。また、これが普通のこととして受け入れられているのにも納得がいくほど、どの犬もお利口で落ち着いています。また、ドイツではノーリードが許されており公園などを散歩している犬はほとんどリードをしていません。しかし犬たちは、他の人に近寄らない、吠えない、呼ばれたらすぐに戻ってくるなど、ちゃんとしつけられています。
それもそのはず、ドイツではペットに対しての法律がしっかりと定められており、ペットの権利がきちんと守られています。そのため、国民のペットを飼うことに対しての責任感が強く、犬を飼う場合はHundschuleという犬の学校に行くのが、一般的だそうです。
二つ目は、電車事情です。
まず、ドイツでは満員電車ということがありません。厳密にいえば、電車が大幅に遅延したときや大きなイベントが開催されるときなどに電車が混むことはありますが、たいていの場合は座る場所を選べるほど空いています。
ドイツ人は満員電車に慣れていないため、詰めるのが下手というか、後から乗ってくる人のために詰めてあげるという概念がありません。そのため、電車の真ん中のほうはびっくりするほど余裕があるのにドア付近はギュウギュウという状況が発生してしまいます。
また、混んでいる電車を見ると乗るのをあきらめて、次の電車を待つ人も多く、日本人の何としてもこの電車に乗ってやるという気合はドイツ人にありません。ドイツはヨーロッパの中では時間にきっちりとしている人が多い印象ですが、日本ほど仕事・学校に遅れてしまうことに対して気負いはないように感じます。
さらに、ドイツでは電車がよく遅れるのですが、日本のように遅れた原因を明確に放送しません。本当に何が起こっているのかはわかりませんが、止まる理由はいつもテクニカルトラブルです。
「テクニカルトラブルが起こりました。少々お待ちください。」という放送と共に少々とは言えないほどの時間待たされることもざらです。
しかし、この時間に捕らわれていない余裕の在り方が私は嫌いではありません(たまに本当に困りますが)。つい最近ヨーロッパではEuro 2024という大きなサッカーの大会が始まったのですが、さすがサッカー大国というだけあって珍しく日本を思い出すような満員電車に遭遇しました。その際はテクニカルトラブルが二回も発生し「この電車はもう動きません。後ろの電車に移動してください。」と言われ、人だけでなく電車も満員電車に対応していないのかと驚きました。
それから、ドイツの電車では寝る人が一人もいません。日本では電車=寝る場所なのではないかと思えるくらい寝ている人が多いですが、ドイツでは本当に一人も寝ていません(さすがに新幹線のような長距離列車では寝ている人もいますが)。では、ドイツの電車は寝れない程に危険なのかと言われたら、別にそんなこともありません。そもそも日本の様に電車の中で睡眠をとるという方が珍しい気がします。
三つ目はゴミ箱が至る所にあるということです。
いつだれがどのように回収するのか不思議になるほどゴミ箱が大量に設置されています。そのため、ゴミを自分が持っていたとしても一分以上手元に持っていることはほぼありません。
また、それらのゴミ箱をあさっている人の多さにいつも衝撃を受けます。というのも、ドイツはエコ精神の強い国であり、ペットボトルやビンなどを買う際は容器代として25セント(約40円)上乗せされており、専用の機械に返すとその分のお金が返ってきます。そのため、ごみ箱に捨てられている容器を集めるだけで小遣い稼ぎができてしまうのです。日本出身の私から見ると、ごみ箱に手を突っ込んであさっている姿は、衝撃的すぎて毎回ギョッとしてしまうのですが、その様子をまったく気にしていないドイツ人たちにも驚いてしまいます。
四つ目はスーツを着ている人がいないということです。
この事実に気付いたのはこっちに来てから結構経った頃だったのですが、ミュンヘンの街中で日本から出張で来たであろう男性がスーツを着ていて、異彩を放っていたので気付きました。
ドイツ人は機能性重視の服装を好むため、スーツのようなカッチリした服を着ている人は一人もおらず、久々にスーツを着ている人を見て、驚きました。日本ではスーツを着ている人が大多数過ぎて何も感じていませんでしたが、久しぶりにドイツでスーツを着ている人を見ると、珍しすぎてすごく目立っているように見えました。私は日本人のスーツを着てマニュアル通りの髪型に揃えている様(特に就活時)が、日本の同調圧力的な部分の縮図のようで好きではなかったので、ドイツの服文化をうらやましく思う瞬間でもありました(服を選ばなくてもいいという点ではスーツの利点もあると思います)。
ちなみにドイツ人はオシャレに無頓着な人が多く、外に出るときは着飾ろうというような同調圧力もありません。ただただ着心地の良い服を着ている人が多いです。それと、制服を着ている学生も見たことがありません。
五つ目は歩行者の信号無視は当たり前ということです。
信号は車が走っているときのみ有効なもので、車が走っていない時はほとんど機能しません。警察が横にいようと渡っても問題ありません。むしろ、待っていたら何してんだろうと不思議そうな顔で見られるくらいです。
卒業論文に関わらず日本との違いを見つけるのはとても楽しいので、これからも気づいたことがあったらメモに残す癖をつけたいなと思います。
今月のブログは写真が一枚もないので、最後に5月に行った場所の写真を乗せたいと思います。
(R.S)