地域貢献・国際交流「まち」が大学になる、大学が「まち」になる
協定留学生ブログ ミュンヘン大学(ドイツ)から
6月が終わり、留学生活も残り1か月となりました
ドイツから様々な国へ出かけ、自分の目で様々な景色を見てきたようです。
「観光地価格」はどこにでもあるものなのですね(国際担当T)
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6月はクロアチアのドゥブロブニク、フランスのパリ、ギリシャのサントリーニ島に行ってきました。
ドゥブロブニクにはバスで行ったのですが、クロアチアの南に位置しているため片道17時間越えのバス旅でした。
行きはクロアチアの首都ザグレブで乗り換えをし、帰りはスロベニアの首都リュブリャナで乗り換えをしたので、意図せず3都市を楽しむことができました。
この旅のメインであるドゥブロブニクはジブリ作品「魔女の宅急便」に出てくる街並みによく似ていることで知られていたため、気になって訪れることを決めました(ジブリ好きにももちろん大人気の観光地ですが、中世から残る街並みと、アドリア海の美しさから世界中で人気を集めている観光地です)。着いてからケーブルカーでスルジ山の上まで登りドゥブロブニクの旧市街を眺めると、映画から街並みが飛び出してきたのかと思えるほど美しい景色が広がっていました。
天候にも恵まれ、雲ひとつない空と真っ青の海、そしてオレンジ屋根の街並みという贅沢なコラボレーションに目を奪われ、時間を忘れて景色を眺めてしまいました。また、主人公のキキを連想させる黒いワンピースと赤い髪留めを着けて訪れたため、主人公気分で自分も空を飛べるような気がしました。
さらに、街ではたくさんの猫たちが気持ちよさそうに昼寝をしていて、キキの相棒である黒猫のジジを無意識に探している自分がいました。上から見た町も美しいですが、山を下って旧市街に足を踏み入れると、中世の街並みがそのまま残っており、また違った魅力を見ることができました。
まず、旧市街の城壁入り口から街に入ると、プラツァ通りという大きな道が通っていて、その道にはお土産屋さんやレストラン、カフェ、ジェラート屋さんなどが店を連ねています。そして、この日は夏の快晴日ということもあって、とても暑かったので私は吸い込まれるようにジェラート屋さんに入ってマンゴーと青リンゴのジェラートを購入してしまいました。ヨーロッパのジェラート屋さんは基本的にどこもおいしくて、ハズレはないのですが、観光地に面していて観光客が一番ジェラートを欲しがりそうな場所にあるお店は少し割高です。少し我慢して奥まで入ると美味しいジェラートを値段を抑えて購入できるのですが、暑くて余裕のない私はまんまとカモになってしまいました。しかし、クオリティーは高く暑さを吹き飛ばす冷たさだったので後悔はありません。
また、街自体はとても小さいのですが、小道が多くすべてを見て回るには一日では足りない程たくさんの道が入り組んでいました。そのため、道の数に比例するように小さな発見もたくさんあって、楽しく周ることができました。発見の1つとして小さな教会があったのですが、暑くて休憩したいときに見つけた教会だったので入ってみたのですが、外とは違って静かでひんやりとしていたので少し眠ってしまいました。
体力が復活して、旧市街から外に出て海を見に行くと上から見た真っ青な海とは違い、透き通った海を見ることができました。海には魚が泳いでおり塩の匂いがして、しみじみと海が好きだなぁと感じました。海が見えるレストランに生牡蠣が売られており、食べてみようかと悩んだのですが、さすがにおなかを壊すのが怖くて食べれませんでした。
最後に旧市街を囲む城壁を一週周ることにしました。城壁を一周するのは1時間ほどかかり、海と旧市街を様々な角度から楽しむことができました。クロアチアは知人におすすめされて、期待値がとても高い状態で訪れたのですが、それを上回る魅力がたくさん詰まっていました。また、クロアチアはEUの国ではないためネットがつながらず(私のSIMはドイツで契約してEU圏内はネットが使えるもの)、グーグルマップのオフライン位置情報だけを頼りに回ったので、どこに何があるかシークレット感が強い旅だったので、さらにワクワクできた旅でした。
フランスのパリはオリンピックまで残り1か月ということもあり、オリンピック色を所々で感じました。
パリの代名詞ともいえるエッフェル塔には五輪マークが設置されており、少し贅沢なエッフェル塔を見ることができました。また、ブルボン宮殿には各競技のアイテムを持ちポーズを取っているカラフルな彫刻が並んでおり、オリンピックならではのパリを楽しむことができました。
しかし、うれしい影響の一方でエッフェル塔を見ながらピクニックができるシャンドマルス公園がテニスコート設立のために閉鎖されていたり、セーヌ川を渡る橋の一部が通行止めになっていたりと工事の影響も大きかったです。
そして、パリでは3つの美術館とサントシャペルというステンドクラスで有名な礼拝堂に行きました。これらは何とヨーロッパの学生であれば無料で入場することができ、ドイツの交換留学生という立場をしっかり利用してきました。三つの美術館はルーヴル美術館、オランジュリー美術館、オルセー美術館で、どの美術館にも美術作品の知識が浅い私でも知っているような作品が多く展示されており、さすが芸術の都だと思いました。
ルーヴル美術館は広すぎたので、本命の『モナリザ』と『ミロのヴィーナス』『ニケ』を観て出てしまいました。モナリザは意外と小さいうえに見物者が多すぎてじっくり観ることができず、感動している暇もありませんでした。モナリザの前には見物者を移動させるセキュリティーがいるため、ただただモナリザの前に立っているという実感だけして、移動させられてしまいました。
感動した作品は『ニケ』です。『ニケ』は立っている位置が大きな階段の2階の踊り場であり、下からも横からも上からも見える場所に立っています。思っていたより大きく、羽を広げている姿はとても迫力があり、顔がないミステリアスさにも惹かれました。そして、サントシャペルはステンドグラスがカラフルで小さいガラスを組み合わせて制作されているので、いい意味で目がチカチカする美しさでした。また、礼拝堂の大きさに対してステンドグラスが占める割合が高く、とても神秘的な部屋でした。
最後に、念願のエッフェル塔が1時間ごとに光り輝く、シャンパンフラッシュを見ることができて大満足でした。
ギリシャのサントリーニ島は高校性の時に地理の教科書で見て以来、絶対に行ってみたい場所でした。
しかし、単刀直入に言うとサントリーニ島は期待値が高すぎて、期待を上回る感動はありませんでした。というのも私が観光地に求める魅力というのが「たくさんすること・見るものがある」なのですが、サントリーニ島は完全にリラクゼーションを目的とするリゾート地だったため、私にははまりませんでした。ただ、すべてが白い建物と青い海のコラボレーションは教科書で見たままの景色で、夢がかなった幸福感は大きかったです。
この日も運よく快晴だったため気温が高く、喉が渇いていたのでカフェを探していました。私は優柔不断な性格なので、カフェに入るにも事前に口コミやメニュー、価格などを調べてから決めるのですが、この時は暑すぎて「たまには直感で入ってみよう」と決心して、海がきれいに見えるカフェに入ってみました。
海が一番きれいに見えるソファー席に座って、メニューを見てみると、なんと飲み物一杯で15ユーロ(当時1ユーロ170円のレートで2550円)もする高級店でした。ギョッとしましたが、入ってしまったものはしょうがないと思いスムージーを頼んだのですが、味は平均以下ぐらいで完全にロケーション代でした。海がきれいに見える席だったのと、暑くてバテていた、そして店を出てもすることがないということで、存分にそのロケーションを楽しみました。ちなみに、海が見えない場所に売っているスムージーは6ユーロ(1020円)でした。
ゆっくりして、もう一度街歩きに繰り出そうと重い腰を上げて歩き始めたのですが、サントリーニ島は傾斜の多い島なので急な階段が多く、さらにロバタクシーが歩いているため行く道々が臭くて、あまりいい思い出がありませんでした。しかし、このような経験も行かなければわからないことで、帰ってきた今は良い経験だったなと思います。
また、サントリーニ島からは飛行機でイタリアのミラノまで行き、ミラノからはバスで帰ってきました。ミラノは一度行ってみたかった場所なのでこのような帰り方にしたのですが、私が行った日にちょうど交通機関のデモが行われていました。ドイツもデモは多いのですが、電車が遅れる、または電車の数が少なくなるだけで移動ができないということはありません。しかし、イタリアのデモは完全に電車が動かない、そもそも駅が封鎖されているという徹底ぶりで、私はミラノ中央駅から中心の観光地までの40分と、バスの出発地点までの1時間半を徒歩で移動する必要がありました。飛行機からバスまでの時間に余裕をもっていたため間に合いましたが、もしギリギリに設定していたらと思うとぞっとします。
来月が留学生活最後の月になるので、後悔のないように過ごしたいと思います。
(R.S)