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ラーニングコモンズのブログ
【開催レポート】第6回知的書評合戦ビブリオバトルを開催しました
▲今回のバトラーはこの7名!
次に登場したバトラーは人文学科のひふみさん。紹介する本は『コクリコ坂から』です。この作品は、スタジオジブリによってアニメ化もされています。ひふみさんは、原作とアニメ版との違いを丁寧に比較してくださいました。「原作ではどちらかというと露骨に表現されている主人公の心情が、アニメ版では健気で真面目なものとして表現されている」という指摘がとても興味深かったです。ひふみさんは、この本をお母さんにすすめたいと思ったそうです。
三番目に登場したバトラーは、アーバン福祉学科のひろさんです。紹介本は『葉っぱのフレディ』。この本は、「命」そして「死」をテーマに、一枚の葉っぱとして生まれたフィレディが、やがて土に還るまでの一生を描いた絵本だそうです。ひろさんの印象に残ったのは、死を恐れるフレディに友人のダニエルが聞かせたセリフ「変化するのは自然なこと、死んでも命は永遠に生き続ける」だそうです。ひろさんは、この本を読むことで子どもたちに「命」というものを教えていきたい、そしてみんなで「命」を語り合いたいと仰っていました。
四番目に登場したバトラーは図書館職員の鴨下さんです。初参戦の鴨下さんが紹介するのは『白い魔術師』に収録されている「サン・ジェルマン伯爵考」。「死を欺いた男」といわれるサン・ジェルマン伯爵をめぐる不思議な物語だそうです。父の遺言に従って帝国ホテルに出向いた主人公は、果たしてそこで何と出会うのか?幼いころから「死」が怖かったという鴨下さんは、この短編を読んで少しだけ人生観が変わったとのこと。鴨下さんの不老不死の願い、叶うといいですね!
五番目に登場したのは、仏教学科の小池さんです。紹介する本は『アタックNo.1』。さきほどひふみさんが紹介してくださったコクリコ坂より、さらに古い少女漫画です。転校生の鮎原こずえが、問題を抱えたバレーボール部に入部し、さまざまな問題を解決するというストーリーだそうです。小池さんは、主人公の鮎原こずえを「風雲児・織田信長」に例えていました。また、平成の世では大問題になるに違いないスポ根描写にも要注目!とのこと。ちなみに、小池さんはこの本をご両親にすすめたいそうです。
六番目に登場したバトラーは、アーバン福祉学科の川端さんです。紹介する本は『それ、どこで覚えたの?』。親たちがtwitterにつぶやいた、子どもの不思議な言葉を取り上げた本とのこと。中でも、川端さんの印象に残ったのは、決して「キライ」という言葉を使わないという子どもの話だそうです。「自分は相手のことを全部は知らないのに『キライ』だなんて言えないよ」だそうですが、確かに子どもが発したとは思えないほど深い言葉ですよね。この本には、他にもさまざまなセリフが収録されており、子どもの無邪気さと残酷さの両方を味わえるそうです。
そして最後に登場したバトラーは、表現文化学科のゆうくんです。ビブリオバトル初参加のゆうくんが紹介するのは『僕の死に方 – エンディングダイアリ-500日』。流通ジャーナリストである著者が、余命宣告を受けてから亡くなるまでを描いた本だそうです。ゆうくんも、この本を通じて「死ぬとは何か」について深く考えさせられたと言います。そして、もしも自分が余命宣告をされたら、周囲の人に感謝の気持ちを伝えたいと感じたそうです。そんな中、質疑応答で「ゆうくんが死ぬ前に食べたいものは何?」と聞かれて、「フライドポテトですね!」と答える姿が印象的なゆうくんでした。
以上が今回の紹介本です。
投票の結果、チャンプ本に選ばれたのは・・・・・・ひろさんが紹介してくださった『葉っぱのフレディ』に決定しました!おめでとうございます~!!!
今回のビブリオバトルで「家族にすすめたい本」というテーマを設定したところ、興味深いことにバトラーのみなさんは多かれ少なかれ「生」や「死」について考えたようです。
生と死を題材に扱った『葉っぱのフレディ』が今回のチャンプ本に選ばれたのも、参加者のみなさんのそんな気持ちが反映されたからかもしれませんね。
▲ひろさんとフレディ
それでは、勝利者のひろさんへインタビューです。
葉っぱに生と死について教えられるとは・・・って感じながら読んでいます。
なお、大学は翌日の7/25(木)から夏休みに入ります。つまり、次回が今学期最後のビブリオバトルとなります。この機会に、初めての方もぜひご参加ください。
それでは ヾ(*'▽'*)o