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ラーニングコモンズのブログ
評論系同人誌・ミニコミ誌の世界 第3回 卒論にも使える!?ミニコミ誌の「テーマの作り方」
みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。
6/11(水)は、寺山賢照先生によるラーニングコモンズレファレンスが開催されました。
テーマは「評論系同人誌・ミニコミ誌の世界 第3回 卒論にも使える!?ミニコミ誌の『テーマの作り方』」です。
▲「評論系同人誌・ミニコミ誌の世界」シリーズは
早くも第三回目を迎えました。
これまでの寺山先生のラーニングコモンズレファレンスでは、評論系同人誌・ミニコミ誌とレポート・論文の書き方との関連性を学んできました。今回は「テーマの作り方」に迫ります。
まず、読んでおもしろい、鑑賞に堪えうる評論系同人誌・ミニコミ誌には、以下の特徴がある、と寺山先生は説明します。
- 取り扱うテーマの明確さ・独創性・緊急性
- 資料の妥当性
- 十分な考察
- 読みやすさと正しさを備えた書式
そしてこれは即ち、優れた論文・レポートの特徴と一致するものだといいます。中でも文章の「ゴール」を決定する「テーマ」づくりが最重要と説かれます。
▲評論系同人誌・ミニコミ誌はそれぞれに「テーマ」を持っています。
次に「テーマの作り方」を、卒論を例に説明されました。寺山先生は、テーマ作りに必要なものは「興味」「疑問に対する追求」「執筆可能な絞り込み」の三点だと指摘します。
その上で、「ぼんやりとした疑問(興味関心)」を「具体的な問題(題目・目次・構成)」に絞り込むことをまず行うべきと主張します。
テーマが決まらないときには、先輩の書いた論文や、指導教授との相談(「何を書きましょうか」ではダメで、下調べが重要だそうです)、さまざまな発想法(ブレインストーミング、マインドマップ等)を通じて考え抜くことが大切といいます。
そして先行研究との「連続性」と先行研究にない「独自性」を兼ね備えた「自分だけの立ち位置」を表明できるようにしよう、と提案されました。
続いて情報収集や整理方法として、大正大学OPACや学外データベース(CiNii、MAGAZINE PLUS、INBUDSなど)の紹介がなされました。その際、Web検索の結果を過信しないで、基本資料の精読やノート作成などの「理解と考察を深めるあり方」が重要だと述べられました。
▲自分なりの「組み合わせ」を見つけよう!
最後にお待ちかねの読書会タイム。今回寺山先生は「旅行」を大テーマとして、様々な種類の同人誌・ミニコミ誌を持ち込みされました。
例えば・・・
- 夜の東京湾岸を夜景を見ながら散歩する「東京よるさんぽ」の本
- バスの行き先表示を完全網羅した「行き先方向幕」の本
- 鉄道系の資格「時刻表検定」の自作模擬試験問題集
- 全国の鉄道路線完全乗車に飽き足らず、「全駅下車」を目指す鉄道マニアの旅行記
- 時刻表に載っていないミニミニ鉄道「遊覧鉄道」だけを特集した本
- 東京みやげを擬人化したイラスト解説本
などなど
「旅行」というひとつの大きなテーマから、数多くの細かいジャンルが生まれていること、独創的なテーマから興味深い本が生まれてくることが、これらのラインナップを見るとわかると思います。
次回の寺山先生によるラーニングコモンズは、「テーマ作り 実践編」として、「しりとり法」「マインドマップ」等、テーマが次々わいてくるトレーニングを参加者のみなさんと「発想法」を実践してみたいと思います。ブログ読者のみなさん、お友達を誘って是非参加してみてください。もちろん次回も、評論系同人誌・ミニコミ誌の読書会タイムを行いますよ。
開催日は 6/26(木)14:50~16:50 です。ふるってご参加ください!