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「江戸時代の本を楽しむ~昔の日本人が考えていたことを知る~」ゲスト:三浦周氏

こんにちは、図書館の須藤です。

6/20(金)は、西洋哲学がご専門の松野智章先生によるラーニングコモンズレファレンスが開催されました。テーマは「江戸時代の本を楽しむ~昔の日本人が考えていたことを知る~」です。

今回はゲストに、綜合仏教研究所・研究員の三浦周氏をお迎えし、和本とその面白さについて教えていただきました。

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▲左、松野先生、右、三浦氏

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▲和本、読んだことありますか?

最初に和本について三浦氏に教えていただきました。

一般的な和本の理解は、「有史以来、明治の初までに書かれたか、印刷された書物の総称」(橋口候之介『和本入門』平凡社、2005年)を指すとのこと。手書きの和綴じ本もあれば、木版で刷られた印刷物も和本のカテゴリーに入るそうです。

まず、三浦氏に和本の装丁、サイズ・かたち、印刷形態、和本の種類について教えていただきました。西洋との違いとして日本では活版印刷(古活字版)は日本では文字数が多いためにあまり使用されなかったそうです。西洋では25文字のアルファベットの組み合わせですみますが、日本語は、ひらがな・カタカタ・漢字と文字の量が膨大になるので、それなら木版の方が良いということだったそうです。

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次に、話は江戸時代の和本の話になりました。筆者もはじめ参加した学生も驚いたのですが、なんと江戸時代には既に、ニュートン天文学ついて書かれた本も読まれていたそうです。また、松野先生には国学者の宇宙観などもご紹介いただきました。『古事記伝』の付録として出版された服部中庸の「三大考」を取りあげ、そこには、「地球がヒョウタンみたいな形になり、地球の上下から分裂してできたのが太陽と月だと書かれています」と今日からみると信じられない説明がなされていて、当時に人々の想像力が伝わってきます。また、当時の論争は、手紙などの往復書簡でなされ、まとまったものが出版されており、その文面は、まるで2chの討論のようでもあり、堅苦しさなどまったくなく、当時の論客の素の意見を知ることが出来ました。

当時の和本を読むと、昔の日本人がどのような知恵を絞って物事を考えていたのか、よくわかりますね。

本というものは彫刻と同じで、和本も実際に手にとって見てみることが大事だそうです。三浦氏がお持ちになった和本も筆者も手に取ってみてみたのですが、取っつき難かった和書に興味が持てました。三浦氏によると和書の購入は、古本屋の町で有名な神田の古書店街が一番よいとのことで、簡単に手に入れることができ、安いものでは一回の食事代程度の値段で手に入るそうです。松野先生・三浦氏ともに、和本は「最初はとっつきにくいが慣れると読みやすい」「もっと身近に読んでほしい」とおっしゃっていました。

最後には、松野先生が学生のレポート指導もしてくださいました。

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次回の松野先生によるラーニングコモンズレファレンスは7/18(金)14:50~16:50を予定しています。テーマは「著作権」にまつわるお話です。どうぞお楽しみに。

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