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ラーニングコモンズのブログ
交渉と決断III
みなさんこんにちは。図書館の藤田です。
夏本番といったところですが、いかがお過ごしでしょうか。
7/25(金)は、松野智章先生によるラーニングコモンズレファレンス(以下、LCR)が開催されました。今回は、過去2回のLCRにて行われ大好評のボードゲーム「Diplomacy(ディプロマシー)」です。夏季休業期間にも関わらず、8名がプレイヤーとして参加してくれました。
これまで実施された「Diplomacy(ディプロマシー)」の様子はこちら
→「交渉と決断I」
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→「交渉と決断II」
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▲松野先生ご寄贈の「Diplomacy(ディプロマシー)」アバロンヒル誕生50周年記念版。
一部、松野先生お手製のコマも入っています。
松野先生のルール説明後、あみだくじで自国(イギリス、ドイツ、ロシア、トルコ、オーストリア・ハンガリー、イタリア、フランス)を決定しゲームスタート!
プレイヤーは名前で呼ばれることはなく国名で呼ばれます。一国の主として、自国存続のために領土を広げていかなければなりません。そのために行うのが「交渉」。交渉をし、同盟を結び、協力しながら国力を上げていくのです。
▲「これ怖いな…」「みんなが何を思っているか分からない」「全然戦略が立たない!」
たくさんの声が飛び交います。
最初はみなさん、ボードの地図をじっとにらめっこしているだけでしたが、そのうち「イギリスさん、ちょっと」などと声を掛け合い、部屋の隅に散って行って外交活動(密談)を始めていきます。今回、松野先生を含む3人がアドバイザーとして中立な立場でプレイヤーを支援しています。
どのように攻めるか、各国の状況によって戦術は異なります。ポイントは「ギブ&テイク」。決して一方的ではなく「あなたがこうするなら私はこうしましょう」と提案していきます。
地図を見ながら真剣に考えている様子は、将棋の対局のようでもあります。
▲密談中。何を話しているのでしょうか…?
交渉を終えたら、自国の軍をどう動かすか命令書を記入します。命令書では外交活動の約束事を書く必要はありません。交渉では色々な国とお互いのメリットを提案しつつ、命令書では一瞬の隙を狙うのです。信頼を獲得しながら領土を広げるのがこのゲームの難しいところです。
そして命令書の開示。全てのコマが一斉に動きます。各軍が動いた様子はビリヤードのボールが全部散ったときのようです。運の要素は全く無いため、交渉の技術が問われます。
▲各国の動向。予測できない動きに「そう来たか!」
驚きとざわめきが。
その結果を受け、半年後に向けた自分の戦術を立て直します。相手6カ国がどのような動きをするか探り、予測しながら、いかに自国を有利に進めていくか、頭をフル回転させなければなりません。意外な国との同盟や、裏切り…国際政治として決断を迫られる様に、見ている私も引きずりこまれます。
戦局が動いたのは、1914年秋。ここで軍隊を増やしていく国もあれば、減らしてしまう国も…。あきらめない粘り強い交渉で、国の存続を図る長期的な視点が必要になってきます。
▲1915年春、3カ国間協議の様子。
お互い「Win-Win」の関係を築こうと考えているところです。
LCRとしては15時まででしたが、引き続き16時までのプレイの結果、今回はロシアが勝利しました!なお、ゲーム時間が長くなれば、戦局はまた変わってくるとのことです。
「Diplomacy(ディプロマシー)」はヨーロッパの覇権を争うボードゲームとして広まっていますが、単なるボードゲームとしてのみではなく、チームの意見統一、コンセプト決定、適切な交渉、といった経営学の実践訓練としてもこのゲームは使われているそうです。
そして嬉しいお知らせが!LCR開催以外でも、7人揃えば「Diplomacy(ディプロマシー)」をプレイできるようになりました!ラーニングコモンズでゲームを保管していますので、コンシェルジュにお申し出ください。
なお、松野先生の春学期LCRは今回が最終回となりました。
※記事を公開する順番が前後してしまいましたが、7/18(金)に開催された松野先生のLCRの様子は追ってこのブログでご報告させていただきます。今しばらくお待ちください。
秋学期のLCRにつきましては、決まり次第お伝えします。多くの皆さんのご参加をお待ちしています^^