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ラーニングコモンズのブログ
【開催レポート】特別開催!オープンキャンパスで知的書評合戦ビブリオバトル テーマ「旅」
みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。
8/23(土)は大正大学オープンキャンパスの一環として、在学生と受験生とを交えて知的書評合戦ビブリオバトルを行いました。このような形態で開催する知的書評合戦ビブリオバトルは、7/27(日)に引き続き二度目となります。
※7/27(日)のオープンキャンパスで開催した知的書評合戦ビブリオバトルの様子はこちら→
【開催レポート】特別開催!オープンキャンパスで知的書評合戦ビブリオバトル~第1ゲーム~/wp/wp-content/uploads/learning_commons/2014/07/31-093639.html
【開催レポート】特別開催!オープンキャンパスで知的書評合戦ビブリオバトル~第2ゲーム~/wp/wp-content/uploads/learning_commons/2014/08/06-100543.html
▲今回もたくさんの人にお越しいただきました。
ゲームを開催するにあたって事前に大正大学の公式サイト等を通じて参加者を募集したところ、2名の受験生と2名の在学生の合計4名がバトラーとして名乗りを上げてくれました。
今回の知的書評合戦ビブリオバトルのテーマは「旅」。それでは、どんな本が紹介されたのかさっそくご紹介しましょう。
書名:Are you Alice? 〈1〉
著者:片桐いくみ/二宮愛
出版社:一迅社
最初に登場したのは、「本を読むのは旅をするようなもの」という在学生のななピヨさんです。紹介する本は『Are you Alice? 〈1〉』というコミック。このお話の主人公は「不思議の国」に迷い込んだ少年です。彼はこの国で「アリス」呼ばれ、「白ウサギ」が仕掛けるゲームに巻き込まれてしまいます。はたして「白ウサギ」の目的とは・・・・・・?この本は、もともとはCDドラマとしてリリースされたものを漫画化した作品なのだそうです。ななピヨさんはこの本を読んで「小説を書く人はその世界の主であり、登場人物は作者の思う通りにしか動けないのだな」ということを考えたそうです。クリエイティブライティングコースに所属するななピヨさんらしい感想ですね。ぜひ、今後のご自分の作品作りにも繋げてください。
書名:すみっコぐらし – ここがおちつくんです
著者:よこみぞゆり
出版社:主婦と生活社
二番目に登場したのは、在学生のタカムーさんです。タカムーさんは今回のテーマ「旅」について、まずはこんな風に考えたといいます。「旅とは、何かしらの変化があること。すなわち、大学生活もまた旅です」。しかし、ここで終わらないのがタカムーさんらしいところです。「ところで本当に『成長』や『変化』だけが大切なことでしょうか?実は、『そのままでいること』も、同じぐらい大切なのではないですか?」。というわけで、タカムーさんが紹介する本は『すみっコぐらし – ここがおちつくんです』というコミックです。この本には、すみっこが好きなキャラクターたちがほのぼのと、時にシニカルに活躍する四コマ漫画などが収録されています。ちなみに、タカムーさんお気に入りのすみっこキャラは「ねこ」だそうです。
書名:まおゆう魔王勇者〈1〉「我がものとなれ、勇者よ」「断る!」
著者:橙乃 ままれ
出版社:小学館
三番目に登場したのは、東野高等学校3年生の坂本涼太郎さんです。紹介する本は『まおゆう魔王勇者〈1〉「我がものとなれ、勇者よ」「断る!」』。この本は、小説の体裁を取りながら、戯曲のように登場人物同士のセリフのみで構成されているというユニークな表現形態の作品だそうです。主要な登場人物は「魔王」と「勇者」であり、この二人が手を取り合って世界を救うというストーリーなのだそうです。坂本さんは、魔王が作中で「戦争が終わった後の他の世界を見てみたい」と言うシーンを読んで、「これは『旅』を描いた物語である」と感じたそうです。坂本さん「作中では、戦争の終結を目指す魔王と勇者が政治や経済について語り合います。そのおかげで、これまで自分とはあまり関係がないと思っていた戦争や経済のことを身近に感じることができるようになりました。また、セリフだけで構成されている作品だけに、セリフの中に物語の背景がうまく組み込まれているのも見どころのひとつです」。
書名:キノの旅〈2〉the Beautiful World
著者: 時雨沢 恵一 (著), 黒星 紅白 (イラスト)
出版社:メディアワークス
最後、四番目に登場したのは、橋爪朝寿さんです。紹介する本は『キノの旅〈2〉the Beautiful World』。主人公のキノが、バイクのエルメス(なんと、バイクなのに喋ることができる!)とともに旅に出るというストーリーの本だそうです。ちなみにキノ自身については旅の理由を含めて詳しいことが何も明かされず、キノが訪れた先での人々とのやり取りが話の中心になるのだとか。この本を紹介してくれた橋爪さん自身が旅先で出会った人と交流を持ち続けていることもあり、思い入れが深い作品だということでした。また、この小説版の他にもアニメやゲーム化もされている人気作品だということで、居合わせたギャラリーの中にもこの作品を知っている人が多くいらっしゃったようです。質疑応答では、この作品の外伝についての話も交わされていました。
さて、以上で今回の紹介本4冊が出そろいました。
投票の結果、チャンプ本に選出されたのは・・・・・・坂本さんが紹介して下さった『まおゆう魔王勇者〈1〉「我がものとなれ、勇者よ」「断る!」』でした。坂本さん、おめでとうございます!
▲チャンプ本に選ばれた『まおゆう魔王勇者〈1〉「我がものとなれ、勇者よ」「断る!」』
を持つ坂本涼太郎さん。
落ち着いて丁寧に本の内容を紹介してくださったのが印象的でした。
このブログでもご紹介してきた通り、今年のオープンキャンパスでは二度に渡って在学生と受験生とを交えて知的書評合戦ビブリオバトルを行いました。それにしても、受験生のみなさんのレベルの高さには本当に驚かされました。そしてまた、受験生を前にすると在学生のみなさんがいつもよりちょっぴり頼もしくなるのも嬉しかったです。今後も、何かの折には受験生を含めた外部のみなさんと大正大学の在学生とがビブリオバトルで対戦する機会を設けられればいいですね。
それでは、在学生のみなさんは秋学期も通常開催の知的書評合戦ビブリオバトルでお会いしましょう~ ヾ(*’▽’*)o