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【開催レポート】テーマ→「フリー(指定なし)」で知的書評合戦ビブリオバトル

みなさんこんにちは。コンシェルジュの岩下です。

10月に入ってようやく過ごしやすい日が増えてきました。キャンパスを歩く学生さんたちの装いもどことなく秋めいています。

さて、10/1(水)はこの秋学期を迎えて初めての知的書評合戦ビブリオバトルを開催しました。テーマは「フリー(指定なし)」です。今回は5名のバトラーのうち3名が初参加というフレッシュな一戦となりました。

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▲いつになくバトラーと観客の距離が近いゲームとなりました。

それでは、バトラーたちが持ち寄った5冊の本をご紹介しましょう。

書名:BARレモン・ハート 〈BARレモン・ハート誕生編〉
著者:古谷三敏
出版社:双葉社

まず最初に登場したバトラーはendさんです。endさんは登場するなり、観客に向けて質問を投げかけました。なんと、会場の反応次第でこれから紹介する本を決めるとのこと!結局、今回紹介する本は『BARレモン・ハート 〈BARレモン・ハート誕生編〉』に決まりました。endさんいわく、これは「お酒が大好きな〈BARレモン・ハート〉のマスターがお酒の薀蓄を語り、お酒にまつわる人間模様を描いた本」だそうです。そんなendさんが特に好きなのは「燃え尽きるまで」というエピソードだそう。これは、アルコール中毒で亡くなった男性の葬儀に出席した〈BARレモン・ハート〉の常連客が、亡くなった男性がいかにお酒を愛していたかを語るというストーリーだそうです。endさん自身は実はお酒を飲まないという話も飛び出し、観客からは驚きの声が上がっていました。

 

書名:僕らの人生を変えた世界一周
著者:TABIPPO【編】
出版社:いろは出版

二番目に登場したバトラーは、今回が初参戦となるムムムさん。紹介する本は『僕らの人生を変えた世界一周』です。この本には、世界一周旅行をした15人の日本人が登場します。中でも特にムムムさんの印象に残ったのは、ある美容師さんのエピソードだそうです。その人は、世界一周をしながら現地の人々の髪を切り続けたそうです。そうして、帰国後に新しいスタイルのサロンをオープンしました。そのサロンでは、お客さんの要望を聞くのではなく、お客さんにスタイルを提案するのだそうです。ところでムムムさんがいつか行ってみたいと思っているのは、ボリビアにあるウユニ塩湖だということでした。果たしてその時ムムムさんの人生は変わるのでしょうか?ぜひ、旅行後の感想も聞かせて欲しいと思います。

 

書名:あなたに逢えてよかった
著者:新堂 冬樹
出版社:角川書店

三番目に登場したのも初参戦のバトラー、なかにゃんさんです。紹介する本は『あなたに逢えてよかった』。なかにゃんさんによると「新堂作品には、恋愛をモチーフとした『白』の側面と、クールな犯罪描写が効いた『黒』の側面がある」そうです。その上で、「この作品は『白』の方!」と仰っていました。この本は、紅茶専門店から始まる、悲しくも心温まる恋愛の行方を描いた物語だということですが・・・・・・実はなかにゃんさんによるあらすじ紹介に対して、観客側から疑問が呈される一幕がありました。それはいわゆる「ネタバレ」、すなわち「物語の結末に触れること」についての議論でした。今回、なかにゃんさんは物語のラストシーンについてかなり詳しく解説してくださったのですが、一部の観客からは「それを言われてしまっては自分で本を読む楽しみがなくなってしまう」というコメントが寄せられたのです。さて、このことが今回のゲームにどう影響するでしょうか?

 

書名:風の谷のナウシカ 〈1〉
著者:宮崎駿
出版社:文藝春秋

熱気冷めやらぬ中、四番目に登場したのはマーヤさんです。こちらも初参戦です。紹介する本は『風の谷のナウシカ 』。マーヤさんがこの本をお勧めする理由は、主人公のナウシカが成長していくところに惹かれたからだそうです。マーヤさん「ずっと以前に連載が開始されたこの作品は、私たちが生きる現実の世界ともおそらくリンクしており、そして今後の世界の行く末を示しているのだと思います」。そんなマーヤさん自身は映画版の「風の谷のナウシカ」は見たことがないそうで、観客からは驚きの声が上がっていました。ちなみに、大正大学で開催する知的書評合戦ビブリオバトルにおいてこの作品が紹介されるのは二度目です(参考→【開催レポート】第5回ビブリオバトルを開催しました /wp/wp-content/uploads/learning_commons/2013/06/04-113040.html)。同じ本を取り上げても、紹介する人が違えば切り口が違っていて面白いですね。それにしてもナウシカは人気です。

 

書名:月刊少女野崎くん 〈1〉
著者:椿いづみ
出版社:スクウェア・エニックス

最後に登場したのは、常連バトラーのタカムーさんです。今回の紹介本は『月刊少女野崎くん 〈1〉』という四コマ漫画。最近アニメ化もされている人気作品です。タカムーさんによると、この本は比較的ライトな読み心地で、肩の力を抜いて楽しめる作品なのだそうです。表現文化学科放送・映像コースに所属し日々制作に勤しむタカムーさんに、この本は癒しを与えてくれるそうです。ストーリーは、一見すると地味な男子高校生でありながら実は売れっ子少女漫画の野崎くんと、彼に恋をした女子高校生が繰り広げるコメディなのだとか。タカムーさん「プチハッピーの連続が最後に大きなハッピーに繋がるところが良い!きっと、男性が読んでも楽しめますよ」。ちなみにタカムーさんが好きなキャラは、演劇部所属の「王子様」こと鹿島くんという女性だそうです。

以上で今回のゲームで紹介された5冊の本が出そろいました。

それでは、いよいよ投票に移ります。
みなさんが一番読みたくなった本を教えてください!はい、せーの!

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▲今回は票が割れました!

というわけで、今回のチャンプ本は、なかにゃんさんが紹介してくださった『あなたに逢えてよかった』に決定しました。おめでとうございま~す♪

なかにゃんさんのバトルスタイルは「ビブリオバトルの場で物語の結論に触れるのは有りか無しか」という議論を巻き起こすものでしたが、今回の場合はそれが吉と出たようですね。しかし、この問題については今後も各バトラーで考えてみてくださいね。

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▲『あなたに逢えてよかった』と、笑顔のなかにゃんさん。
観客から「ストーリーを聞いているだけで泣きそうになったよ!」と
声をかけられていました。

それでは、なかにゃんさんに今回のゲームについてインタビューしてみましょう。

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Q:ビブリオバトルへの参加は何回目ですか?
A:初めて

Q:この本を選んだきっかけは?
A:母が友人からもらった本の中の1つに入っていたのでよんでみた。恋愛ものがすきなので、最初からタイトルにひかれました!

Q:今回の勝因は何だと思いますか?
A:内容のあまずっぱさが、女性の共感をいただけたのかな、、、と 笑
でも、ほんとに心があったまるお話なので、この本のよさを伝えることができて、よかったです(^_^)

Q:最後に一言どうぞ!
A:参加できて、たのしかったです!ありがとうございました。
鴨台祭当日のビブリオバトルにもぜひあそびにきてください!

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インタビュー中でなかにゃんさんも言及していますが、今年は大正大学の学園祭である鴨台祭(おうだいさい)で、鴨台祭実行委員会主催による知的書評合戦ビブリオバトルが開催される予定です。そして、実はなかにゃんさんを含め、今回初出場のバトラーはみんな鴨台祭実行委員会のメンバーなのです。

鴨台祭の知的書評合戦ビブリオバトルは、11/2(日)、11/3(祝・月曜)の両日とも14:00~16:00 3号館2階にて開催予定!

11/2(日)はこれまで大正大学で開催してきたビブリオバトルでチャンプ本を紹介したことがある人のみが出場できるチャンピオン大会、11/3(月・祝)のゲームには大正大学の学生ではない一般の方も参加していただける一般大会を予定しているそうです。

詳しい参加方法やテーマなどは、鴨台祭実行員会による告知ページが完成したらここからもリンクを貼ってご紹介します。なお、大正大学の学生に向けては一足早くT-Poを通じてお知らせを出していますのでチェックしてみてください。

今年も読書の秋を楽しみましょう。
それでは ヾ(*'▽'*)o

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