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人文学科の星川啓慈先生の新刊『宗教哲学論考――ウィトゲンシュタイン・脳科学・シュッツ』刊行のご案内
みなさんこんにちは、コンシェルジュの岩下です。
大正大学人文学科の星川啓慈先生が執筆した『宗教哲学論考――ウィトゲンシュタイン・脳科学・シュッツ』が、2017年3月31日に明石書店より刊行されます。
星川先生から特別にお許しを頂きましたので、今回はこのブログの読者のみなさまに一足先に新刊の内容をご案内させていただきます!
宗教哲学三部作、ここに完結!
宗教哲学者である著者が生涯ずっと関心を抱いてきた2人の哲学者、L・ウィトゲンシュタインとA・シュッツ。この2人の哲学を中心に生、神、神経科学(脳科学)、心、祈り、宗教といった問題に独自の視点から挑んだ〈星川宗教哲学〉の集大成。
【目次】
第1章 ノルウェーにあるウィトゲンシュタインの「小屋」の跡に立って
第2章 独創的な「否定神学」の著作としての『論理哲学論考』――ボヘンスキーの批判も踏まえて――
第3章 太陽とウィトゲンシュタインの宗教体験――一九三七年三月に書かれた『哲学宗教日記』の分析――
第4章 決定論と自由意志論の狭間を生きたベンジャミン・リベット――ユダヤ教と実験神経生理学――
第5章 宗教哲学と脳科学――エクルズ/ポパーの『自我と脳』と「神経宗教哲学」の構想――
第6章 シュッツ現象学による「祈り」の分析――言語哲学の観点とともに――
新著では、L・ウィトゲンシュタイン(1889-1951)とA・シュッツ(1899-1959)という2人の哲学者に影響を受けながら、宗教(主としてユダヤ=キリスト教伝統のもの)について、宗教学・言語哲学・論理学・現象学・心理学・精神医学・神経科学(脳科学)・文献学・現地調査(ノルウェーの「ソグネフィヨルド」の最奥の村)など、さまざまな観点から縦横無尽に論を展開しており、星川先生自ら「『宗教哲学三部作』の完結編、わが国の宗教哲学の書としては異色の作品になりました」とおっしゃる一冊です。
ノルウェーにあるウィトゲンシュタインの小屋跡の踏査の写真、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』の系統樹と直筆原稿の写真、また、神経科学(脳科学)に関連する写真・図表などが多数掲載されており、それらを見るだけでも面白いそうです。ぜひお手に取ってみてください!