図書館・研究所知と情報の集約
ラーニングコモンズのブログ
2018年1月24日・ビブリオバトルレポート!~春休み直前スペシャル~
皆さん、こんにちは!
またまた学習サポーターズの中村です。
1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」なんて言いますが、
日が経つのは本当に早くて、いつのまにか学期末になってしまいました。
テストやレポートはちょっと端においやって……。
本日もビブリオバトルレポートをしていきたいと思います!
いつもとちょっと指向を変えまして、発表順を少々変えてお送りさせていただきますね。
さて、もうすぐ春休みですね!
長いお休みだからこそ、
《長いシリーズものを一気読み!》とか、
《普段読まない分野にチャレンジ!》なんていかがでしょう。
図らずも、今回のビブリオバトルでは
そんな春休みにぴったりの本たちが紹介されました。
まずはシリーズもの。
ますやまさんがご紹介くださったのは、『GOSICK』です。
著者:桜庭一樹
出版社:角川ビーンズ文庫
紹介の際、思わず「知ってるー!」と声を上げてしまいました。
たしか小学生のころ、友達から借りて読んだのでした……。懐かしいです。
舞台は西欧の小国、ソヴュール。
聖マルグリット学園に留学してきた久城一弥は、
ひょんなことから図書館塔に幽閉された少女、ヴィクトリカと出会います。
彼女は非常に頭脳明晰。どんな難事件も聞いただけで解決してしまうほどです。
そんなヴィクトリカと久城は、
ある日、豪華客船で起こる殺人事件に巻き込まれてしまって――。
探偵と助手が豪華客船に乗る、なんて
決まったが最後、間違いなく事件が起こる!
と言いたくなるほど、ミステリーの超王道という感じです。
そして、王道だからこそ面白い!
ますやまさんは、この物語の見どころを
「外の世界を知らなかったヴィクトリカが、次第に人間らしくなっていくところ」
とおっしゃっていました。
謎を解き明かす爽快感に加え、ヴィクトリカの成長も見どころなんですね。
『GOSICK』シリーズは全9巻(うち最後の2巻は上下巻)。
また、外伝シリーズの『GOSICKs」が全4巻。
さらに『GOSICK RED』から始まる新シリーズの刊行は、現在4冊出ているようです!
こうして見ると圧巻のボリュームですねー!
つまり、それだけ愛され続けている作品ということ。一見の価値ありです。
さて、お次はわんこさんご紹介の『断章のグリム』。
タイトル:断章のグリム〈1〉灰かぶり著者:甲田学人
出版社:電撃文庫
こちらは異能力バトルもの。
神様が見た悪夢が、この世界に存在する怪現象となって人々に降りかかります。
そうした事象に打ち勝った者は、異能力を手にすることができますが、
能力を発動させるには、自身のトラウマと向き合う必要があり――。
童話や昔話の形をした悪夢に、蒼衣と雪乃が立ち向かいます。
「ライトノベルだけど、話が全然ライトじゃない」と語ったわんこさん。
特にホラーの描写は本当に怖いそうです……!
ホラーが苦手な私は、少々怖気づきましたが、なんともぐぐっと興味をそそられるお話が!
悪夢は童話や昔話に則っていることが多く、
その解釈を進めることで悪夢に打ち勝てるようになるそう。
そのために、なんと、童話の本文をまるまる載せて解釈していくんです!
わんこさんはシリーズの中でも「人魚姫」の巻がとても好きだそうで
そこでは《登場人物の中で、誰が一番つらかったのか?》という考察があるらしいです。
なんて面白そうなんでしょうか!
なまじ専攻が文学研究だったもので、とても興味をそそられました。
断章のグリムシリーズは全17巻!
これまた長ーいシリーズですが、こちらは完結しているので比較的入りやすいかも?
暗い過去を持つキャラクターが好きな方は、きっとお好きかと思います。
次にご紹介するのは、《普段読まない分野にチャレンジ!》できる
いじちさんの『物語 フランス革命』です。
![](https://www.kinokuniya.co.jp/images/goods/ar2/web/imgdata2/large/41210/4121019636.jpg)
著者:安達正勝
出版社:中公新書
新書って、あんまり馴染みのない方も多いんじゃないでしょうか。
かくいう私も、とっつきにくい印象があってあんまり読んだことがないです……。
ですが、そんな方にもおすすめなのがこちら。
フランス革命といえば!
ルイ16世や、その妻マリーアントワネットを思い浮かべる人が少なくないはず。
そのルイ16世は、実は優秀な人物だったってご存知でした?
さらに、あの有名な処刑道具「ギロチン」は、実は平等を目的として作られたとか……!
この本ではそうした新しい観点でのフランス革命の見方を、分かりやすく解説しています。
いじちさんが印象に残っているシーンは
性格も正反対で、不仲だったルイ16世とマリーアントワネットが、
革命戦争を通して初めて心を通わせるところだそう。
日本の古典でいえば光源氏と葵上のような関係……
と思ったのは私だけかもしれませんが。
また、死刑執行人の家系に生まれ、ルイ16世の首を撥ねた男性、
サンソンのエピソードも印象に残っているとのこと。
彼はルイ16世を尊敬していて、死刑の執行を直前まで悩んだといいます。
サンソンのお話の詳細は、同じ著者で別の本が出ているとわんこさんが教えてくれました。
さすが、本好きは読書の幅が広い……。
いじちさんは
「西洋史についてはあまり知らなかったが、とても分かりやすく勉強になった」
とおっしゃっていました。
歴史、西洋史に興味がある方だけでなく、
「新書、一冊くらい読んでみなきゃだめかな……」
と考えている、新書デビューの方にもおすすめかなと思います。
以上、3つの作品が選出されました。
今回も選ぶのが難しい……!
意を決して、お手を拝借。
せーの!
![](https://www.tais.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2018/01/2018012401-1024x768.jpg)
4票中2票で、いじちさんの『物語 フランス革命』に決定しました!
おめでとうございまーす!!
いじちさんにコメントいただくと、
「自分の持ってる本じゃないので……」となかなかストイックな回答。
実はこれ、ラーニングコモンズの本だったのです!
お宝はどこに隠れているか分かりませんね~。
これにて、今年度のビブリオバトルはすべて終了しました。
皆さんの春のお供は見つかったでしょうか?
毎回テイストの違う面白い本が紹介されているので、
ぜひ、以前のビブリオバトルレポートも見てみてくださいね。
私の参加は今回で最後ですが、
来年度はどんな方が、どんな本を紹介してくれるのか楽しみです!
ここにレポートが上がるのを、首を長くして待っていることにします。
それでは、
本年度もビブリオバトルにお集まりいただいた皆さま、
そしてレポートをご覧くださった皆さま、
本当にありがとうございました!
またお会いできることを楽しみにしています!
学習サポーターズ 中村萌香