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綜合仏教研究所
【開催御礼】公開講座 エルデニバヤル先生・エルデニバートル先生 ご講義について
本研究所では、2013年5月22日(水)、エルデニバヤル先生とエルデニバートル先生を講師にお迎えし、下記の内容で、公開講座を開催いたしました。
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エルデニバヤル先生
講題「編纂、翻訳註釈から比較研究まで―内モンゴルにおける四手法による研究の概要」
エルデニバートル先生
講題「モンゴル文『大蔵経・ガンジョール』の成立と出版について」
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エルデニバヤル先生の講座では、内モンゴルにおいてチベット研究がどのようにおこなわれてきたのかについて講義していただきました。
その内容として、チベット大蔵経の伝承の経緯についての研究、チベット註釈文献のモンゴル語への翻訳、専門的な分野の辞書の作成・出版等についてわかりやすく解説していただきました。また、モンゴル仏教寺院の事情や、モンゴル仏教の博物館が建設されたことなど、貴重な情報についてもご講義いただきました。
エルデニバートル先生の講座では、モンゴルの大蔵経がどのように成立したかを中心に、文化背景などをふまえ、ご講義いただきました。
モンゴル大蔵経の成立は歴史が深いことや、それが‘金字モンゴル大蔵経’や‘北京版大蔵経’にどのように関わってくるのかということについて、最新の学説を反映したご意見を発表していただきました。特に『モンゴル仏教はいつ成立したのか?』ということについて、<すべての経典が翻訳された時点で、インドや、チベットの仏教がモンゴル仏教になった>との先生の意見に、聴衆も聴き入っていました。また、言語の異なる経典を翻訳する過程でモンゴル語の文法が確定されていったことは、文化そのものが取り入れられていく過程と同様であるというご意見は、大変興味深いものでした。
講座後の質疑応答では、講座の終了時間を超えて本研究所の所員との活発な議論が続けられ、双方にとって実りのある時間になったようでした。
エルデニバヤル先生、エルデニバートル先生をはじめ,ご来場いただいた皆様に厚く御礼を申し上げ,ご報告にかえさせていただきます.
綜合仏教研究所事務局
エルデニバートル先生 エルデニバヤル先生
講義の様子
(質疑応答では、活発な意見交換が交わされました。)