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綜合仏教研究所

【開催御礼】公開講座「チベットに伝存するサンスクリット写本とその由来」について

綜合仏教研究所では、平成27年1月23日(金)に加納和雄先生(高野山大学准教授)をお招きし、標記の講座を開催いたしました。 
 
チベットに伝存する梵文写本は、仏教の原形に近づくための貴重な一次資料として、数多くの研究成果が報告されています。
しかし、この分野は、文献の読解を中心とした研究が大勢を占めるため、これらの起源となるインド及び周辺諸国間における文化や交流などを含めた総合的研究は多いとは言えず、今後の新たな研究成果が待たれています。
 
今回の講座では、このような現状を踏まえ、研究材料として扱われる写本について、その由来をはじめとして、今後の研究における展望について、お話しいただきました。
 
講義は、チベット伝存写本の研究について[研究史][資料価値][由来][現存場所][将来者][今後の展望]と6つの項目に分けて進められました。
 
講義では、現在の写本研究に至るチベット伝存写本の調査と研究経過の概説、およびネパール・チベットに伝存する梵本の資料的価値、奥書や書体から判明する写本の由来、サムイェー寺やサキャ南寺あるいはポタラやラサのチベット博物館などのチベット写本の現存場所に関して解説いただきました。
さらに、これらの写本を、継承し、所有したのはどのような人々なのか、時代を分けてお話いただきました。
最後に[今後の展望]として、中国でのチベット伝存写本研究の進展、内容解読と校訂出版、梵本往来からみえる印蔵文化交流史の三点をあげられました。
 
質疑応答では、加納先生と当研究所の研究員との間で、積極的な意見交換や情報交換がされました。加納先生からも、大正大学綜合仏教研究所の梵本出版に至る経緯を尋ねられる場面もあり、学外交流という一面もみられた有意義な講座でした。
 
加納和雄先生をはじめ、講座運営にご協力いただいた皆様、ご来場いただいた皆様に厚く御礼を申し上げます。
 
 
綜合仏教研究所事務局
 
 
加納和雄先生 ご講義の様子
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加納先生ご講義風景.JPG
 
 
質疑応答では、積極的な意見交換や情報交換がされました
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