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綜合仏教研究所

【開催御礼】公開講座「大学から宗教を考える」

綜合仏教研究所では、9月6日に、江島 尚俊 先生(田園調布学園大学 助教)・犬塚 典子 先生(田園調布学園大学 教授)をお迎えし、標記の講座を開催いたしました。

以下、三浦 周 大正大学非常勤講師の報告レポートです。

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「大学と宗教」というテーマは大正大学にとって日常といえますが、近現代を世界史的視点で眺めた際、国民国家との関係という点からも大きな意義をもちます。従来、大学史や教育制度史において断片的に語られていましたが、近年の大学改革や多様性への注視、あるいはテーマの共有可能性も相まって世界的関心が高まりつつあります。こうした研究動向を踏まえ、江島尚俊・犬塚典子両先生をお招きしてご講演いただきました。

まず、江島先生より、戦前における①国家の大学制度上における宗教の位置づけ・宗教者養成、②国家と宗教・教育・学問という対立軸、戦後における③大学制度の一元化、④法律:大学令→学校教育法、⑤大学設置認可:国家管理→委員会管理、⑥制度モデル:ドイツ型→アメリカ型といった国家の介入および旧制大学と新制大学との差異を踏まえ、大学で「宗教」を扱うことの意義、可能性・限界性についてご講演いただきました。また、講演に先立ち「現代日本の宗教系大学一覧」(仏教・神道・キリスト教・新宗教の203大学)という非常に詳細な資料をご提示いただきました。

次に、犬塚先生より、①日本の大学における女性教員比率はOECD加盟国中最低の17.1%(2010)、②政府は「第三次男女共同参画基本計画」によって平成32年までに「大学教授等に占める女性の割合」を30%とすると定めている、③女性政策:市場主導によるアメリカ型と国家主導による欧州型、④日本・カナダは国家主導、⑤カナダは女性教員比率30%を2000年代前半に達成という事実を踏まえ、「どのような公共政策によって女性教員は増加するのか?」という問いのもと、カナダにおける3つの政策的関与と大学の取組、①女性の地位に関する政府調査委員会(大学における組織づくり、調査研究、女性学の振興)、②雇用公平法(大学における女性・先住民・障がい者・人種的マイノリティという4つの指定グループに対する特別な配慮)、③両立支援政策(政府による「親休業制度」・給付金事業と大学による「上積み給付」のマッチング)についてご講演いただきました。

貴重な講演を賜りました両先生に厚く御礼申し上げます。

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ご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

綜合仏教研究所では、今後も研究の第一線で活躍されている先生方を講師としてお呼びする予定です。予約不要・参加費無料ですので、皆様ぜひ、ふるってご参加ください。

綜合仏教研究所事務局

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