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綜合仏教研究所
【開催御礼】公開講座「新しい宗教文化空間のデザインにむけて」
綜合仏教研究所では、7月19日に金子 啓明 先生(興福寺国宝館館長・東京国立博物館名誉館員)をお迎えし、標記の講座を開催いたしました。以下、濱田 由美 研究員の報告レポートです。
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綜合仏教研究所では、7月19日(水)に金子啓明先生(興福寺国宝館館長・東京国立博物館名誉館員)をお招きして「新しい宗教文化空間のデザインにむけて」と題する公開講座を実施しました。
金子先生は東京国立博物館副館長などを歴任し、現在は興福寺国宝館館長としてご活躍されています。博物館における企画展を数多く手がけられており、中でも2009年3月31日から6月7日まで、東京国立博物館(平成館)で開催された「国宝 阿修羅展」は、94万6千人を超える来館者を記録しており、同館の日本美術展覧会における最多入場者数となっています。さらに英国の美術専門誌『アート・ニューズペーパー』は、同年開催された展覧会で一日の入場者数が世界1多かったと報告しています。
「国宝 阿修羅展」は幅広い年齢層がバランス良く入館しており、特にこの種の展覧会では例を見ないほど、若年層の入館者が多く記録に残されている。この背景について、涙袋まで克明に表現した憂いを秘めた表情が、多くの人を引きつける魅力となっている阿修羅像を、敢えて興福寺創建1300年を記念した展覧会のタイトルとしたことで、博物館に行く目的を明確にした。また、阿修羅像を360度間近で見えるように展示しただけではなく、高低差でも楽しめるようなスロープを設けるなど、これまで経験したことのない空間での仏像鑑賞を可能したことなど、この企画展に取り入れた画期的な演出の数々について、具体的に解説していただきました。
講座の最後には、先生が館長を務められている興福寺国宝館の展示について、また東京(調布)の深大寺に関する新しい事業計画についても言及していただきました。
ご多忙の中ご講義くださいました金子先生に、心より感謝申し上げます。
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ご来場いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
綜合仏教研究所では、今後も研究の第一線で活躍されている先生方を講師としてお呼びする予定です。予約不要・参加費無料ですので、皆様ぜひ、ふるってご参加ください。
綜合仏教研究所事務局