学部・大学院FACULTY TAISHO
DAC(総合学修支援機構)
大正大学 第7回全学FDセミナー「シラバス研修会・著作権研修会」開催報告
10月24日(水)15:00~18:00に1021教室にて、第7回全学FDセミナーを開催いたしました。
今回のFDセミナーは、「シラバス研修会」と「著作権研修会」の2部構成でした。全教員対象とし、114名の先生方にご参加いただきました。
ほぼ全員の先生がご参加くださいました。この光景は圧巻です。
まずは第1部「シラバス研修会」から始まりました。
2019年度より、主に以下の点についてシラバス記入要領が変更となります。
①項目名「授業の概要」を「授業の目標」に変更
②「到達目標」にて、各到達目標とDPとの関連を明示する
③「評価方法」にて、到達目標と評価方法との関連を明示する
今回のFDセミナーは、シラバスの役割の再確認と、2019年度の変更点や記入の際の留意点等をお伝えする研修会となりました。
はじめに、神奈川工科大学 教育開発センター 教授の伊藤勝久先生に『今シラバスに求められること』と題して、ご講演をいただきました。
シラバスの役割や、到達目標および評価方法の設定方法についてお伺いしました。伊藤先生はご講演のなかで、教育活動(授業・カリキュラム)構成の基本は、「逆向き設計」であるとお話しされていました。建学の理念、大学の学位授与方針(大学DP)、学科の学位授与方針(DP)のもと、各科目の到達目標や内容・方法が作られるということです。
先生方にはシラバスの役割を再認識いただく機会となりました。
伊藤勝久先生のご講演の様子
大塚学長、小嶋副学長もワークに取り組んでくださっています。
次に、司会の神達知純先生(教育開発推進センター・副センター長)より、シラバス記入要領の変更点について、ご説明をいただきました。具体的にシラバスのどの点がどのように変更され、先生方はどのような点についてご留意いただく必要があるか、といったことをお話しくださいました。
神達先生からのご説明の様子
そして次に、仏教学科の林田康順 先生、人文学科の伊藤淑子先生より『シラバスを書きかえて見えてきたこと』をご報告いただきました。
両先生には事前に新シラバス記入要領に則ってご自身の科目のシラバスをご作成いただき、その過程で見えた留意点や工夫した点をまとめてご報告いただきました。
林田先生・伊藤先生からのご報告
林田先生からは、学科内でのDP、CP、カリキュラムツリーの再確認の必要性や、文章と表記方法(見やすさ)を工夫する必要性、学生にコンスタントな学びを促す授業計画を提示する必要性等が報告されました。特に仏教学科では非常勤教員数が多いことから、科目を担当されている全教員への周知と理解の促進が重要と仰っていました。
伊藤先生からは、一つの到達目標につき一つのDPという対応関係の困難な点、事前・事後学修の必要性と矛盾、また事前・事後学修のチェック機能の必要性等についてお話がありました。また、「フィードバックを意識して授業内容を考えると、定型化しやすいゼミにおいても学生に対して段階的発展を求めていることを明確に意識させることができる」というお話もありました。
後日、参加してくださった先生方のリフレクションを集約したところ、この林田先生、伊藤先生からの報告を「聴講してよかった」と感じられた方がとても多くいらっしゃいました。変更点に則って実際に作成されたシラバスを見ていただくのが、最も理解に役立つということがわかりました。
次に第2部として、「著作権研修会」が行われました。
講師は、一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)・専務理事、山口大学・特命教授の久保田 裕 先生です。久保田先生には『ICTを活用した教育と著作権』と題し、ご講演いただきました。
学校教育と著作権はとても深い関わりがあります。配布物は手書きからパソコンで作成されるようになり、授業内では動画が活用されるようになりました。また、広報は大学WEBサイトを使って行われ、さまざまな情報がSNS等で公開されます。学生も、課題等の作成時においてデジタルコンテンツを使用する機会が増えてきました。
そこで教員・学生ともに、知らないうちに著作権を侵害してしまうことがないよう、今一度著作権を理解していただく機会として、この研修会を開催いたしました。また、シラバス研修と合わせたのは、先生方がシラバスを書くために授業計画を練る今の段階から、著作権を意識して授業を再構成していただきたいという意味も込められています。
参加された先生方からのリフレクションでは、「個別の事例についてもお話を聞きたかった」、「教育現場で「気をつけるべきこと」また「あまり知られていないが可能なこと」を知りたい」といったご意見が多く、先生方の関心の高さがうかがえました。
平成30年度に実施する全学FDセミナーは、今回が最後となります。次年度以降は着実に教育改革が進められていく予定です。それに伴い、次年度も全学的な教学マネジメントサイクルの一部として、より質の高い教育を提供できるよう、充実した内容でFDセミナーを開催させていただく予定です。
小幡誉子