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仏教学コース

仏教学科ブログ 智慧の話4 渡辺章悟先生

ブログ智慧の話にようこそ!
 

仏教学科の先生方は、どんな研究をしているのだろう?
学部の講義の内容では、どんなことを専門に研究されているのか分からないかもしれません。
仏教学の研究は、インド、中国、日本のみならず、仏教の伝播した場所や言語の研究。その各時代の研究、経典の研究、また仏教に関係した人物、信仰形態、仏教から派生した文化(美術)などなど、とても一言ではいえません。
先生方がどんな研究をされているのか知るためには、これまでの研究論文や著作を当たるのが良いと思います。

今回は、大学院の講義を担当していらっしゃる東洋大学の渡辺章悟先生を紹介します。

ちょっと難しい言葉もでてきますが、最後まで読んで下さい<m(__)m>
ここからは、米澤嘉康先生が担当します。

(仏教学科助手 池田そのみ)

今回は、東洋大学の渡辺章悟先生にインタビューしました。

渡辺先生は、般若経の専門家として知られています。

渡辺先生には、大学院の仏教学特論を担当していただいてます。(最新の成果を盛り込みながら、『金剛般若経』を読解していらっしゃいます。ちなみに、博士論文は、『金剛般若経の研究』でした。)
 
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『大般若と理趣分のすべて』というご著書もあります。

般若心経については、『般若心経―テクスト・思想・文化』がおすすめです

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今回は『絵解き般若心経』の話をしてもらいました。

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米澤:今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。渡辺先生は『般若経』の専門家として知られていますが、生い立ちを含めて、自己紹介していただけますか?

渡辺:私は、高崎市にある曹洞宗のお寺の次男として生まれました。父親の影響で、小さいころから『般若心経』はずっと読誦してきました。大学生のころは、哲学科の学生でして、西洋哲学に興味をもっていました。そして,20歳ぐらいのころ、大学を1年間休学して、インドを放浪したのですよ、かなり昔ですけどね(笑)。そして、帰国後,仏教の研究をしようと思ったのです。そのころ、泰本融先生が東京大学で『プラサンナパダー』を読む講義をしていらっしゃって、そこに出席するよう勧められました。しかし,サンスクリット語がよくわからず、東洋大学でしっかりと勉強することにしたのです。最初は,中観思想の研究から始まったのですが、それから徐々に『般若経』研究にシフトしていったという感じです。

米澤:1991年に『般若心経』に関する論文を発表していますね?

渡辺:『般若経』研究の一環として、『般若心経』についても研究をすすめています。その論文が『般若心経』についての最初の論文だと思います。(注:「般若心経成立論序説 摩訶般若波羅蜜大明呪経と大品般若経の関係を中心として」『仏教学』31号。この論文で、鳩摩羅什訳の『般若心経』は偽経であるという説が提示され、現在、学界で定説となっています。)

『般若心経』については,『大法輪』で連載させていただきました。それをまとめたものが、『般若心経―テクスト・思想・文化』です。

 米澤:今回のインタビューでは『絵解き般若心経—般若心経の文化的研究』を紹介したいと思うのですが、なぜこのテーマになさったのですか?

渡辺:すでに、『般若心経―テクスト・思想・文化』でも取り上げていたのですが、実際に東北地方をフィールドワークしてまとめたのが、いわゆる『絵心経』についての本です。

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『絵心経』とは、文字の普及が十分でない時代に、絵文字という表現方法で経文の読み(音)をあらわしたものです。たとえば、「摩訶(まか)」は、釜(かま)をさかさまにして、その音を表しています。そうした『絵心経』には、「田山系」と「盛岡系」の2系統あります。『般若心経』以外にも、いくつかの陀羅尼も、このような絵文字で書かかれています。つまり、経典の記憶と解説に努めた証として、文化史的にも、民俗学的にも重要な価値をもっているので、1冊の本としてまとめてみたのですよ。

米澤:今,若い人たちが使っている絵文字などに相通じる部分があるかもしれませんね。

東洋大学とくらべて,大正大学大学院での講義はどうですか?

渡辺:東洋大学ではほとんど僧侶の学生がいないのですが、大正大学では僧侶の学生がほとんどです。自分自身、お寺の出身ですし、東洋大学で仏教青年会を再興し活動しているので、大正大学にはシンパシーを感じています。とても楽しみながら講義をしていますよ。

 米澤:最後に、今後の研究予定について教えていただけますか?

渡辺:今後は、『般若心経』の写本集成を行っていきたいと考えています。

米澤:本日は、授業前に、お時間をいただきありがとうございました。

 

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(文責:米澤)

 

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