学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

鴨台祭の企画紹介  ②坊主カフェ(一ツ火饅頭)

 
 鴨台祭で仏教学科は、坊主カフェを企画しております。坊主カフェでは、仏教学科の学生がお茶とお菓子を皆様方におもてなしをいたします。そこでお出しするお菓子は、仏教学科の特徴をいかして、宗派と関わりのある物をお出しします。値段は100円で、お菓子はくじを引いてもらい、当たった宗派のお菓子を頂いてもらいます。
 その中のお菓子である「一ツ火饅頭」を説明させていただきます。
 そもそも「一ツ火」とは、仏教宗派のひとつである時宗の大切な行事です。
 時宗総本山遊行寺では、毎年11月に「歳末別時念仏会」をおこなっています。「歳末別時念仏会」は、一年のもろもろの罪障を懺悔し、身も心も清浄になって新年をお迎えする修行であり、さらには念仏三昧のうちに往生することを体得する修行でもあります。「別時念仏会」は、「不断念仏」ともいわれるもので浄土教では古くから行われています。古くは、旧暦1224日から大晦日(30日)まで7日間の行事でした。現在では1118日にはじまり、27日の晩「御滅灯の式(一ツ火)」を経て、28日まで行われます。

一つ火報土入2s
一つ火02 

 「一ツ火」は、27日の晩に式が行われます。堂内の灯火をすべて消して真暗闇にします。釈尊の死後、末法の時代にはその教えも滅亡すると経文にありその末法の教えのともしびを失ったさまを表しています。その闇の中で火打石であらたに火を切り出し、光明に照らしだされてふたたび明るい世界によみがえり、念仏の声も次第に高まっていきます。末法のとき、もろもろの教えが滅びても念仏の教えはますます盛んになるということを表しています。これらの行事の間、特別なふしで念仏を合唱する。ナムアミダブツの「ア」と「ミ」を極端に引きのばし、「ダ」の音を高く張りあげるので、アミひきダはり念仏といいます。高低長短の念仏の合唱に送られて、極楽浄土へ往生することを実践するというこの行法は、時宗独特の法要で、参詣者を法学の世界に導きます。かくて「一ツ火」によって暗黒世界より大光明の世界へうって変わり、旧年の邪悪は一切ぬぐい去られ、清浄無垢な世界が出現し、民衆に希望と喜びを抱かせるのであります。


一つ火参考09
 
 この「一ツ火」の行事にちなんで作られたのが「一ツ火饅頭」です。手作りでつくられ、饅頭の餡の中には金柑が入っています。金柑の甘酸っぱさと生地の甘さとで、とてもおいしいと評判です。
大正大学鴨台祭(H271123日)に来られた際は10号館1階の食堂「坊主カフェ」まで是非お越し下さい。
 また少しでも「一ツ火」に興味がございましたら、今年の112717時より時宗総本山遊行寺にて行われます。「一ツ火」も、どなたでも入場無料ですので、ぜひご参詣ください。


                                仏教学科副手 髙木雅弘
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