学部・大学院FACULTY TAISHO
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仏教学コース
仏像修復「仏像研究A」のご紹介2
昨年は、大きな「金剛力士像」の修復を紹介しましたが、今回は1メートル程の仏像の修復風景を紹介します。この像は、薬師如来の眷属として十二体一組で制作された「十二神将」の一体です。木と木を繋ぎ合わせた寄せ木造りのため、長い時間で接着がゆるみ、頭や腕などがはずれていました。
まずは、おそうじです。像に残る彩色を傷つけないよう慎重にホコリを除去します。今回は現状維持の修理のため、新たに色は塗らずに、残っている色を維持する処置をおこないました。
一度すべての接着面をはずして、古い接着剤を取り除き、ようやく組み立てとなります。小さな部品もあるので間違えないよう注意して取り組みます。
また、体内には今回の修復者である学生たちの名前や、修復完了時の年月日などを書いた銘札を納めました。
最後に岩座と本体を安定させれば、修復完了です。制作当初の動きのある姿にもどったことがおわかりいただけると思います。この像は、学生による修復の成果として学園祭にて展示されました。
本講義での仏像修復について、今後も随時ご報告していきたいと思います。
(文責:米澤、竹林)