学部・大学院FACULTY TAISHO
仏教学コース
【仏教学科教員リレーメッセージ】大鹿眞央先生
今、私たちにできることは新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
また在校生の皆さん、進級おめでとうございます。
仏教学科宗学コースの大鹿眞央(おおしかしんおう)です。
大正大学仏教学科の先生たちでつなぐメッセージリレー、楽しんでもらえているでしょうか? 学生の皆さんを想い、先生たちと結ぶ今回の企画を立ち上げて下さった仏教学科の事務職員の皆さんには深く感謝申し上げます。
さて、今回の新型コロナウィルス感染拡大の影響で、皆さんとお会いできるのが延期となってしまい、とてもとても残念です。新入生の皆さんも、在校生の皆さんも、数週間先のことすら分からない毎日を過ごし、不安に思っていることだろうと思います。
皆さんは世界が大きく変わる「節目」に立ち会っています。 この新型コロナウィルスの影響は、これまでの日本の習慣や働き方、人と人との関わり方を大きく変容させることでしょう。今までの常識が通用しない、そんな激動の時代がくるかも知れません。
しかし、こうした時代が変わる「節目」は、過去に何度も何度も繰り返されてきたことでもあります。 これまでも病気や戦禍、それにともなう貧困や差別が流行したとき、すなわち時代が大きく動いたとき、仏教は苦しむ人々の不安をぬぐい、希望を照らす「ともしび」となってきました。 時には現世をありのままに肯定し、時には来世の安楽を願うといったように、世間の常識を超えた、新たな価値観や世界観を提供することによって、仏教は当時を生きる人々を支えてきたのです。
大正大学に籍を置く皆さんが、今やるべきことはひとつです。それは、歴史を広く学び、今これから起こることをつぶさに観察すること。
過去の先徳たちが、苦しむ人々をどのように支えてきたのか、たくさん読書をして、これまでの「智慧」を広く学ぶこと。
そして、今これからの私たちが、苦しむ人々をどのように支えられるのか、どのように「慈悲」を行動に移せるのかを考えることなのです。
大正大学の建学の理念は「智慧と慈悲の実践」です。皆さんが「今」やるべきことは、大正15年(1926)の大学創立当時から何も変わっていません。そのためにも、まずは事前学修を忘れずにやりましょう!
最後に、医療従事者の皆さんや流通・物流をとだえさせないように働く皆さん、そして市役所・区役所の窓口に立って生活の基盤を守る職員の皆さん、他にも感染への不安に負けず現場に立ち続けて、私たちの暮らしを支えて下さっている方々に対して、尊敬と感謝の念を忘れないで欲しいと思います。
自宅にひとりでいる今も、あなたは色んな人とつながっていて、色んな人に支えられていることを忘れないでいて下さい。
あなたと直接お会いして、笑ってお話できるときを楽しみにしています。
令和2年4月17日
仏教学科 大鹿眞央