学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

【仏教学科教員リレーメッセージ】神達知純先生

新入生の皆さん、大正大学へのご入学おめでとうございます。
また在学生の皆さん、元気にお過ごしでしょうか。
新入生の皆さんは、これから始まる大学生活の期待に胸をふくらませていたことでしょう。
また在学生の皆さんは、今年にかけるさまざまな思いがあったはずです。
それぞれの一年が始まることなく数週間が経過しました。
 

私も教員生活が長くなり、大学で学生の皆さんとお会いすることが日常となっていました。
とくにこの
4月は新しい出会いもあり、忙しいながらも心地よい疲れを感じていました。
今年はそんな日常が奪われ、不思議な感覚で毎日を過ごしています。
 

私は野球を観戦するのが好きで、この季節になると贔屓球団の勝敗に一喜一憂する日々。
それもなくなってしまいました。
 

私たちは当たり前の日々が失われると、こんなにも動揺するのですね。
でもよく考えると、それは私たちが勝手に「日常」と思っていたに過ぎないのかもしれません。
ぽっかり空いたこの時間も、発想を変えれば、またとない機会に転じます。
 

私はここ2ヶ月ほど家で子どもと触れ合う時間が増えました。
普段は大学の仕事にかこつけて、小学生の娘と幼稚園児の息子になかなかかまってあげられなかった。
コロナのおかげでとは言いたくないですが、家族の大切さを再認識できたのはとてもありがたく思っています。
 

それにしても未知のウィルスとは恐ろしいものです。
私も怖いです。
 

長い歴史の中で疫病の流行はたびたびあったことです。
仏の教えは災厄に見舞われた人びとにとって一筋の光と
なってきました。
数々の経典に「
諸仏護念」という言葉が見えます。たちは仏たち心にかけられて護られているという意味です。
いつも仏の慈悲に接していると思えば、この不安や心配が絶えない毎日も少し気が楽になります。
私たちもまたギスギスした状況の中で他者を思いやる心を持ち続けることができるように思います。 

先の見えない日々ですが、くれぐれも身体に気を付けてお過ごしください。
また大学で会いましょう! 

令和2年4月21日
仏教学科 神達知純

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