学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

【仏教学科教員リレーメッセージ】佐々木大樹先生

新入生の皆さん、伝統ある大正大学へのご入学、誠ににおめでとうございます。
早く新型コロナウイルスの影響がおさまり、皆さんとお会いできること、そして一緒に学べる日を心より楽しみにしています。

さて日常生活の中では、なかなか仏教を意識することはありませんが、実のところ私たち日本人のものの考え方、行動パターンには深く仏教が影響しています。

近年、日本を代表する文化のひとつとしてマンガが紹介されますが、その中にもよく仏教の影響がみられます。

最近、社会現象ともなった大人気マンガ・吾峠呼世晴『鬼滅の刃』を読みましたが、この中でも仏教(特に浄土系)の影響が散見されます。岩柱の悲鳴嶼行冥(ひめじま ぎょうめい)は、いつも数珠をもち、「南無阿弥陀仏…」と念仏を唱えるキャラ設定となっています。また不死川玄弥(しなずがわ げんや)は、13巻や16巻で集中力を上げる方法として念仏や経文を唱えているようです。

13巻で出てくる「…舎衛国 祇樹給孤独園…」という言葉は、作中で『阿弥陀経』の一節とされています。『阿弥陀経』は浄土三部経のひとつとされ、壮麗に荘厳された極楽浄土について詳しく説いています。本経は天台宗・浄土宗・真宗・時宗などで重視され、よくお唱えされます。新入生の皆さんは秋学期に「基礎仏教学Ⅱ」を受講しますが、その時に本経について学ぶことができます。仏教の知識をもって『鬼滅の刃』を読み返しますと、今までと違った見方ができることでしょう。

『鬼滅の刃』では、「〇〇の呼吸 〇ノ型」というフレーズがよく使われますが、仏教でもこの二つがとても大切です。よく座禅や読経を行うためには“呼吸”が大切であり、修行や法要を行うためには連綿と受け継がれてきた “型”が重要です。ぜひ皆さんも、大正大学において伝統仏教がもつ奥深い世界を体感してみてください。

合掌


令和2年4月23日
仏教学科准教授 佐々木大樹
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