学部・大学院FACULTY TAISHO
仏教学コース
【無憂華 プロジェクト】大滝広倫さんからのメッセージ
大滝 広倫(おおたき ひろみち)(法名:周倫 しゅうりん)
2011年度卒/仏教学科宗学コース(真言宗智山派)
2013年度卒/仏教学研究科仏教学専攻真言学 修士課程修了
真言宗智山派滝本山西光寺秋保大滝不動尊 副住職
宮城県仙台市出身。大学進学で上京(6年間)。
卒業後、宮城県内私立学校の宗教科教員となり、硬式野球部コーチ、ソフトボール部顧問を経験。
今現在は同高校の非常勤講師および自坊である滝本山西光寺秋保大滝不動尊の副住職として活動している。
在学中はカバディ部に所属し、現在は大正大学OBカバディチーム「Buddha」に所属。
現代に生きる私たちが未だかつて経験したことのない状況に見舞われています。
在校生の皆さんも、様々な過ごし方をされているかと存じます。
私は寺の長男として生まれました。高校を卒業し、お寺の後継ぎになるため、大正大学に入学しました。2008年、北京オリンピックの年ですね。しかし、当時の私は信仰に無頓着で、「なぜ日本にはお寺がこんなにあるのだろう」と仏教の必要性に疑問を持っていました。ただ、仏教が2000年以上も伝わってきたことが不思議で、「2000年以上続くには何か理由があるはずだ」という気持ちを原動力に入学し、講義を受けていたと記憶しています。
あれから12年経ち、今では仏教の教えが自らの「芯」になっていると自覚しています。
仏教には生きるヒントとなる教えと、幸福への祈りの力があります。
実は、今回この文章を書く際に、4月から掲載されていた先生方のコメントを参考にしようと、ホームページにお邪魔していました。するとその中で、大正大学の建学の理念が「智慧と慈悲の理念」だったことを再確認しました。(きっと私も入学時は意識していたはず…はず・・・)大正大学の建学の理念を(恥ずかしながら)意識せず、卒業後過ごしていましたが、今の私は慈悲と智慧の教えが信念の一つとなっています。今の私が慈悲・智慧を大切に思っているのは、大学時代にその精神に基づきご教授いただいた先生方のおかげだったのだと、今回のことでつくづく思いました。感謝してもしきれません。
現在、コロナにより順当な学内活動を実施できていないこと、とても心苦しいです。在学生の皆さんも、不便を感じるところ多々あることでしょう。しかし、皆さんはきっとこの経験を生かすことができます。今、何をするのが正解かわからない状況かもしれませんが、大学生に限らず、今生きている私たち全員が正解を知らない状況です。
そのような中でも、生きる方向を示してくれるのが仏教の教えではないでしょうか。仏教は歴史上様々な困難を乗り越えてきた宗教です。柔軟にその時代の困難へヒントを与えてきたのです。皆さんが学んでいる仏教の力を信じ、今できることに淡々と向き合ってください。
最後に、私が卒業後に出会った言葉を送ります。皆さんの日々の活動のヒントになれば幸いです。
実力の差は 努力の差
実績の差は 責任感の差
人格の差は 苦労の差
判断力の差は 情報量の差
皆さんが素晴らしい大正大学のキャンパスで生き生きと学び、活躍されることを心からお祈り致します。 合掌