学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

こども文化・ビジネスコース

先生たちの学外活動:天野先生編

皆さん、こんにちは。

本コースの中の『遊び創造サブコース』を担当している、天野秀昭です。

ぼくは、子どもが自由に遊ぶことができる遊び場を30年以上つくってきました。

『冒険遊び場』とか『プレーパーク』と呼ばれている遊び場で、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、一般の公園にあるような禁止や制約を極力排除した遊び場です。

ここでは木登りも、穴掘りもできます。

かまどを組んで火をたいたり、基地づくりだってやることができます。

そのための廃材やのこぎり、金づちなどの道具類もそろっており、ほかにも手作りの大きな滑り台など遊具もたくさんあります。

 

子どもは遊びを通して、さまざまな思いを表現します。

その中にはとても創造的なこともありますが、破壊的だったり時には残酷なこともあります。

うれしい思いや楽しい気持ちはもちろん、悲しい思いやつらい気持ちも遊びの世界には表現されます。

けれど、そうした悲しさやつらさを遊びに表現することで、子どもは自分の気持ちを自分でケアしていくのです。

 

昨年311日、未曽有の大震災が起きました。

激烈な揺れと巨大な津波は、多くの人の命を奪い、大切なものを流し去りました。

「子どもの心から血がたくさん流れている」、そう感じたぼくたち(特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会※)は、「子どもには自分をケアする力がある。それを発揮することができる遊び場を!」を合言葉に、全国にいる遊び場の仲間に呼びかけ、被災地である気仙沼市に子どもの遊び場を立ち上げました。

震災から1か月半近くたったころでした。

 

幸いなことに地元の人は暖かく迎え入れてくださり、元気を取り戻していく子どもの姿に「ここに来ると子どもの笑い声が聞こえて元気が出る」と、たくさんの方が訪ねてくださいました。

今はもう、当初のころと比べると全く別物といえるほど、子どもの様子は穏やかになりました。

 

1年以上がたった今は、別の段階に入ったといえます。

この遊び場を、どのようにして子ども残せるか。いずれは去ることになるぼくたちの手ではなく、地元の方へいかにバトンタッチしていかれるかが大きな課題となってきます。

と同時に、次の一歩を踏み出そうとする方々の中に、子どもの遊ぶ環境に目を配る人が少しずつ現れてきました。

噂を聞き気仙沼の遊び場を見学に来て、自分のところにもほしいという声がいくつも上がっています。

そういう方たちをいかにサポートできるか。それが、今、問われています。

この気仙沼の遊び場『あそびーばー』には、本学の学生も数人参加しています。『遊び創造』で培った力を、存分に使っています。

 

http://www.youtube.com/watch?v=Bn3TTYtb6TA

 

(※特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会=「遊びあふれるまち」を目指し、その拠点ともなりうる冒険遊び場づくりに取り組む市民、行政を応援する中間支援機関)

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