学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

こども文化・ビジネスコース

後藤健二さんを悼む

張り裂けるように胸が痛みます。 この教室に立っていたのに。学生と笑いあっていたのに。そのきらきらとした目に学生は魅せられ、その痛切な話に学生は引き込まれ、世界のこどもに思いをはせ、とりわけ紛争地のこどもたちの話にこころから共感し、こういう人が世界にはいるのだと驚きと畏敬の念を覚えていました。 その後藤さんがなぜあんな目にあわなければならなかったのか、辛くてやりきれません。恐らくこの思いは後藤さんの授業を受ける幸運に浴した、のびのびこどもプロダクトコースの学生すべてと共有できる感情かと思います。 後藤さんは2010年から2013年まで、毎年一回ワークショップの授業にきてくださいました。その授業は決して、「教える」ということではなく、「ともに学ぶ」という姿勢に貫かれていました。そして、最後は後藤さんに沢山のことを教えてもらうことになりました。長髪を後ろに束ね、いつも活気に満ち、好奇心に輝き、想像力にあふれていました。自分ももしかしたらこの人のように世界に出て行けるかもしれないという希望を持たせてくれました。困難な地で働くことを困難といわず、困った人たちを助ける行動をヒロイズムと言わず、まさに宮沢賢治の詩のように 「東に病気の子供あれば行って看病してやり 西に疲れた母あれば行ってその稲の束を負い 南に死にそうな人あれば行ってこわがらなくてもいいといい 北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろといい 日照りの時は涙を流し寒さの夏はおろおろ歩き みんなにでくのぼーと呼ばれ褒められもせず苦にもされず そういうものにわたしはなりたい」 という世界を私たちに見せてくれました。 打ち上げでお酒を飲むときも、まったりと周りと打ち解け、こころから時間を楽しみ、決して忙しがっている風を見せる人ではありませんでした(本当はとても忙しい人だったんですが) 後藤さんを失ったことは私たちの大きな、大きな悲しみです。あなたの声、あなたの笑い、あなたの主張をこれからの学生が知ることができないことが残念でしかたありません。 後藤さん、ありがとうございました。私たちはあなたを決して忘れません。 安らかに眠りにつかれることをこころから祈ります。 合掌 教員・学生・卒業生一同(こどもコミュニティコース)
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