学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

臨床心理学科

平成22年度 臨床心理学専攻卒業生のみなさまへ

  卒業生のみなさま

 

 

 本来であれば、何よりもまず「卒業おめでとう」のことばを贈り、それぞれの進路での活躍をお祈りすることばを続けるべきであろうと思います。しかし、みなさまのご存じの通り、2011311日に発生した東北関東大震災によって、残念ながら卒業式典も中止を余儀なくされました。

 

 今回の大震災は、我が国が経験してきた中で空前の自然災害に原発被害が重なったものであり、自然と人間、科学と人間のあり方について多くの人に深い考察を迫らざるを得ないものでした。

 

 卒業式典が予定されていた当日、85名の卒業生の中で、42名の方に学位記を手渡すことができました。残る方々についても、鋭意安否の確認を続け、大半の方の無事を確認することができました。

 

 みなさんが大学の四年間で学んだのは、自他を癒し、援助する術であったと考えています。この未曾有の被害から立ち上がろうとする入り口で、みなさんは社会人として、あるいはより専門性の高い心理職への学徒として、新しい生活を始めようとしています。みなさんが社会の中堅と呼ばれるようになる頃、この国が震災以前にも増して人間的に豊かな国になっていること、そして、その過程の中核にみなさんがいてくださることを心から祈り、願い、そして信じます。

 

 謝恩会準備などに尽力されてきた学生のみなさんにも、たいへん申し訳ないことをしたと思っています。ある意味で一生忘れがたいであろう卒業の時を迎えたみなさんに、最後にやはりこのことばを贈らせていただきます。

 

 卒業おめでとう。そして、みなさんの人生に期待しています。

 

 

大正大学人間学部臨床心理学科長

玉井邦夫

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