学部・大学院FACULTY TAISHO
臨床心理学科
ご入学おめでとうございます
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、ご家族におかれましても、このよき日をお迎えになられことを心よりお祝い申し上げます。学科の教員一同、これから4年間、全力で皆さんの学修を応援していきます。私たちは、臨床心理学に関心を持ち、期待や希望を胸に臨床心理学科に入学してきた皆さんに、有意義な大学生活を送っていただければと思っています。
本来であれば、学科教員と新入生が一堂に会する新入生ガイダンスやコミュニケーション・ガイダンスから始まる大学生活ですが、今年度は新型コロナウィルスの問題により、教室での授業開始が5月に延期されました。みんなで教室に集まることができないため、ガイダンスはWEBガイダンスになり、自宅にて一人で取り組む事前学修課題も課されています。皆さんと顔を会わせることができる日は、もう少し先になります。皆さんの中には、この異例の状況に、さまざまな不安や心配を抱いている人も多いと思います。せっかく大学に入学したのに、学科教員や他の新入生と知り合う機会がなく、何をしたらいいのか、どう過ごしたらいいのか、わからなくなっている人もいるでしょう。
そこで、この自宅学習期間に、私がお勧めしたいのは「真剣な読書」です。最近は、若者が本を読まなくなったと言われています。皆さんもこれまでは本をあまり真剣に読んだことがないかもしれません。しかし、大学での勉学を楽しむ秘訣は、間違いなく「真剣な読書」にあると思います。これから皆さんは、臨床心理学の様々な領域の話題について深く学んでいくことになりますが、その前に、臨床心理学あるいはカウンセリングの概説書や、心理援助に関連する話題についての新書などを取り寄せて、じっくり読み込んでみるのはどうでしょうか。
本が取り上げているテーマは何でもかまいません。不登校、ひきこもり、いじめ、DV、虐待、ひとり親家庭、発達障害、薬物依存、自殺、LGBTQ、トラウマ、パワハラ、ブラック企業、うつ病、老々介護など、社会問題となっている話題であれば、なんだっていいのです。今回、新入生に出した事前学修課題は選択でどちらかを選んでもらう形式ですが、一つは新型コロナウィルスについての課題にしました。一見、臨床心理学とは何の関係もなさそうなこの未曽有の出来事に対しても、心理援助の視点で考えてみることもできます。ときに著者の言い分に対して批判的に立ち向かうような姿勢で本を真剣に読んでみてください。それにより、おのずと知的好奇心を刺激され、いろんな疑問と勉学意欲がわき、きっと大学生活のよいスタートをきれるはずです。
皆さんと5月に教室でお会いできることを楽しみにしています。くれぐれも体調に気をつけてお過ごしください。
2020年4月 臨床心理学科 学科長 青木 聡