学部・大学院FACULTY TAISHO
臨床心理学科
小堀准教授が書籍を出版しました。
2022年7月、小堀彩子先生が、公認心理師のための書籍を発刊しました。小堀先生からの紹介メッセージを掲載します。
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この本は、臨床心理フロンティア と銘打ったシリーズ本のうちの一冊です。一連の書籍は、公認心理師を目指している人に向けて、臨床心理学を活かした実践を行う際に必要な知識の提供を目的としています。本シリーズの最大の特徴は,本の内容と連動した動画の存在です。https://cpnext.proに登録(無料)をすることで,本の内容を動画で視聴することもできます。
もう1つの特徴は,各章ごとに理解度を確かめるための問題がついている点です。臨床心理学を学んでいる学生や公認心理師の試験対策のための勉強をしている方にとって,より学習が進めやすく,使いやすいとなっていると思います。今の所,基礎科目,心理査定,発達障害,心理支援の4冊が出版されていますが今後も増える予定です。
そして今回小堀が執筆したのは、「心理支援」です。心理支援の方法には精神分析・クライエント中心療法・家族療法などさまざまありますが、今回は特に認知行動療法に焦点を当てて、その技法の全体像と、現場別、問題別の解決策について解説しています。認知行動療法はセルフヘルプの技法ですから、最終的には当事者自身がその技法を習得して自分が自分のセラピストになることを目指しています。その点で、理論や技法が比較的わかりやすく、現場がどこであるかを問わず導入しやすいというメリットがあります。さまざまな人が集う地域に開かれた場である学校とは特に相性の良い支援方法です。小堀は学校現場で勤務してきた経験を生かし、学校現場での支援のあり方について執筆しています。
学校現場で活躍する心理職といえばスクールカウンセラーです。本の中ではスクールカウンセラーがどういう仕事をする人なのかを説明し、彼らが直面する問題を解決する上でどのように認知行動療法が活用されているのかを解説しています。冒頭で、公認心理師を目指している人を対象としたシリーズ本であると書きましたが、本書に関していえば、スクールカウンセラーに関心がある高校生にとっても十分読み応えのある内容になっていると思います。