学部・大学院FACULTY TAISHO
クリエイティブライティングコース
南三陸町表現学部プロジェクトの報告(3)
4日目の日曜日はイベント当日。18時の開始に向けて、終わっていない作業を仕上げなくてはいけません。また、イベントの進行打ち合わせや屋台のセッティングと残った作業も多く、最後の追い込みとなりました。大灯籠の完成は16時頃。けっこうギリギリでした。
その後、すぐにイベント進行の打ち合わせ。17時過ぎには、イベントを盛り上げるべく、貸していただいた「オクトパス君」のぬいぐるみが到着し、その試着が始まりました。このぬいぐるみ女性用ということで、学生有志の岡庭さんが挑戦してくれたのですが、実際に着てみると、身動きが取れない状態です。女性用とはいえ、かなりの体力のいるこのぬいぐるみには、最終的に西蔭先生が入ることとなりました。この西蔭先生の決断に一同、頭が下がる思いでした。先生は「オクトパス君」を試着すると、ぬいぐるみ指導の方からも、お褒めのことばをいただくほどのいい動きを披露され、これにも一同びっくりです。こうした予定外のことが起きつつも、日が沈みイベントのスタートが刻々と迫ってきます。
予定の18時を過ぎて、少し遅れて始まったイベント。会場には東京からTMAP石田部長、柏木事務局長、そして多田学長も駆けつけてくれました。地元の方々も続々と集まっていらっしゃいます。
司会の島崎君、蘭さんの進行で、今回の学生リーダーである跡部君がイベントのスタートを宣言。その後、挨拶に立った多田学長も会場の盛り上がりぶりを絶賛されました。
綿菓子、かき氷、風船吊り、バルーンアートの屋台には長い行列ができ、他にも宝探し、スイカ割りと多彩な催しに。大人も子どもも会場のあちこちで大盛り上がりの流れに。ピーク時にはこの会場に200名を超える人たちが集まることとなりました。
会場内に「オクトパス君」のぬいぐるみが登場すると、たくさんの子どもたちが群がります。ふわふわした胴体に体当たりをする子もいて、中にいた西蔭先生もそれをよけようと、大変だったようです。
会場には、先生方の尽力もあって完成した「タコ御輿」も鎮座。これを中心になって担いだのは、「復興ダコの会」の遠藤義安さん。遠藤さんは、この先日、ロンドン・パラリンピックで金メダルを取った柔道の監督さん。帰国後の忙しい中、このイベントに参加してくれたのです。遠藤さんのかけ声に集まった青年の力を借りて、そして、大正大を代表して、小嶋先生も御輿担ぎに参加。元気に境内を2周もしてくれました。
今回のイベントでいちばんの人気だったのが、2年生の滝沢君と長谷川君によるバルーンアートショー。ピエロに分した滝沢君が長谷川君のトークで、観客のリクエストに応えて、さまざまなものをバルーンで作り出す様は、まさにプロ級。滝沢君、このバルーンアートはこの日のために始めたのだとか。彼の習得ぶりにみんなびっくりでした。
イベントも終盤、司会の呼びかけで今回参加の学生が観客の前に集合し、みんなで「少年時代」を合唱。宿と公民館との行き来のバス内で練習してきた歌声を披露してくれました。残暑厳しい日々とはいえ、夜8時近くなると、夏の終わりを感じさせる気候となり、秋の気配を感じさせる中での、この歌の合唱は、会場のみなさんの大きな気持ちのうねりを起こさせるものでした。
最後に、このプロジェクトの総指揮にあたった小嶋先生の挨拶があり、先生の声にも大きな感動の波が感じられます。
会場に来ていただいた方々からは、大きな拍手をいただき、大団円を迎えました。まだまだ、遊び足らない子たちもうろうろする中、学生、引率教員、鴨台プロジェクトセンターの坂本さん、現地でわれわれを応援してくれた阿部館長、阿部副会長、遠藤さんと両佐藤さんを「絆」と書かれたちぎり絵の大灯籠の前で記念撮影。こうして、この日のイベントを締めくくりました。
最終日、朝から境内の清掃と機材の撤収。さまざまな活動の基地として使わせていただいた入谷公民館にみんなで戻ると、そこには婦人会のみなさんが作ってくれた豚汁が並んでいて、そのおいしさも今回のプロジェクトで忘れられないものとなりました。
お昼前に入谷公民館前からバスに乗り、一路、東京へ。今度来るときには、この横の広場に「私大ネット36」の研修施設ができているはずです。また、ここから南三陸との「絆」が続いていきます。
(大島一夫 記)