学部・大学院FACULTY TAISHO
クリエイティブライティングコース
【H25ねぷた製作】「光とことばのフェスティバル2013」報告(2)
なんとか全ねぷたが完成した17時頃には、昨年から始まったお練り行列がすでに出発。本学と巣鴨地蔵通りの眞性寺の間を金魚ねぷたを持った浴衣姿の女子や男子は豆絞りのハチマキ姿で練り歩き、道行く人たちへ本日開催の「光とことばのフェスティバル」を大いにPRしました。
お練り行列が、すがも鴨台観音堂側の南門から入場すると、いよいよ点灯式「光とことばのフェスティバル2013」が始まります。まずは1年生代表による開会宣言。そして、表現学部・新学部長の小嶋知善先生の点灯宣言です。小嶋先生からは、今回の「光とことばのフェスティバル」が雨によって館内展示をメインにしたことなど、説明がされました。
雨の恐れもあった点灯式でしたが、幸いにも天気も持ちこたえ、19時を向かえる目前、7つのねぷたと2つの「ことばのロード」と大灯篭に、いっせいに光が灯りました。礼拝堂前のメインステージに集まった表現学部1年生全員と彼らを囲む観客のみなさんから「オー」という歓声が一斉に上がります。
それまで普段とは違って照明などを消された構内は薄闇の中。そこに忽然と光のオブジェの数々が現れました。
それからは各班のねぷたやことばのロード、大灯籠の鑑賞時間です。不安定な天気もあり、館外のねぷた展示も減ったのですが、今年も多くの方々に鑑賞していただくことができました。急遽メインの展示場所となった三号館1階は、一時は満員状態。すがも鴨台観音堂周辺の南門広場も、ことばのロードや大燈籠の展示で、普段とは違ったその光の風景を楽しんでいただけたと思います。
ねぷたを完成させた1年生は他班のねぷた鑑賞を早めに終えて、ギャラリー賞を狙って観客のみなさんに即席の作品紹介。各作品のタイトルが書かれた行灯の上に置かれた投票箱へ、1票でも多く投票券を入れてもらおうと説明にも力がこもります。こうした来場者とのやり取りも、新たな地元との交流を産んでいるのでしょう。
苦労して作り上げたこれらの作品も今日だけのもの。1時間ほどの点灯時間が過ぎると、ねぷたの光がいったん消されて表彰式の始まりです。
このねぷた製作を第一回から支援していただいている京都造形芸術大学の榎本了壱先生の講評に続いて各賞の発表です。豊島区長賞、学科長賞、学部長賞、ギャラリー賞と続いて行きます。各賞が発表されるたびに、入賞したねぷたに再び光が入り、製作した班は歓喜に沸き立ちます。壇上でトロフィーを受け取るリーダーは両手を天に振り上げて、その喜びを爆発させていました。感極まって、泣き出すリーダーもいます。会場の誰もがねぷた製作の苦労と喜びを実感する瞬間です。
今年はギャラリー賞と豊島区長賞をD班「地球と」がダブル受賞するという初の快挙もありました。
そしてラストは学長賞です。勝崎裕彦学長より告げられた作品名は「B班の”アイ”の先に」。ひときわ大きな歓声の中で、リーダー共々班員も壇上に駆け上がっての受賞に、さらに大きな拍手と歓声が響き渡りました。
表彰式のラストで再びすべてのねぷたに光が灯り、惜しくも受賞を逃した班のメンバーも互いの健闘を讃えながら、明日には撤収となるねぷたへの別れの余韻を名残惜しんでいました。
そして佐藤壮広先生の歌声と共に静かに「光とことばのフェスティバル2013」も大団円を迎えました。
教員一同、本年も数々の困難を乗り越えて、この作品作りを成し遂げた1年生の姿に感動を新たにさせられました。そして、この有意義なイベントを支えていただいた方々、鴨台プロジェクトセンターに感謝申し上げたいと思います。
(大島・記)