学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
カルスタ-プロジェクト2011①講演会を開催しました
カルチュラルスタディーズコースでは、ディプロマ・ポリシー(卒業までの到達目標)を達成するために、1,2年生を基礎力養成のプログラムに取り組んでいます。昨年度は研究成果を発表しディスカッションをする「カルスタ進歩ジウム」を開催し、一年間の成果を結集した論文集『私たちのカルスタ』を発行しました。
2010年度の取り組みの中心となった学生たちも3年生となり、いわば「顧問」として、次のプロジェクト・リーダーとなる2年生にさまざまなことを伝えてきました。春学期のあいだ、ほぼ毎週、代表の学生たちが集まり、2011年度の活動のテーマと行動計画を検討しました。
2011年度の取り組みは3段階方式、まず講演会、そして第2回となる「カルスタ進歩ジウム」の開催、さらに『私たちのカルスタ』第2号の発行と続きます。
先日、ファーストステップとなる講演会が行われました。講師は学生たちのあこがれの上橋菜穂子先生。演題は「物語の力」。上橋先生は「守り人シリーズ」や「獣の奏者」シリーズなど、子どもから大人まで、幅広い読者層をもつ人気のファンタジー作家です。
この講演会まで3年生がリーダーシップを発揮し、ここで2年生の企画委員へとバトンタッチです。3年生の3人の企画委員は、会場の準備、受け付けの手配、講師の出迎えから控室への案内と講演会開始までの接待、講演会の司会、講師紹介、そして質疑応答の司会、講演会終了後の茶話会の進行役、とすべてのことをこなしました。
子どものころから愛読してきた本の著者に直接会えるということで、3年生企画委員の緊張はただものではありませんでしたが、落ち着いて、礼儀正しく、誠実に対応しました。もちろん、計画通りにはいかず、ハプニングもなかったわけではありませんが、上橋先生はファンタジー作家であると同時に文化人類学の研究者として大学で教えてもいらっしゃいますから、学生たちが一生懸命に取り組んでいる様子を、温かく見守ってくださいました。
講演会終了後の茶話会は、上橋先生のご提案でじゃんけんによる勝ち抜き戦で参加者を決めました。学生間でも、上橋先生の作品の「超」熱烈なファンは優遇措置(?)が図られたようです。
会議室のテーブルを集めた即席のパーティ会場で、上橋先生のおおらかなお人柄に学生たちの緊張も徐々にほぐれ、上橋先生を囲んで、おしゃべりの輪が広がりました。愛読書持参でサインをしていただいた学生もいます。
3年生の企画委員は、1,2年生にリーダーシップと責任感のよいお手本を示してくれました。1,2年生は、カルチュラルスタディーズコース1期生として3年生が築いた土台の上に、これからさらに発展的な活動を繰り広げることになります。
普段の授業では、3年生、2年生、1年生が一堂に会するということはなかなかありませんが、カルチュラルスタディーズコースの全学生、全教員が勢ぞろいし、コースとしての一体感を実感したことも大きな成果です。
バトンを受け取った2年生企画委員は、これから11月27日に開催を予定しているシンポジウム、第2回「カルスタ進歩ジウム」に向けて、さらに活動を充実させてくれるものと期待しています。学生が主体となる活動ですが、教員も全力でサポートします。
カルチュラルスタディーズの学生たちが「ホンモノ」の力をつけるために、また大きなステップを踏み出しました。