学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
アートを文化研究
秋の気配も深まってきました。芸術の秋、ということで、はじめての試みとして、カルチュラルスタディーズコースのワークショップと大学院の比較文化専攻の合同授業を行い、「アートとは何か」について考えました。
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ワークショップはインスタレーションを中心に国内外で大活躍の小林史子先生をお迎えして、アートとは何か、表現はどのように生まれるのか、ということを実践的に考えている授業です。大学院比較文化専攻で学ぶ大学院生も、文化研究の視点からアートに対する関心は強く、学部、大学院という立場を超えて、たいへん刺激的な時間を過ごすことができました。
第一部として、比較文化専攻で研究をしている大学院生、君島さんから、モダンアートの手法や表現の可能性について、研究中の森村泰昌の作品を例に、興味深く問題提起。第二部はワークショップ担当の小林史子先生から、ワークショップとしてどのようなことに取り組んでいるか、という春学期の活動も含めた総括的な説明。大学院生にワークショップを紹介すると同時に、カルチュラルスタディーズコースの学生には、秋学期の目標確認にもなりました。
第三部として、小林先生のインスタレーションの作品について、君島さんと小林先生によるトーク。制作者から直接お話をうかがいながら、その作品について考えるという、とても刺激的なディスカッションになりました。
残念だったのは、時間が足りない・・・ということ。もっともっと話したい、という未消化の願望を心地よい余韻として抱きながら、また次の機会を約束して合同授業を終わりました。
ワークショップの学生たちは、これからアート表現の自由と不自由を実感しながら、実践的、体験的にアートを考えるための制作に取り組みます。アートを規定するものは何だろう、アートであるためにはどのような条件が必要なのだろう、これがアートだ、と決定する力をだれが有しているのだろう、アートの上手下手はどのように判断されるのだろう、幼稚園のお絵かき、粘土工作、小学校の図工の授業・・・私たちが受けてきたアート教育は私たちにどのような力を及ぼしているのだろう、街にあふれるアートは私たちにどのようなメッセージを送り続けているのだろう、などなど、制作を楽しみながら考えていきます。成果発表が楽しみです。♪♪♪