学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

カルチュラルスタディーズコースって何を勉強するの?①

暑い毎日です。夏1.jpg

受験生のみなさんは、もう志望校をしぼって受験に備えた勉強に打ち込んでいるところでしょうか。

物理、化学が得意なら理学部、国語が得意なら日本文学、というように高校までの勉強で得意分野を専攻しようと考えたり、あるいは医師、薬剤師、会計士、というように、専門的な職業を目指して学部を選ぶ人も多いことでしょう。高校までの科目にはなくても、フランス文学や心理学など、ある程度どのような学問なのか、想像しやすい専攻分野もあります。

?1.jpgそれに対して、カルチュラルスタディーズは何をするのか、いまひとつわからない、という受験生も多いのではないでしょうか。

オープンキャンパスでも、興味はわくのだけれども、何を学ぶのか、つかめない、何をするのですか、と質問されます。

ある意味では、このような質問をしてくれる受験生は、大正大学のカルチュラルスタディーズコースをよく理解しているのです。

なぜならば、私たちは、学生に「何を学ぶか」という研究対象を規定しません。ある学生はアニメ、ある学生はアイドルの音楽、ある学生はファッション、というように、それぞれの興味にあわせて、テーマを選んで卒業研究に取り組み、研究を完成させて卒業していきます。

それでは何でもあり?かというと、そうではありません。人が、なるほど、と頷いてくれるような研究にするためには、それなりに慎重にテーマを選ぶ必要があるのです。遠来の客をもてなすご馳走を作る時には、食材を念入りに選んで、時間をかけて仕込むものです。それと同じように、学生生活の集大成といえる研究に仕上げるためには、研究にふさわしいテーマを慎重に選ばなければなりません。

テーマを選ぶ力は、とても大きな力です。まず、知識が広くなければ、選ぼうにも、選択肢がありません。そこからどのように分析、考察を展開していくのか、という目論見が立たなければ、選択決定ができませんが、そのためには研究の方法を知っていなければなりません。料理の名人は、食材を見たときに、これはボイルしよう、とか、ソテーしようとか、あれと合わせみよう、とか、いろいろと頭に描くのではないでしょうか。何かおもしろい映画、漫画、アニメ、音楽、デザインに出会ったとき、これをこの視点からこのように分析したらおもしろいぞ、と思いつくことができるようになったら、それがカルチュラルスタディーズコースの目指している力です。

カルチュラルスタディーズは、文字通り「文化研究」です。文化研究の実践を通してカルチュラルスタディーズコースは、「テーマを見つける力」を培うことを目指します。見つけたテーマを「分析する力」を養います。そしてその分析結果を「人に納得してもらう力」を鍛えます。

いくら自分ではいい分析ができた、と思っていても、人にそれを伝えることができなければ、その分析に価値を与えることができません。自分の考えを、人に納得させる力、この力をカルチュラルスタディーズコースでは「コミュニケーション能力」と呼びます。

このコミュニケーション能力には、ディスカッションする力、口頭で発表するプレゼンテーション力、論文を書く文章力と論理力が含まれます。

何でも研究することができるのがカルチュラルスタディーズコース、でもそのために、なんでも研究のテーマにすることのできる能力を身につけなければ、このことは実現しません。

カルチュラルスタディーズコースの究極のゴールは、あらゆる文化現象を研究素材にすることのできる柔軟な思考と鋭敏な分析を身につけ、論理的で建設的な議論を生み出す力を備えること。

でも、そのような力は一朝一夕に身につくわけではありません。

それでは、どうやって力をつけるの? ということになるわけですが、これから何回かに分けて、カルチュラルスタディーズコースの授業内容、課外活動、そして在学生が取り組んでいる研究、所属教員の研究分野などをお話していきたいと思います。

いままでカルチュラルスタディーズなんて聞いたことがない、という方にも、具体的なイメージを抱いて受験していただけるように、いろいろな方向から説明をしていきたいと考えています。

どの大学に入るか、どの学部、学科、コースで勉強をするか、というのは大きな決意を伴う選択です。よく考えて、大正大学のカルチュラルスタディーズコースで学びたい、という決心をしていただきたいと願っています。夏を過ぎればAO入試、推薦入試と、2月、3月の入試まで、長い受験シーズンが始まっていきます。悔いのない夏を過ごしてくださいますように、実り多い夏になりますように、心から念じています。あさがお.jpgのサムネイル画像

伊藤淑子

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