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国際文化コース

Joke! ジョーク! じょうく!――2013年度秋学期「カルチュラルスタディーズ総論」から

春休みのキャンパスは学生の姿もまばらで、部活の学生たちの掛け声がひときわ響きます。それでも学科の閲覧室では、だれかしら勉学に勤しんでいます。いまは葉を落とした銀杏並木の下、散策を楽しむ近隣の方たちの姿もあります。このような落ち着いたキャンパスもまたいいものです。梅.jpgのサムネイル画像

さて、秋学期のカルチュラルスタディーズコースの授業、その名も「カルチュラルスタディーズ総論」で生まれたジョークを紹介します。

授業のなかで、公共圏について考えました。文化を考察するときに、公共圏という概念は重要です。文化は個人によっては成立しません。集団のサイズ、地域の広がりはまちまちであっても、かならずそれを共有する複数の人間があって、文化は成り立ちます。

そして文化的集団はモラルを形成します。法や規律のような強制的な力がなくても、人びとが判断の基準にしようと思うもの、それが公共圏で作られるモラルです。

ある集団で共有されるジョークは、公共圏のモラルを映す鏡ともいえるのです。何を笑うことができるか、何をジョークにしてはいけないか、その文化集団に働くモラルによって、ジョークは支えられています。

授業の課題は「大正大学の学生にはその笑いが伝わるジョーク、大正大学ならではのジョークを作ろう」というものでした。

次のような作品が生まれました。もしかしたら「なぜこれが可笑しいの?」というものもあるかもしれません。大正大学の学生ではなくても笑いを共有できるジョークもあります。もしかしたら受け取る側にとって「許せない冗談」になってしまっているものもあるかもしれません。一部ですが、紹介します。笑いは、きわめて高度な文化研究のテーマです。

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•遺跡で古代のジョーク発見
•歴史学科は背景を調査
•カルスタは比較研究
•教育学科は子どもへの影響を分析
•法学科は規制づくりを
•哲学科は・・・•遺跡を暴いていいかどうか、ずーと議論
 
  
•読めば頭がよくなるという参考書を買って、読んでみるとなかは真っ白。
•「頭がいい人だけ読めます」  
  
 
•SNSのイイネボタン
•「彼氏と別れた。死にたい」
•いいね!(28)   
 
 
•なにかずれているな、と思った。
•○○くんだった。  【作品は実名でした。クラスではとても受けました。愛のこもった笑いでした】
 
  
•出席、単位があぶない・・
教授室で
•学生「何でもしますから」
•教授「わかりました」
•学生(ほっ)
•教授「勉強をがんばってください」
•学生「・・・」  
 
  
•ニーチェ「神は死んだ」
•神「ニーチェは死んだ」  
 
 
•真冬にパンケーキを注文
•「パンケーキにそえるバナナが切れたので、アイス、増量しました」  
 
  
•レストランで
•男1「これ食べる?」
•女「いらないです」
•男2「いらないって」
•男1「ぼくのガラスのハートに響きました・・・」  
  
 
•最近母がダイエットのために乗馬始めました。
•みるみる痩せていく・・・
•馬が。  
  
 
•「刺さってもいたくない槍はある?」
•「なに?」
•「お・も・い・や・り」  
 
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最後は流行語大賞にもなった、あのことばの応用ですね。
だれでも笑えるジョークを作ることは意外とむずかしいものです。笑いは文化的価値観を共有することのできる仲間に取り込まれていきます。人を解放するのも笑いなら、人を疎外するのも笑い、公共圏とは何かを考えながら、コミュニケーション・ツールとしてのジョークを考え、新作ジョーク作りを楽しみました。
 

2010年度のジョーク作品はこちら⇒/wp/wp-content/uploads/cultural_studies/2011/03/06-152454.html 

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