学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
ケヴィンのインターン報告④
アメリカからのインターン生、ケヴィンからの新しい報告です。「ディズニーとファンタジー」という授業で、ケヴィンが論じてくれた内容を、とてもわかりやすく、まとめてくれました。
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2/1/16
前回のブログを書いた後、いろいろなことをたくさんしましたが、今回、私はディズニーの『アナと雪の女王』(Frozen)について書きたいと思っています。『アナと雪の女王』は他の映画より進歩的な映画だと言われるのをよく聞きます。しかし、私は『アナと雪の女王』は皆が思うほど進歩的ではないと思います。
この映画が進歩的だという人は、次のような要因のために、そう言っているのではないでしょうか。
1)エルザとアンナは両親によって虐待されたから現実的だ!
しかし、他のディズニーのキャラクターも両親によって虐待されました。例えば、シンデレラは継母に辛く思いをさせられます。さらに、失敗はしますが、継母は白雪姫を殺したかったのです。それから、エルザの両親は、愛していたので、彼女を隠しました。二人は皆がエルザの力について知ったら、彼女に悪いことをすると思ってしまいました。
2)「Let it Go」はエンパワーする歌だ!
楽しい歌ですが、エンパワーする歌ではないです。
歌のメッセージについて少し考えましょう。一人の映画の評論家によると、その意味は「You can be yourself, but only if you’re completely isolated away from the rest of society where you’ll have to deal with disapproval if you do show that you’re different」だそうです。これはあまりエンパワーメントじゃないですよね。
3)男性主人公以外に、強いキャラクターがあること
これは間違いではないが、クリストフはステレオタイプ的な男です。背が高い、体がとても強いし、自信があるし。
4)映画にゲイの男が二人描かれている
それが本当だったら、この作品は性の多様性を謳っていることになりますが、わかりにくいのも事実です。ゲイを描くのなら、ディズニーはもっとはっきり説明したらいいと思います。
結論として、『アナと雪の女王』は悪い映画ではないし、保守的な映画でもないと思います。私の意見はつまり、『アナと雪の女王』は少し進歩的かもしれないけれども、多くの人が言うほどではない、ということです。それでも、私はこの映画が好きです。
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なるほど、と思いませんか。
カルチュラルスタディーズコースでは、映画やアニメーションについて、議論する機会がたくさんあります。
ケヴィンの分析と論理的な説明に、皆が頷きました。
「世間なんてどうでもいい、私は私」と大きな声で言えるようになることは、empowerment?それとも社会からのevasion?
ケヴィンの意見に刺激を受けて、皆さんも『アナと雪の女王』について考えてみてください。
♪伊藤淑子