学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

4年生から後輩へのメッセージ③

卒業した4年生Oさんから、心のこもったメッセージが届いています。
4年生と3年生がいっしょに勉強するゼミでは、3年生の研究計画や論考にいつも丁寧にコメントや助言をしてくれていたOさん、本当にありがとうございます。

●●●

いま私の大学4年間を振り返ると、この大学生活は様々なことが、初めて経験することでした。電車で通学すること、自分の意見を論文という形でまとめること、50人を超える授業など多くのことが初めてでした。私はもっと広い世界を見てみたいと地元ではなく、敢えて東京の大学を選びました。幼少のころから住み慣れた地元を離れたことがなく、憧れだった東京に行ってみたいと当時は思っていたのかもしれません。地元にいては経験できない刺激が、確かに東京にはありました。

初めてのことを経験すると、常に新しいことが目に入り、刺激を受けます。電車に乗って通学するという、単なる行為でさえも胸が弾んでいたのを覚えています。必修である異文化の授業では、映画や外国の文化と日本を比較することで、物事の本質がより鮮明に見えてきて、興味深かったです。異文化の授業を受けて以降、映画を見ていても「なぜ、そうなのだろう」と疑問を持つことが増えました。これは異文化の授業を受け、自分で研究テーマを探し、それに沿って研究していこうと思えたためです。

私は大学での授業以外にも、アルバイトを新しく大学生になって始めました。新しく始めたアルバイトと大学との往復する日々は、目まぐるしく、刺激を超えて苦痛と感じることも多かったです。個人的な話になって申し訳ないのですが、私は1時間かけて大学に通っていました。やりたい、学びたいことが学べる、広い世界をみて刺激を受けたいと私の希望が詰まった大正大学に入れたのだから1時間は妥協しようと思っていました。実際、私より長い時間をかけて大学に通っている方も多くいますので、1時間は許容範囲だと考える方もいらっしゃいます。

授業が終わると、すぐに1時間かけて地元に戻りアルバイトを行っていました。アルバイト、授業、アルバイト、授業の日々の繰り返しで大学から家まで約50㎞あるのにその距離感もわからなくなるほど、今振り返れば慌ただしかった日々を送っていました。

カルチュラルスタディーズコースに在学中の皆さん、これからカルチュラルスタディーズコースを受験しようと考えている皆さんに私の慌ただしかった大学生活を振り返ってお伝えしたいことがあります。学期末になるとテストと課題提出に追われ、アルバイトもやっていると辛くて置かれている状況から逃げ出したくなると思います。少なからず私はそう思っていました。テストがあると平均点以上の点数をとりたいと寝る間も惜しんで勉強したり、課題が終らなくて友達と遊ぶ時間を削ってまでも課題に勤しむ姿勢ももちろん大事です。ですが大きな目でみると長い人生のうちのたった4年間です。

大学4年間は人によって過ぎ去るスピードも感じ方も違うと思いますが、とりわけカルチュラルスタディーズコースの皆さんは精力的な方が多いので濃密な4年間を送るんでしょうね。なので、盲目的になることが一番恐れていることでもあります。盲目的とは、課題やテスト、発表と自分のことに追われて周りで支えてくれる人を見失いがちになってしまうことです。皆が当たり前にこなしてる課題やアルバイトは、私にとって体力的に「がんばりすぎて」いる状況だとしたら、無理にがんばらなくていいと私は思います。

カルチュラルスタディーズコースで送る4年間は、高校までとは違う生活を送る、「がんばる」とお思いの皆さんはもうすでに「がんばられて」います。それを認めてあげながら4年間、時間と出会ってきた周りの人と自分の関係を意識してみてください。きっと11日を大切に楽しく過ごすことができると思います。私にはそういった当たり前のことができなかったので、皆さんには後悔のないようにしてほしいです。

拙筆ではありますが、これにて失礼いたします。

●●●

新学期が始まります。
Oさんの励ましを心に刻んで、気負わず、でも止まらず、ともに歩んでいきましょう。
                                ♪伊藤淑子

GO TOP