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国際文化コース
国際文化コース&カルチュラルスタディーズコース通信⑧
国際文化コースの学生たちの関心はさまざまです。だからこそ、多様な視点や意見が生まれ、さらに新たな発見への刺激に満ちています。
先日は授業のなかで、20世紀のはじめに世界的な現象として起こったモダニズムについて考えました。
ミュージカル『キャッツ』のもとになっている詩を書いたT. S. Eliotや、「意識の流れ」という手法で長大な「ひとりの人間のたった一日」の物語を書いたJames Joyceを考察しながら、そのとき日本は?という話になりました。
ときは大正時代、です。
といえば、それはもう、いま話題の『鬼滅の刃』の時代です。
少し授業の文脈を離れて、どうしていま、このようにブームになっているのだろう、と意見交換しました。
いま、まさに起こっている現象を、いま、分析するのはたいへんむずかしいものです。もしかしたら、現象が近すぎて、うまく見えていない部分もあるかもしれません。それを前提に、何回かに分けて、学生たちの意見ご紹介します。意見の「正しさ」ではなく、ここが議論の起こる空間になることが重要なのです。
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王道なヒーローもの、わかりやすい正義と悪の戦いといった最近見られにくいコンセプトが返って新しく人々の心をつかんだのではないか。また、主人公がなんらこれといった超人的な人間ではなく、努力で勝つ、親しみやすい人物なのも要因かと思われる。
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自粛中でアニメなどを見る時間が出来たのが大きな理由なのではないかと思います それに加えて、コロナで不安な時代において、「得体のわからない不安=鬼」という認識をしてしまっているからかもしれないと個人的には感じています。
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欠食児童や児童の身売りなどの大正時代の時代背景が巧みに描かれているのも人気の秘密なのではないかと思いました。
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鬼滅の刃大好きです。泣けるシーンが沢山あります。心の暖かさに引きつけられます。
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鬼滅の刃は刀や鬼など和な感じが出ているので日本らしいと思います。その中でキャラクターや音楽が今風なので、昔ながらの感じと今時っぽい感じにギャップが生まれて好きになる人が多くなるのではないかと思います。
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ヒットした理由として、コロナの状況の中、兄弟の絆という家族に焦点を当てているストーリ性が挙げられると思います。苦境に立ち向かう姿に勇気をもらう人も多いのではないかと思いました。
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鬼滅の刃は、家族愛から生まれる主人公たんじろうの勇者たる姿が、小さい子から大人までずっと見ていたくなるような、尊敬できる姿だからこそ人気が出たのだと感じる。キャラクターそれぞれにお茶目だったりかわいいなといった分かりやすく共感できる部分がたくさんあるのもまた良いのかなと思います。
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自粛期間中だったこともあり、手に取りやすかったのではないかと思いました。あと、誰かを守るために戦うという物語がみんなの心を掴むのかもしれないと思いました。ハマっている友達から、キャラがかっこよかったり、かわいいもいうのも聞きました。ハマる要素としてアニメや漫画は絵の可愛さも含まれると思います。
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もちろん、これらの意見を学問的なレヴェルでの分析にするためには、まだまだ考えること、調べることがたくさんあります。
でも、このような意見を交わすことによって、研究の糸口が見えてきます。
また次回、続きを紹介したいと思います。
楽しみながら研究をする、楽しみながらひらめきの力を養っていく、それをモットーに学生たちは勉学に励んでいます。
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