学部・大学院FACULTY TAISHO
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国際文化コース
人文学科国際文化コースで学ぶこと② いまこそ必要な人文学の知
人文学科にある国際文化コースのcurriculumは、当然のことですが、「人文学」という大きなくくりになかにあります。では、人文学とは、何でしょうか。
英語で言うと「Humanities」、その名のとおり、人文学とは、人間がどのように生きてきたか、人間はどのような価値観を形成してきたかを問い、人びとが思想や価値をどのようにかたちあるものとして表現してきたか、どのようなことばで語り、どのように共有してきたかを探究する学問です。
大正大学の人文学科国際文化コースでは、人間が積み上げてきた知に学び、現代を見つめ、さらにどのような理想や理念を未来にいだくことができるか、国際的な視点を重視しながら考えています。
新型コロナウイルス感染拡大による影響は、さまざまなところに現れ、私たちの生活も変化しましたが、もっとも大きな変化の一つは、まちがいなく「価値」の変化です。
コミュニケーションも、教育も、娯楽も、大きく変化しました。人と接することは、親密さではなく危険性に変わりました。空気のようにあたりまえだと思っていた移動する自由が規制され、実感をもって、権利とは何か、モラルとは何かを考えています。
世界のどこかで何かが起きたとき、それを対岸の出来事とすることはもはやできない、ということをだれもが強く認識しました。
価値の変化、ライフスタイルの変化を受けとめ、それを踏まえて、「いま」を理解すること、未来に向かって歩むための「知」を備えること、それが国際文化コースの大きな目標です。
その大きな目標を見つめ、一人ひとりに何ができるか、着実な歩みを重ねたいと思います。
大学時代は人生の一時期です。大学で学ぶことは、自立した人生へのステップとなり、社会で活躍するための資源や道具となるでしょう。卒業後に直面するであろう予測不能な未来にも耐える力こそ、大学で養ってほしいものです。
卒業後の進路選択は社会的状況によってさまざまに左右されるかもしれません。流通・販売よりもIT関連への就職が増えているのも、時代の変化です。強い意志を貫いて、希望の業界や職種を選択することも重要ですが、一方で、汎用性の高い知性と思考力・発想力を磨き、社会の求めに応じてそれぞれの力を発揮することも必要でしょう。
国際文化コースでは、人文学の「知」に立脚しながら、グローバルな視点をもち、【どのような世界を生きたいか】、そしてその世界で【どのようなコミュニティを作り、どのようにコミュニケーションを行い、どのような価値を共有したいか】を一人ひとりが真剣に考え、文化を読み解く力と発信力を磨いています。
大学時代に培った知は自信となり、就職先がどこであれ、職種が何であれ、「このような世界であってほしい」という願いを基軸に、時代の変化に適応して目標を刷新しながらも、揺るぎない考えをもち、社会において自分のもつ力を発揮するための土台となるでしょう。
予想できない未来に対応することのできる力、それこそが、柔軟な発想力という意味での「アントレプレナーシップ」です。1977年にガルブレイスのThe Age of Uncertaintyがベストセラーになったとき、「不確実性」が流行語にもなりましたが、そのころにも増して、いま、私たちは不確実性の高い時代を生きています。だからこそ、〇〇になりたい、という具体的な職業や職種を目指す以上に、どのような方向にも活用できるしなやかな「知」を培うことを国際文化コースは目指します。知識を広げる、論理的表現力を磨く、英語コミュニケーション力を高めるというテクニカルな学習も、未来に対応する「知」を培うためです。
どのような世界であってほしいか、どのような世界にしていきたいか、どのような価値を継承し、発信したいか、という理想の追究と、その理想に対して一人ひとりが現実的に何ができるか、どのように貢献できるか、というそれぞれの模索、その二つが国際文化コースを動かす両輪です。
人文学科国際文化コース
カルチュラルスタディーズコース