学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
【人文学科国際文化コース】新シリーズ! リレー国際体験記(1)天木勇樹先生①
「え、マクドナルドが通じない?」「初対面で、 “How do you do?” と聞かれたら?」
アメリカに行ったら英語が話せるようになるのか。
天木勇樹
国際文化コースに所属する教員たちは、様々な国際体験(留学、学会発表、交友等)を持っています。私たち教員の国際体験について、リレー形式でブログに掲載することになりました。今回、ブログトップバッターとして書きましたので、ぜひ読んでください。私の次は、誰でしょう?ご期待ください。
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アメリカでの10年間の生活を終えて帰国し12年が経とうとしている。ふと振り返ると辛い経験も沢山あったはずなのに、楽しかった時の思い出だけが鮮明に蘇ってくる。「アメリカに行ったら英語が話せるようになる!」「アメリカに行ったら何とかなる!」という自信が、アメリカでの生活を始めてすぐに一瞬にして砕かれてしまったことを今でも覚えている。
【“How do you do?” と聞かれたら?】
ホームステイの経験が初めての私は、アメリカ人の家族と一緒に生活できることを想像するだけで、ワクワクしていた。初対面で会った際には、“Nice to meet you?” と言われる場合が多く、ハグや頬にキスをされる場合もあると中学校で習った時のことを思い出した。
渡航前から何度も何度も空港で会った時のシミュレーションを頭の中で繰り返し、 “Nice to meet you.” “Nice to meet you, too.”の練習を行なった。しかし、最初に会った時の一言が、 “How do you do?” だった。
「え~、初対面で、 “How do you do?” と聞かれたら、なんと答えたらいいんだろう?」と考え、頭の中はパニック状態になったことを覚えている。今までは、型にはまった英語の表現のみを覚えていたため、全く応用がきかない英語力であることを痛感した瞬間だった。
【ホームステイ先での英語特訓生活】
学生時代には、3軒のアメリカ人の家庭でお世話になった。一番印象に残っているホームステイ先は、老夫婦の家での生活である。英語が上手く話せない私に対しても、毎日英語で話しかけてくれ、まるで自分の息子のように接してくれた。
ある日、老夫婦の二人は、図書館に私を連れて行ってくれ、幼児や小学生向けの絵本を数十冊も借りてくれた。その時には、なぜ幼児向けの絵本を何十冊も一度に借りるのか理解できなかった。翌日から、老夫婦による英語力向上のための特訓が始まった。毎朝、食事が終わると、二人の前で図書館で借りてきた絵本の音読を繰り返し、「この単語の発音が違うから、〇〇〇と発音したほうがいい」「この単語の意味は、〇〇〇という意味だよ」などと丁寧に教えてくれた。
英語学習に近道はなく、英語を習得するためには、毎日の練習がとても重要であることをここで実感した。
【クラスメイトたちとのランチ】
アメリカの大学では、大学1年次から学部や学科を決める必要はなく、文学、物理、数学、歴史、心理学、芸術(写真、グラフィックアート等)、体育(ゴルフ、水泳、バスケット等)、第二外国語(手話、ドイツ語、スペイン語等)など様々な科目を履修し、大学3年次に自分が本当に学びたい学部や学科を選ぶことになる。学びたいことが沢山ある場合には、主専攻と副専攻を選択し、二つの学部で学ぶことが可能である。
グループディスカッションやプレゼンテーションを毎回行う授業が多く、様々な価値観や考えを持つクラスメイトと知り合うことができた。ランチに一緒に行こうと誘われた時、 “Let’s go to McDonald’s!” と提案すると、 “What? What did you say?” とクラスメイトたちから言われ、「え?? マクドナルドも通じないの??」とショックを受けたことを覚えている。 “Let’s go to Burger King!” は、なぜかクラスメイトたちに通じた。
McDonald’sは一例であるが、日本語と異なり、英語ではイントネーションの強弱がとても重要であることを改めて学ぶことができた。
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アメリカでの生活を通じ、自分が本当に伝えたいことを英語で相手に伝えることができず、自分の英語の発音を笑われることや自分の意図と異なる意味で相手に理解されることは、精神的にとても辛いことではあったが、アメリカで生活するためにはもっと英語を勉強しなければならないという起爆剤になった。
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次回のアップも楽しみにしてください。
人文学科国際文化コース