学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
【人文学科国際文化コース】国際的視点で文化を追究したら、ファンタジーと「かわいい」、動物と「推し」の出会う森にたどりついた卒業研究
大正大学も先週で年内の授業を終え、ホリデーシーズンに入りました。
ほっとひといきの学生たちもいるでしょうし、待ちに待った冬休みならではの活動を楽しんでいる学生たちもいることでしょう。
卒業生のみなさんは仕事によっては年末年始、お忙しいこともあるかもしれませんし、これから入学試験を受ける受験生のみなさんは入試当日に向けて学力と体力の調整に入る時期で、気の抜けない季節かもしれません。
それぞれに、有意義な時間を過ごしてほしいと願っています。
4年生たちは12月なかばに卒業論文の提出したところです。余裕をもって執筆した人も、追い込みで書き上げた人も、ベストを尽くすために一生懸命に取り組みました。大学生としての学びの集大成が卒業論文です。全力で卒業論文に向き合い、さいごまでブラッシュアップに励む姿は、後輩たちにも印象的でした。
そのようななかで、提出期日まえの12月3日に、オープンキャンパスが開催され、国際文化コースの4年生が、卒業論文「大人の新たな趣味としてのシルバニアファミリー」について、来場者に発表しました。発表してくれた渡邉さんからのメッセージが届きました。
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今回、自身の卒業論文のテーマである「大人の新たな趣味としてのシルバニアファミリー」についてプレゼンテーションをさせていただきました。発表時はまだ執筆中だったこともあり、総合的な結論をお伝えすることができませんでしたが、シルバニアファミリーが持つ特徴と卒業論文を書くにあたっての姿勢をお話しました。発表をすることで、自分の研究内容を振り返ると同時に、卒業論文は4年間で身に付けた力を発揮する集大成であることを改めて感じました。
私は2020年のコロナ禍に入学しました。自粛期間によるオンライン授業化や登校制限もあり、あまり大学生らしい挑戦ができずにいました。そのため、4年生になり、ようやくオープンキャンパスのお手伝いに参加させていただける機会が訪れたことを本当に嬉しく思いました。人前でプレゼンテーションをすることが好きなので、とても楽しい時間を過ごすことができました。自分の研究内容を話すことに加え、他学科の生徒との掛け合いや交流もあり、貴重な経験をさせていただいたと感じています。研究内容はもちろん、国際文化コースで学んだ4年間で感じたこと、身についた力、そして国際文化コースで学ぶことのおもしろさを高校生や保護者の方に届けられるように試行錯誤して発表内容を考えました。今回のプレゼンテーションを通じて、1人でも多くの人が興味を持ってくれていたら幸いです。
文学部に所属していると、「文学部って将来何に役立つのか」「就職活動で不利になるのではないか」といった言葉を耳にします。ですが、文学部では「自分で問題を見つけ、解決する力」が見に着くと思っています。この能力は社会に出てから必要であり、情報に溢れ、変化が激しい現代社会においてより重要な能力だと考えています。大正大学の国際文化コースでは国際的、文化的な面から自ら問いを立て、考察します。難しいように感じるかと思いますが、私のように好きなことや興味のあることといった、日常生活や身近なものについて考えることもまた“文化について考える”ことであると考えています。将来のために学ぶことも大切ですが、自分が何に興味があるのか、何が好きなのか、何を学びたいかということを踏まえ、高校生には進路の選択肢を増やしてほしいと思います。そして、その選択肢の一つに大正大学の国際文化コースが入っていることを願っています。
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忙しい時期に、オープンキャンパスで発表してくださり、本当にありがとうございます。
来場者たちに、そしてこれから入学してくる未来の後輩たちに、国際文化コースに在学している学生たちに、とても心強いメッセージをいただきました。
ファンタジーの架空の森の村に暮らすかわいい小さな動物たちと大人の趣味としての「推し」活動がどのように結びつくか、非常に興味深い論文になりました。
卒業論文ゼミの現場に、突然現れた「小さな」動物たちに、どれほど「大きな」意外性の驚きと注目の吸引力があったか、いまでも忘れられません。ゼミ生たちを「わ~~」と言わせたものは何であるのか、その正体を論じる渡邉さんの論文は、趣味、イメージ、推し、階級、ノスタルジア、コミュニティ、コミュニケーション、人形・フィギュア、などなど、たくさんの論点を融合させ、学際的に展開します。
国際文化コースの大きな成果が生まれました。
4年生は1月に卒業論文の口述試験(英語ではdefense)を控えます。しっかり自分の議論をディフェンスしてください。
人文学科国際文化コース