学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
【人文学科国際文化コース】異文化アダプテーションの試み――創作布袋劇「伊勢物語―二条の后―」
人文スーパーゼミの大学院生から、先日の開催された公演の報告が届きました。
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2025年1月12日(日)、『創作布袋劇 伊勢物語―二条の后―』が上演されました。本公演は本学日本文学科、人文学科の学生と教員と学生が共同で企画したものです。本企画は、日本の古典文学と、東南アジア地域の伝統芸能である布袋劇、インドネシアの伝統音楽ガムランという3つの文化のコラボレーションです。この異文化アダプテーションの試みは2018年度から始まり、当初は『源氏物語』から「浮舟」の物語を原作としていました。2022年度からは学長裁量経費の採択事業として運営が行われ、昨年度から原作を『伊勢物語』にリニューアルし、新たな物語を描いています。
本公演「伊勢物語―二条の后―」では「昔、男ありけり」という文で知られる歌物語である『伊勢物語』から新たに物語を膨らませ、作中に登場する歌や登場人物の感情がより伝わるお話になっています。また、今回は上演後に脚本を担当した学生たち、演者の皆さんが登壇して解説を行うトークショーを設け、より内容や背景の理解を深められる取り組みが行われました。本企画は主に、有志の学生が中心となり脚本・演出を手掛け、先生方の監修のもと、人形使いのチャンチンホイさん、ガムラン演奏の櫻田素子さん方に協力していただき公演を行っています。人文学科学生は制作協力というかたちで参加しました。当日までの舞台・会場制作や当日の案内・受付などを行いました。実際に上演を見ると、東南アジアの伝統的な布袋劇やガムラン、そして日本の古典文学を融合させた本企画は斬新さと幻想的な世界観に溢れています。人形の感情豊かな表現がガムランの演奏によってより強く描き出されていると感じました。
公演までには様々な準備段階がありますが、そうした中で普段は交流の少ない他学科の学生や教員と交流し合うこと、馴染みのない楽器や人形といった多様な文化に触れたことがとても印象的でした。そして、この企画を楽しみに毎年来場してくださったり、初めて来られたりする多くのお客さんが「楽しかった!また来年見に行きます」と満足そうに会場を出ていく姿を見ると、この企画に参加した意義を感じられました。本企画は毎年公演しています。興味のある方はぜひ制作の参加、また、公演へのご来場お待ちしています。(M. H. )
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大学院生と学部生、日本文学科と人文学科、というように、学年や学科を超えた活動から、すばらしい成果が生まれています。
これからも大学院生や学生たちの報告記事をこちらのブログから発信していきたいと思います。
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