学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

人間科学科

「社会調査実習(古書店街のフィールドワーク)」を紹介します。

 初めて投稿する「張江洋直」です。
 私は「社会学の基礎」(1年生)や「社会学の理論と方法」(2年生)などを担当していますが、詳しくは「大正大学」の「教員紹介サイト」をご覧ください。
 今回は「社会調査実習」という3年生以上を対象とした授業を紹介しましょう。この授業は「社会調査士」という資格取得にとって「集大成」ともいうべき重要なものです。
 例年と同じく学生は「3クラス」にテーマごとに分かれ、テーマに基づいた社会調査を実施します。
 私たち「荒川康+張江クラス」は「古書店(街)と学生」を中心とした調査を行い、現在はちょうど『社会調査実習報告書』が完成す目前のところにいます。

神保町-01.jpg
 教員である「荒川+張江」にとって古書店は馴染み深いところです。ずいぶんと昔にも思えますが、私たちが学部生になりたての頃に、専門古書店におじゃますることは、ある種の「通過儀礼」にも似た体験だったのです。
 しかし、我が学生諸子の多くにとって、そうした古書店はどこか遠い存在のようです。かれらにとって近しいのは「新古書店」というわけです。
 ここで少しだけ、『調査報告書』の内容も紹介しておきましょう。
 私たちのフィールドワークの対象地は、写真にもある「日本一の古書店街」である「神田神保町」はもとより、じつに多様です。くわえて、神保町であっても、これまでとは少しイメージのちがう「セレクトショップ型古書店」のリサーチやジェンダーへの着目、あるいは専門古書店における「よそ者」論と多彩です。
 「若者の街」である「渋谷と高円寺」の比較研究はなかなかの読み応えですし、自由が丘のリサーチからは、これまで見えていたけれども「古書店の仕事」とはクロスしなかった出来事のような古書店がつづられます。
 さらに、古書店と新古書店の「時間論」、「教養」の歴史的な比較、古書へのフェティシズム、図書の社会的保存(ことに同人誌)、地域創生の可能性といった具合に、まるで「知的な万華鏡」にも思えます。
 『報告書』をぶじに出版できたら、また、ご紹介したいと思います。ちなみに、この『報告書』は「一般社団法人 社会調査協会」はもとより、日本最大の図書館「国立国会図書館」にも入ります。

GO TOP