学部・大学院FACULTY TAISHO
情報文化デザインコース
H26 ワークショップⅤ 制作雑誌の紹介(1)
編集・出版コースの3年生のグループ制作雑誌が今年も完成した。昨年度までは、秋学期完成だったが、カリキュラムの組み替えで今年度から半年早まっている(準備は2年の秋学期スタート)。2〜4人のグループで一人8ページ程を担当し、A4オールカラー中綴じで32ページ程度の雑誌を作成した。
全体を総括すれば、今回の雑誌は最後のツメで苦しんでいるグループが多かった。スケジュール管理は雑誌編集の要だ。内容に関しては、雑誌テーマの理解と表現のブレが、担当ごとに大き過ぎると感じた。雑誌の魅力は記事ごとのバラエティにあるが、それも程度による。台割、ラフデザインを検討する過程で、グループでの話し合いが足らなかったのでは。現実の雑誌制作でも立ち話も含めた打ち合わせが頻繁に発生する。打ち合わせの重要性を再認識してほしい。
以下、今回作成された雑誌を2回に分けて紹介していく。
Midum ミーディアム
メディア情報誌というジャンルは珍しく、「GALAC」(旧「放送批評」)ぐらいではないかと思うが、その点では面白いテーマに取り組んでいる。しかし、メディア視点での記事の掘り下げが浅く、内容も平板だ。この号では「競馬」を取り上げているが、「メディア情報誌の読者=競馬ファン」でないことに、配慮が足りない点も、大いに反省すべきだろう。
7music reactions
セブンミュージックリアクションズ
音楽情報誌。画像では表紙は白地に赤文字のシンプルなものだが、実は文字は切り文字になっていて、表紙をめくると真っ赤なページが目に飛び込んでくる。こうしたギミックなど、雑誌というよりは、コンサートパンフのような印象だが、企画や内容もしっかりしている。カッコイイ編集はいいのだが、文字が読みにくいところがあるのが残念。この辺は、最近の雑誌を作る人に共通する欠点だと思う。
風のたより カゼノタヨリ
ジブリ情報誌。この世代に絶大な人気を誇るアニメ制作会社「ジブリ」。ジブリのアニメを取り上げる雑誌は過去の企画にもあり、今回はどうするのか? と思っていたら、ジブリの仕事にスポットを当て1冊の雑誌にしていた。課題でアニメ誌を作るのは著作権的に厳しいものがあるが、うまくそれをかわして編集している。
ジャパンクリエイター
クリエーターを紹介するインタビュー誌。中味はオーソドックスながら安心して読める作りで評価できる。それに反して、表紙がいただけない。しっかりした内容があるのにこの表紙では読者の手が伸びないだろう。時間切れだったかもしれないが、もう少し詰めるとグッとよくなる雑誌だけに惜しい。
FLeUR フルール
女性向けライフスタイル情報誌。女子の多い本コースで女性向けライフスタイル企画も定番といっていい。毎年、同テーマの雑誌が1冊はあるが、その差別化のために「ハナちゃん」という女子大生キャラクターを設定して、その生活場面が雑誌企画になっている。順に読むとそれなりに説得力があるのだが、雑誌は順序よく見るだけではない。どこからでも読める工夫も必用だろう。
出版・編集コース:大島 記 (以下、次回に)